[記事公開日]2016/04/21

ブレーン宇宙論は4次元時空を高次元のバルクに埋め込まれた膜と捉える宇宙モデル

ブレーン宇宙論(膜宇宙論)は量子重力理論の中の1つの仮説

ブレーン宇宙論(ブレーンワールド)と呼ばれるものがあり、量子重力論の中の1つの仮説となっているようです。

『宇宙の始まりの謎に挑む超弦理論やループ量子重力理論やブレーン宇宙論(膜宇宙論)』、こちらの記事の中でも書きましたが、宇宙がどのように始まったのかということは元より、そもそも宇宙に始まりがあったのかということさえ、まだ分かってはいないようです。

宇宙の本当の起源は何かという疑問は、物理学の究極の問題になりますが、それを取り扱う理論がまだ無いため、現在のところまだ誰も本当のところは分からないということになります。

そして、宇宙の始まりを扱うのに必要な理論は、「マクロの世界(物理学)」と「ミクロの世界(量子力学)」を統合した「量子重力理論」と呼ばれていますが、まだ私たち人類は、この「量子重力理論」を完成させていないということなのです。

量子重力理論は、ビッグバン理論の基礎である一般相対性理論と、素粒子論の基礎である量子力学とを融合した理論ですが、まだまだ完成はこれからのようです。

宇宙がどのようして始まったのかは元より、そもそも宇宙に始まりがあったのか、さらには、私たちの宇宙がたった1つの唯一の宇宙なのか、それとも、複数あるいは無数の宇宙が存在しているのか、ということなど、分からないことだらけなのが実情のようです。

そうした中にあって、宇宙の本当の始まりを探す挑戦としての量子重力理論の中で、有力な候補たちがいくつかあり、超弦理論(超ひも理論)、ループ量子重力理論、ブレーン宇宙論(膜宇宙論)などがあるようです。

『超弦理論では宇宙を「超ヒモ」が振動するカラビヤウ空間で11次元だと数学的に計算』、こちらの記事の中でも書きましたが、超弦理論(超ひも理論)は、量子重力理論の中の有力な仮説の1つとされています。

そして、超弦理論(超ひも理論)は、「ブレーン(膜)」と呼ばれる特殊な構造を予測することになり、その「ブレーン(膜)」からミクロの「超ヒモ」が生えていると考えるのだそうです。

そこで登場するのが、ブレーンワールドとも呼ばれる、ブレーン宇宙論(膜宇宙論)になります。

 

ブレーン宇宙論(膜宇宙論)と呼ばれるブレーンワールドとは

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ブレーンワールドまたはブレーン宇宙論(膜宇宙論)とは、『私たちが認識している4次元時空(3次元空間+時間)の宇宙は、さらに高次元の時空(バルク(bulk))に埋め込まれた「ブレーン(膜)」のような時空なのではないか』と考える宇宙モデルです。

低エネルギーでは(私達自身を含む)標準模型の素粒子の相互作用が4次元世界面(ブレーン)上に閉じ込められ、重力だけが余剰次元(5次元目以降の次元)方向に伝播できると考えるようです。

超弦理論(超ひも理論)が進展した結果として、どうやら、ミクロの「超ヒモ」は必ずしも主役ではなく、「ブレーン(膜)」と呼ばれる、もっと重要な黒幕がいることが判明したのだと言います。

「ブレーン(膜)」と言っても、必ずしも2次元平面とは限らず、とにかく、「広がりをもったもの」のことを「ブレーン(膜)」と呼んでいるようです。

そして、「ブレーン(膜)」には大きく分けて2種類あると考えます。

1つが、堅くてツルツルしている「ブレーン(膜)」であり、もう一つが柔らかくて一面に「超ヒモ」という「毛」が生えている「ブレーン(膜)」だと考えるようです。

 

循環する宇宙モデルでは、2枚の「ブレーン(膜)」が衝突してビッグバンが起きた

最新の宇宙論では、この「ブレーン(膜)」という考え方を裏付けるような宇宙モデルが登場しているようです。

それが、循環する宇宙モデル(エキピロティック宇宙モデル)と呼ばれるものになります。

循環する宇宙モデル(エキピロティック宇宙モデル)では、宇宙には3次元空間を持つ「ブレーン(膜)」が2枚あって、定期的に衝突を繰り返していると考えるようです。

そして、ビッグバンのエネルギー生成のメカニズムは、高次元時空にうかぶ3次元のブレーンワールド同士の衝突によって生じると考えます。

私たちの宇宙そのものが1枚の「ブレーン(膜)」であり、それがもう1枚の「ブレーン(膜)」とぶつかったり離れたりの衝突を繰り返しており、2枚の「ブレーン(膜)」の間には重力が働いていると考えます。

そして、2枚の「ブレーン(膜)」同士がぶつかった時をビッグバンと捉えるのだと言います。

また、2枚の「ブレーン(膜)」同士がぶつかった時に「皺(しわ)」ができて、それが10万分の1の「ゆらぎ」となって「銀河の種」を形成していくことになったのだと考えます。

『宇宙誕生38万年後の「銀河の種」をNASAの観測衛星COBEとWMAPが発見』、こちらの記事の中でも書きましたが、NASAが打ち上げた観測衛星COBEとWMAPの二つの衛星によって、ビッグバンから38万年後の「宇宙の晴れ上がり」の時の「宇宙マイクロ波背景放射」(CMB)には、10万分の1の「ゆらぎ」があることが観測されています。

そして、この10万分の1の「ゆらぎ」が「銀河の種」へと成長したと考えられています。

NASAが打ち上げた観測衛星COBEとWMAPは、宇宙誕生38万年後の「銀河の種」を発見した訳ですが、「銀河の種」だけではなかなか成長せず、銀河はできないと考えられており、銀河を作った秘密は、「見えない種」にあると言います。

そして、銀河を作った「見えない種」が暗黒物質(ダークマター)であり、暗黒物質(ダークマター)は銀河の「種の種」になるとも考えられています。

循環する宇宙モデル(エキピロティック宇宙モデル)というのは2002年に登場したまだ新しい宇宙モデルになりますし、ブレーン宇宙論(膜宇宙論)というのも、量子重力理論の中の1つの仮説にしか過ぎませんが、大きな可能性を秘めた宇宙モデルなのかも知れません。

 

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