[記事公開日]2015/11/22
[最終更新日]2016/04/11

ブラックホールとホワイトホールという宇宙の謎・不思議・神秘に迫ってみる

ブラックホールとは?

ブラックホールという言葉は、SF映画や小説などの世界で、一度入ってしまったら、もう二度と出て来ることは出来ないような恐ろしい存在としてイメージされています。

実際のところ、宇宙に存在するブラックホールとは、一体どんなものなのでしょうか?

ブラックホールとは、極めて高密度かつ大質量で、強い重力の為に物質だけでなく光さえ脱出することが出来ない天体のことを指します。

ブラックホールという名称自体は、アメリカの物理学者ジョン・ホイーラーが1967年に命名したものであり、それ以前には、崩壊した星を意味する“collapsar”(コラプサー)などと呼ばれていたそうです。

元々、20世紀の初頭に、光さえも脱出出来ない天体があり得ることを予想したのは、ドイツの物理学者カール・シュヴァルツシルトという人だそうです。

現代的なブラックホール理論は、アインシュタインの一般相対性理論が発表された直後の1915年に、理論の骨子であるアインシュタイン方程式をカール・シュヴァルツシルトが特殊解として導いたことから始まったようです。

シュヴァルツシルトは、極端に小さくて極端に質量の重い天体を考えて、一般相対性理論の方程式に当てはめてみたところ、光の速度でも脱出できないという解を得たようです。

一般相対性理論に基づいて考えると、極端に時空を歪めていくと特殊な球形の領域が発生し、そこに近い場所では領域の重力によって光が吸い寄せられるので、例え光速であっても、そこから抜け出すことは不可能であるということを論じたようです。

要するに、シュヴァルツシルトは、「ブラックホールが存在する」ということを、理論的に示したようです。

シュヴァルツシルトの理論によると、ブラックホールは、とても重いものがギュッと小さく押しつぶされることで出来るとされていたようです。

アインシュタイン自身は、シュヴァルツシルトが自分の方程式を解いてくれたこと自体は喜んだものの、現実にブラックホールが存在するとは信じていなかったそうです。

ブラックホールは、光すらも飲み込んでしまうとても奇妙な天体なので、科学者たちは、長い間、ブラックホールが本当に存在するのか否かで、激しい論争を繰り返してきたようです。

ブラックホールは長い間、想像の産物とも考えられていたようですが、1971年になって、本当に存在することが分かったようです。

それまでの間、科学者たちは、ブラックホールをめぐって激しい論争を繰り広げたようですが、主に次のような論争があったようです。

 

ブラックホールの存在をめぐっての科学者たちの論争

ブラックホールが本当に存在するということが、1971年に分かるまでは、科学者たちの間で、ブラックホールの存在をめぐって様々な論争が繰り広げられてきたようです。

ブラックホールの存在ををめぐる主な論争は、以下のようなものがあったようです。

★ スブラマニアン・チャンドラセカールとアーサー・エディントンとの論争

1930年に、インド出身の天体物理学者スブラマニアン・チャンドラセカールが、ブラックホールの実在を予言する発見をします。

この時まで、星の一生は全て、白色矮星で終わると考えられていたようですが、チャンドラセカールは、白色矮星はある値以上は大きくなれないことを発見し、重い星はブラックホールになる筈だと予想したようです。

チャンドラセカールは、白色矮星の質量には上限があることを理論的に導き出し、質量の大きな恒星は押しつぶされてブラックホールになると主張し、ブラックホールの存在を初めて理論的に指摘したようです。

つまり、チャンドラセカールは、極端に重い星が一生を終えると、ブラックホールになることを突き止めたということのようです。

チャンドラセカールの説に痛烈な批判を浴びせたのが、彼の師匠にあたる、イギリスの天文学者アーサー・エディントンであり、アーサー・エディントンは当時の科学界の重鎮でした。

アーサー・エディントンは、アインシュタインの一般相対性理論を観測によって初めて検証した人物であり、科学界の重鎮であるアーサー・エディントンが、がまともに検討することもなく頭ごなしに否定したことにより、チャンドラセカールの理論は筋が通っていたものの、それ以上議論が進むことはなかったようです。

★ オッペンハイマーとホイラーの間で起きた「ブラックホール論争」

1932年にアメリカで「ブラックホール論争」が起きたようですが、ことの発端となったのは、「中性子星」というとても変わった星の存在だったそうです。

「中性子星」は原子ではなく中性子によって作られている星で、とても重い星が一生を終えた後に「超新星爆発」を起こして出来る星のようです。
普通の星と比べると、とても小さくて非常に重いのが特徴であり、角砂糖一つ分ほどの体積で数十トンもの重さがあると言います。

そして、アメリカ人でプリンストン大学の物理学者であったロバート・オッペンハイマーが「中性子星」の重さを計算したところ、「とても重い星が超新星爆発を起こすとブラックホールになる」という結果が導き出されたようです。

ところが、この説に異を唱えたのが、プリンストン大学の同僚であったジョン・ホイーラーでした。

そして、オッペンハイマーとホイーラーの両者が何度も何度も計算を繰り返し、お互いの主張をぶつけ合う中で、奇妙なことが起きました。

元々ブラックホールの存在を否定していたジョン・ホイーラーが、逆に、ブラックホールの存在を確信するようになったそうです。

そして、元々ブラックホールの存在を主張していたオッペンハイマーの方は、ここまで研究を進めたところで原子爆弾開発を目的とするマンハッタン計画の責任者としてロスアラモス研究所の所長に任命され、ブラックホール研究からは遠のくことになったようです。

その後、ホイーラーは、むしろオッペンハイマーよりも積極的にブラックホールの研究を進めていき、「太陽の質量の約30倍以上の星が超新星爆発を起こすとブラックホールが誕生する」という結論に至ったようです。

ブラックホールという名称自体は、アメリカの物理学者ジョン・ホイーラーが1967年に命名したものであると冒頭に書きましたが、なんと、元々ブラックホールの存在を否定していたジョン・ホイーラーが、「ブラックホールの名付け親」になったようです!

理論的には、ブラックホールは間違いなく存在すると確信されるようになったものの、まだまだブラックホールは頭の中だけの想像上の存在だったようですが、1971年になって、本当に存在することが分かったようです。

 

1971年、X線観測衛星「ウフル」が最初のブラックホール「はくちょう座X-1」を観測!

ブラックホールの存在は、あくまでも理論的な存在にしか過ぎませんでしたが、1970年代にX線天文学が発展したことで転機を迎えます。

1971年に世界初のX線観測衛星「ウフル」が、以前から話題になっていた「はくちょう座X-1」のX線データを観測し分析したところ、太陽の約30倍の質量を持つ「はくちょう座X-1」が、自己重力によって潰れた星の周りを回っていることが判明したそうです。

そして、「はくちょう座X-1」の近くに太陽の約10倍近い質量の天体がある筈だったものの、その天体があるべき場所をいくら観測しても、何も見えなかったそうです。

そして、これが、人類初のブラックホールを観測した瞬間だったということのようです。

つまり、そこにあるべき筈の巨大な天体とは、実は、見ることが出来ないブラックホールだったという訳なのです!

人類初のブラックホールは、「はくちょう座X-1」と名付けられました。

現在では、ブラックホールは、太陽の約30倍以上の星が死んだ後に出来ると考えられており、このような星は数え切れない程ある為、無数のブラックホールが宇宙空間には存在していると考えられているようです。

ところで、冒頭に書いたように、SFや小説の世界では、ブラックホールは一度入ってしまったら、もう二度と出て来ることは出来ないような恐ろしい存在としてイメージされています。

もし、実際にブラックホールに吸い込まれてしまったら、どうなるのかについて、触れてみたいと思います。

 

もし、ブラックホールに吸い込まれてしまったら、どうなるのか?

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もし、ブラックホールに吸い込まれてしまったら、どうなるのかについて、理論的な話では次のようになるようです。

ブラックホールの最大の特徴は、その影響圏に入ったものを全て引き寄せてしまうので、その力はとても強く、光でさえも一度飲み込まれてしまうと、二度と外には出られないようです。

そして、その秘密は重力にあると言います。

ブラックホールは、桁外れに重力が大きいので、光でさえも、ブラックホールの重力圏に入ったら、ブラックホールの重力から逃れることは出来ず、中心の方に引き寄せられてしまうようです。

もしも、ブラックホールの重力がもっともっと弱ければ、宇宙で最も速いとされる光であれば、ブラックホールの重力を振り切って、圏外へ脱出することも可能かも知れませんが、実際には、ブラックホールの重力は超強力なので、光でさえも振り切ることは出来ないようです。

ブラックホールの重力源となる物体は、とても小さなものなのですが、強力な重力によって周りにあるもの全てを引き寄せるので、その周りには何も無いエリアが広がっていくようです。

周囲は非常に強い重力によって時空が著しくゆがめられ、ある半径より内側では脱出速度が光速を超えてしまうようです。
そして、この半径をシュヴァルツシルト半径、この半径を持つ球面を「事象の地平線」(シュヴァルツシルト面)と呼び、この中からは光であっても外に出てくることは出来ないそうです。

ブラックホールは単に元の星の構成物質がシュヴァルツシルト半径よりも小さく圧縮されてしまった状態の天体であり、「事象の地平線」の位置に何かがある訳ではなく、ブラックホールに向かって落下する物体は「事象の地平線」を超えて中へ落ちて行くということのようです。

ブラックホールから離れた位置の観測者から見ると、物体が事象の地平面に近づくにつれて、相対論的効果によって物体の時間の進み方が遅れるように見える為、観測者からはブラックホールに落ちていく物体は最終的に「事象の地平線」(シュヴァルツシルト面)の位置で永久に停止するように見えるそうです。

そして同時に、物体から出た光は重力による赤方偏移を受ける為、物体は落ちていくにつれて次第に赤くなりやがて可視光領域を外れ見えなくなるということのようです。

また、ブラックホールは「事象の地平線」を越えて飛び込む物質を再び外部へ逃さずにすべてを呑み込む領域ですが、「事象の地平線」から物質を放出するホワイトホールというものも一般相対性理論上は想定されているようです。

 

ホワイトホールはブラックホール解を時間反転させたアインシュタイン方程式の解

ホワイトホール は、ブラックホール解を時間反転させたアインシュタイン方程式の解として、一般相対性理論で理論上議論されるものだということです。

ブラックホールは「事象の地平線」を越えて飛び込む物質を再び外部へ逃さずにすべてを呑み込む領域ですが、ホワイトホールは「事象の地平線」から物質を放出する領域だとのことです。

ホワイトホールは数学的には在り得るが、実際に天体として存在するかどうかは不明だそうです。

ブラックホール熱力学は、量子効果によってホーキング放射することによってブラックホールが最終的には蒸発することを予言するとのことですが、このプロセスも時間反転に対して対称である為、熱的平衡にあるブラックホールの時間反転解もブラックホール解であり、そうであるなら、ブラックホールもホワイトホールも同じ物体として解釈され得るということのようです。

 

電波観測によって「クエーサー」が超大質量ブラックホールだったことが判明し、銀河の中心にも大質量ブラックホールが存在するという

電波天文学の発展によって、星のような点にしか見えない謎の電波源が見つかるようになり、「星ではないかも知れないが、星のように見える天体(準恒星状天体)」という意味から「クエーサー」と命名されたそうです。

「クエーサー」の正体として最も有力な説は、「クエーサー」は大質量ブラックホールをエネルギー源に持っている、というものだそうです。
「クエーサー」の強力な光度は、大質量ブラックホールを取り巻く降着円盤のガスや塵がブラックホールに落ち込む時の摩擦によって生み出されていると考えられているようです。

2008年にはOJ287という「クエーサー」が太陽質量の180億倍と1億倍という、極めて質量の大きなブラックホール同士の連星系であることが判明したそうです。

巨大な超大質量ブラックホールは、銀河同士の衝突により核である大質量ブラックホール同士が合体して生じるのではないかと考えられているようです。

ちなみに、私たちが住む銀河系(天の川銀河)の中心部にある電波源複合体「いて座A-」には、太陽の370万倍もの質量を持った巨大なブラックホールが存在すると多くの天文学者によって考えられているそうです。

これまでの研究によって、銀河の中心に超巨大なブラックホールが存在することは、ほぼ間違いないようです。

ただし、何故、そのような超巨大なブラックホールが形成されるようになったのかは、未だに謎のままのようです。

ブラックホールというのは、本当に、宇宙の謎や神秘・不思議の最たるものの一つと言っても過言ではなさそうです。

 

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