[記事公開日]2016/04/10

イーロン・マスクのスペースX社の宇宙ロケット「ファルコン9」が無人船への着地に成功

スペースX社が打ち上げた「ファルコン9」

スペースX社の宇宙ロケット「ファルコン9」が地上70kmから無人船への着地に初成功!

アメリカのベンチャー企業であるスペースX社が打ち上げた無人のロケットが、高度およそ70キロまで上昇したあと、大西洋に浮かぶ無人船まで戻ってきて、無事着地することに初めて成功しました!

上昇を終えたロケットは「使い捨て」になるのがこれまでの常識でしたが、ロケットを再利用して打ち上げコストを下げる画期的な技術として注目されています。

このロケットは、スペースX社が打ち上げた「ファルコン9」というロケットであり、日本時間の9日午前5時43分に打ち上げが行われ、ロケットはアメリカ南部フロリダ州のケープカナベラル空軍基地から飛び立ちました。

そしてロケットは、高度およそ70キロメートルまで上昇してから、打ち上げ地点よりおよそ300キロメートル離れた大西洋に浮かぶ無人船に向けて、ゆっくりと下降して近づいていき、最後には船のほぼ中央に立つように着地しました。

「ファルコン9」を打ち上げたスペースX社は、実験が成功したと発表しましたが、今回の成功は、これまでの常識を覆す、画期的な出来事であり、宇宙ロケットを再利用して打ち上げコストを大幅に減らし、宇宙時代をより身近なものにしてくれることにつながるかも知れません。

「ファルコン9」を打ち上げたスペースX社は、アメリカの天才実業家として知られるイーロン・マスクが設立したベンチャー企業であり、イーロン・マスクは、決済サービスPayPalや、電気自動車会社のテスラモーターズの経営者としても知られています。

ベンチャー企業のスペースX社は、これまで1回きりの使い捨てになるのが常識だったロケットを何度も再利用できるようにしようと、打ち上げて上昇を終えたあと、特定の場所にみずから飛行して戻ってくる、新型ロケットの開発を進めてきました。

2015年12月には、地上に着地させることに初めて成功しましたが、極めて難しいとされる海を航行する船の上に戻すのは、今回が初めてになります。

打ち上げたロケットを、極めて難しいとされる海を航行する船の上に戻す実験は失敗続きであり、2016年1月に行われた実験では、船の上に着地してあわや成功かと思われた途端に、ロケットは倒れてしまい、失敗に終わっています。

しかし、今回、日本時間の9日午前5時43分に行われた打ち上げ実験では、アメリカ南部フロリダ州のケープカナベラル空軍基地から飛び立ったロケット「ファルコン9」が、高度およそ70キロまで上昇した後、大西洋に浮く無人の船に向けて、ゆっくりと下降して近づいていき、そして最後に船のほぼ中央に立つように着地した様子が、スペースX社などのカメラが捉えた映像に映し出されていました。

ロケットの打ち上げに成功した後、フロリダ州のケネディ宇宙センターで開かれた会見で、スペースX社のCEO=最高経営責任者であるイーロン・マスクは、「ロケットを戻すことが可能だと証明できた」と述べて、実験が成功したことへの喜びを表しました。

今回スペースX社が行った実験は、宇宙開発の常識を覆したとも言える成果であり、打ち上げコストを下げる画期的な技術として注目されていますが、この実験を成功させたスペースX社、そしてCEO=最高経営責任者であるイーロン・マスクについて、少し見てみたいと思います。

 

スペースX社、そして天才的経営者とされるイーロン・マスクとは

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スペースX社は、ロケット・宇宙船の開発・打ち上げといった宇宙輸送(商業軌道輸送サービス)を業務とするアメリカのベンチャー企業であり、2002年に決済サービスベンチャー企業PayPalの創設者であるイーロン・マスクにより設立されました。

拠点はカリフォルニア州ホーソンにありますが、この拠点には本社機能と組立工場に加えてロケット発射時とミッション中の管制を行うコントールセンターも備えています。

スペースX社は、最終的には再利用可能にすることを目指す打ち上げロケット「ファルコン1」、「ファルコン9」、ならびに「ファルコン9」で打ち上げる宇宙船「ドラゴン」を開発しています。

今回、無人船への着地に成功したのは、「ファルコン9」になります。

スペースX社は、費用と品質を管理するために、大部分のコンポーネントを自社で開発しており、その中には「ファルコン」ロケットで使われているロケットエンジンと宇宙船「ドラゴン」も含まれると言います。

スペースX社は、2006年にNASA(アメリカ航空宇宙局)と、国際宇宙ステーション(ISS)への物資補給のための打上げ機の設計とデモ飛行を行う商業軌道輸送サービス(COTS) を契約しています。

そして2010年12月9日にはCOTSのデモ飛行1ミッションの打上げを行い、同社は民間企業としては世界で初めて軌道に乗った宇宙機の回収に成功しています。

また、スペースX社は、有人型の宇宙船「ドラゴン」の開発とデモ飛行を行う宇宙飛行士の商業輸送開発(CCDeV) プログラムとしてNASAと契約しています。

スペースX社は、2012年に宇宙船「ドラゴン」を国際宇宙ステーション(ISS)に民間機として初のドッキングを成功させ、補給物資や実験装置を送り届けました。

また2015年には、「ファルコン9」の第1段により、世界初となる衛星打ち上げロケットの垂直着陸を成功させました。

2013年ダブリンサミットでのイーロン・マスク

スペースX社の共同設立者およびCEO=最高経営責任者であるイーロン・マスクは、決済サービスのPayPal社の前身であるX.com社を1999年に設立した人物です。

イーロン・マスクは、20代半ばで起業していますが、その当時彼が考えていたのは、「インターネット」「クリーン・エネルギー」「宇宙」の3つの分野に従事したいということだったそうです。

スペースX社は、イーロン・マスクの3つ目の会社であり、宇宙輸送を可能にするロケットを製造開発するベンチャー企業として、2002年に設立されています。

また、イーロン・マスクは、電気自動車会社であるテスラモーターズ社に投資し、2008年10月には同社の会長兼CEOに就任しています。

2006年には太陽光発電会社ソーラーシティを従兄弟であるリンドン・リーブと共同で立ち上げ同社の会長に就任しました。

また、2013年年には時速約800マイル(約1287キロ)の輸送機関ハイパーループ構想を明らかにしています。

イーロン・マスクは、既製の概念を打ち破るような発想を持った天才的な経営者として、世界的に注目される経営者となっています。

 

ロケット再利用によるコスト削減で「宇宙ホテル」など宇宙観光の時代も近づきつつある

ロケットの打ち上げに成功したあと、フロリダ州のケネディ宇宙センターで開かれた会見で、スペースX社のCEO=最高経営責任者であるイーロン・マスクは「効率的に行うには数年かかるが、ロケットを戻すことが可能だと証明できた」と述べて、実験が成功したことへの喜びを表しています。

スペースX社では、今回戻ってきたロケットに異常がないかどうか、地上でも実験を行い、問題がなければ、来月か再来月には同じロケットを再び打ち上げる予定だと言います。

そして、現状でも10回から20回程度は再利用が可能であり、将来的には何千回も再利用できるようになり、全てのロケットにおいて再利用が当たり前になる時代が来るだろうと、今後の展望についてコメントしています。

ロケットの打ち上げには1回当たり数十億円以上コストがかかるとされていますが、今回の実験に成功した技術が実用化されれば、コストを大幅に削減することができます。

1回1回の打ち上げごとにロケットの新品を製造して、打ち上げ後の落下部品を回収したりするコストも大幅に削減できます。

スペースX社が画期的なのは、上昇を終えたロケットを残った燃料を使って下降させて、海の上の狙った場所に着地させるという技術に挑んだことであり、なかでも今回の実験は日本時間の9日午前、「宇宙ホテル」の試験機を打ち上げたロケット「ファルコン9」を使って行われました。

『「宇宙ホテル」の試験機打ち上げにNASAとビゲロー社が成功し山崎直子飛行士も期待』、こちらの記事の中でも書きましたが、昨日の4月9日、一般の人でも宇宙に滞在できる、いわゆる「宇宙ホテル」の試験機が、「ファルコン9」を使って打ち上げられ、見事に成功しました。

2段のロケットで構成される「ファルコン9」の1段目に、開発中の新型ロケットを組み込み、宇宙空間に届く前の高度およそ70キロまで上昇して役目を終えた後に、ゆっくりと下降させて大西洋を航行する船の上に着地させることに成功したのです。

この技術であれば、ロケットを海の中から回収する手間とコストがかからないほか、次の打ち上げに向けた整備も最小限に抑えることができますので、宇宙ロケット打ち上げのコストを大幅に削減できそうです。

スペースX社がコメントしているとおり、将来的に何千回も再利用できるようになれば、「宇宙ホテル」への宇宙旅行などもかなりコストが抑えられ、身近なものになってくるものと思われます。

「宇宙ホテル」や「宇宙旅行」「宇宙観光」などの「有人宇宙ビジネス」を成り立たせるうえにおいて、コストをできるかぎり下げることが不可欠となります。

スペースX社のCEO=最高経営責任者であるイーロン・マスクの夢は、人類を火星に送ることであり、人類の火星移住を実現したいとのことです。

イーロン・マスクは、人類の火星移住を実現させるために必要なロケットや宇宙船をみずから開発するとしており、ロケット再利用の技術は一般の人が火星に行けるようになるための鍵となる技術だと話しています。

昨日行われた「宇宙ホテル」試験機の打ち上げ成功といい、ロケット再利用技術の実験成功といい、「宇宙ホテル」や「宇宙旅行」「宇宙観光」などの「有人宇宙ビジネス」が、ますます身近なものとなり、夢の実現が一歩一歩近づいているような感じがします。

 

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