[記事公開日]2016/09/13

米国版「はやぶさ」の探査機「オシリス・レックス」が小惑星「ベンヌ」に向けて打ち上げ成功

小惑星「Bennu」(ベンヌ)の表面から試料を採取する探査機「オシリス・レックス」の想像図=NASA(アメリカ航空宇宙局)提供

小惑星探査機「オシリス・レックス」の打ち上げにNASAが成功!

米国版「はやぶさ」とも言うべき、小惑星探査機「オシリス・レックス」の打ち上げにNASAが成功しました!

『米国版「はやぶさ」をNASAが打ち上げて小惑星「Bennu」(ベンヌ)を探査』、こちらの記事の中でも書きましたが、先月8月17日に、NASA(アメリカ航空宇宙局)は、9月8日にアメリカとしては初めてとなる小惑星探査機「オシリス・レックス」を打ち上げる予定だと発表していました。

そして、日本時間の9月9日午前8時5分、NASAが開発した小惑星探査機「オシリス・レックス」を載せたロケットは、フロリダ州のケープカナベラル空軍基地からごう音とともに飛び立ち、午前9時すぎ、探査機がロケットから切り離されて予定の軌道に入り、NASAは打ち上げが成功したと発表しました。

小惑星探査機「オシリス・レックス」が目指すのは、地球に最も近い小惑星の1つである「ベンヌ(Bennu)」という小惑星になります。

「ベンヌ(Bennu)」という小惑星には、生命の元となる炭素の化合物が豊富にあるとされ、持ち帰った物質から生命の起源や太陽系の成り立ちに迫ることを目指しているとのことです。

小惑星の探査をめぐっては、日本の探査機「はやぶさ」が6年前の2010年、小惑星の微粒子を持ち帰るサンプルリターンに世界で初めて成功しましたが、それに続く成果を挙げられるか注目されています。

日本の「はやぶさ」の成果が、アメリカ初となる小惑星探査機「オシリス・レックス」の設計に生かされているようです。

 

探査機「オシリス・レックス」が目指すのは、「ベンヌ(Bennu)」という小惑星

小惑星探査機「オシリス・レックス」が目指すのは、地球に最も近い小惑星の一つ「ベンヌ(Bennu)」であり、太陽の周りを1年余りで周回する直径およそ500メートルの小惑星になります。

「ベンヌ(Bennu)」という小惑星は、太陽系誕生直後の約45億年前にでき、当時のままの成分が残っているとされていますので、生命に欠かせない有機物や水があるとみられています。

小惑星探査機「オシリス・レックス」は、2018年夏に小惑星「ベンヌ(Bennu)」へ接近を開始し、その後、各種観測機器で詳細に探査して、サンプル採取に最適な場所を決定してから、2020年7月頃に実際の採取を予定しているとのことです。

「オシリス・レックス」は小惑星「ベンヌ(Bennu)」に着陸はせず、先端に円形の試料回収装置が付いたロボットアームを伸ばして地表に接地させ、ガスを噴射して巻き上がる物質を取り込むようです。

そして、巻き上がった砂や石をカプセルに収納して持ち帰ることになりますが、採取する試料サンプルの量は、最低60グラム以上で、最大2キログラムを想定しているとのことです。

「オシリス・レックス」は、2023年9月に地球に近付き、試料カプセルを切り離して大気圏に突入させ、ユタ州で回収する予定になっています。

 

小惑星探査の動きは今後本格化し、民間企業も参入を計画

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小惑星探査の動きは、今後、ますます本格化し、民間企業も参入してくることになりそうです。

日本が世界に誇る小惑星探査機「はやぶさ」は、地球重力圏外にある天体の固体表面に着陸してのサンプルリターンに、2010年6月、世界で初めて成功しました。

そして、『「はやぶさ2」の目的はイトカワと同じ地球近傍小惑星「リュウグウ」への着陸とサンプルリターン』、こちらの記事の中でも書きましたが、「はやぶさ2」は、小惑星探査機「はやぶさ」の後継機として、JAXA(宇宙航空研究開発機構)で開発された小惑星探査機であり、2014年12月3日に種子島宇宙センターから打ち上げられ、地球近傍小惑星「リュウグウ」への着陸およびサンプルリターンが計画されています。

そして今回、米国版「はやぶさ」とも言うべき、アメリカ初の小惑星探査機「オシリス・レックス」が、小惑星「ベンヌ(Bennu)」へ向けての打ち上げに成功しました。

さらには、NASAには、2020年代中頃までに、別の小惑星に無人探査機を送る計画もあるとのことであり、探査機が表面の岩などをつかんで月の近くまで運び、宇宙飛行士が合流して直接、調べる内容になっているとのことです。

こうした探査は、NASAが2030年代に目指している有人火星探査の技術開発にもつながると期待されているようです。

火星に人を送るには、次世代の大型ロケットや有人宇宙船の開発に加えて、往復で約3年かかるとされる宇宙での長期の飛行が課題になりますが、NASAでは火星より近い小惑星への飛行でノウハウを蓄積したい考えのようです。

小惑星探査においては、日本が世界をリードしており、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が手掛ける「はやぶさ2」は、小惑星「リュウグウ」を目指して順調に飛行中であり、試料採取をした後、2020年11月頃にサンプルリターンする予定になっています。

さらにはJAXAには、火星を周回する衛星から試料を持ち帰る探査機の構想もあるとのことであり、この技術を通じて世界の宇宙開発をリードしたい考えのようです。

ぜひ、日本のJAXAには、小惑星探査の技術を通じて世界の宇宙開発をリードしていくことを期待しますが、これからの宇宙開発は、アメリカのNASAや日本のJAXAのような、国家レベルでのプロジェクトだけではなく、民間企業も積極的に参入してくる時代が近いのだと思います。

『イーロン・マスク氏のスペースX社が、有人宇宙船での火星探査を2024年に計画』、こちらの記事の中でも書きましたが、天才的起業家イーロン・マスク氏が率いるアメリカの民間企業スペースX社が2024年に有人火星探査を計画しており、NASA(アメリカ航空宇宙局)をリードする形となっています。

小惑星探査においても、小惑星にあるとみられる、白金など希少金属の採取をもくろむ民間企業が参入を計画しているようです。

アメリカの宇宙ベンチャー「ディープスペース・インダストリーズ」は、将来の小惑星鉱山の開発を目指して、来年2017年にも独自に試験探査機の打ち上げを計画しているとのことです。

今後、宇宙開発の技術が進歩するにつれて、月や火星の資源を求めて、国家プロジェクトだけではなく、民間企業も積極的に宇宙に進出する時代が近付いているのかも知れませんね。

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