[記事公開日]2016/04/24

ガンマ線バースト(GRB)はビッグバンに次ぐ宇宙最大の爆発で天文学上の大きな謎

         「ガンマ線バースト(GRB)」 (右側が拡大図)

ビッグバンに次ぐ宇宙で最大の大爆発を観測衛星「HETE2」が発見

2002年10月4日、観測衛星「HETE2」が、うお座方向からの「ガンマ線バースト(GRB)」を検出しました。

観測衛星「HETE2」は、日米仏三国の国際協力によって製作され、NASA(アメリカ航空宇宙局)が 打ち上げた、「ガンマ線バースト(GRB)」の観測を主目的とする衛星です。

観測衛星「HETE2」は、全天のほぼ十分の一の領域を常に監視し、「ガンマ線バースト(GRB)」が発生した場合、その位置を測定して地上に即座に通報します。

「ガンマ線バースト(GRB)」 の位置情報は、インターネットを通じて全世界に伝えられ、地上からの「ガンマ線バースト(GRB)」の即時追観測に役立てられます。

「ガンマ線バースト(GRB)」は、数十億光年のかなたの遠方の銀河で発生する巨大な爆発現象ですが、「HETE2」 は、年間約 50 個(予定)の「ガンマ線バースト(GRB)」の観測を目指して打ち上げられました。

「HETE2」 によって、地上天文台からのバースト発生直後からの精密な追観測が初めて可能になり、謎に包まれた「ガンマ線バースト(GRB)」の起源に迫れると期待されての打ち上げでした。

「HETE2」には、日本の理化学研究所が開発した観測装置が積まれていました。

そして、2002年10月4日、観測衛星「HETE2」が、うお座方向からの「ガンマ線バースト(GRB)」を検出した時、発生から約3分後に、理化学研究所の20センチメートル望遠鏡が、「ガンマ線バースト(GRB)」の爆発の名残の残光が、急速に暗くなっていく様子を捉えたと言います。

それが、100億光年離れた宇宙で起きた天体の大爆発でした!

「ガンマ線バースト(GRB)」は、銀河系の全ての星が1年間に出すエネルギーより大きなエネルギーを放出する、宇宙最大の爆発現象だと言います。

 

「ガンマ線バースト(GRB)」は、天文学上の最大の謎の一つ

スポンサーリンク

「ガンマ線バースト(GRB)」は、銀河系の全ての星が1年間に出すエネルギーより大きなエネルギーを放出する、宇宙最大の爆発現象ですが、天文学の分野で知られている中で最も光度の高い物理現象であり、天文学の最大の謎の一つとも言われているようです。

「ガンマ線バースト(GRB)」では、ガンマ線が数秒から数時間にわたって閃光のように放出され、その後にX線の残光が数日間見られると言います。

ガンマ線は、X線よりも波長の短い電磁波で、「ガンマ線バースト(GRB)」では宇宙のある方向からガンマ線が降り注ぎ、短時間で現象が終わってしまいますが、最近になって「ガンマ線バースト(GRB)」が起こった後に、X線や可視光で輝く残光が発見されるようになったようです。

そして、この残光を観測することで、この爆発が宇宙の初期の銀河で起こっていることが明らかになってきたと言います。

「ガンマ線バースト(GRB)」は、天球上のランダムな位置で起こり、1日数回程度は観測されているようですが、極めて短時間で終わってしまうため、素早く追跡観測が行われ、残光が捉えられる例は年間10個程度だとされています。

 

超新星爆発の数十倍の爆発エネルギーを持つ極超新星(ハイパーノバ)

「ガンマ線バースト(GRB)」が最初に発見されたのは、1967年のことであり、アメリカの核実験監視衛星ヴェラによって発見されましたが、その後1973年に、アメリカのロスアラモス国立研究所の研究者によって、発生源が不明だった「ガンマ線バースト(GRB)」が太陽系外からやって来ていることが突き止められたのだと言います。

それから数十年経った今でも、「ガンマ線バースト(GRB)」は天文学上の最大の謎の一つともされているようです。

「ガンマ線バースト(GRB)」を起こす元となる仮想的な天体を「ガンマ線バースター」と呼びます。

「ガンマ線バースト(GRB)」の正体については、2つの中性子星やブラックホールが衝突・融合する時に起こるものだとする説や、超新星爆発と関係しているという説が唱えられているようです。

そして、超新星爆発の数十倍の爆発エネルギーを持つ極超新星(ハイパーノバ) との関連も有力な説となっているようです。

極超新星(ハイパーノバ) は通常の超新星爆発の数十倍の爆発エネルギーを持つ超新星爆発のことですが、発生頻度も稀な上、遠方の銀河で発生するケースを観測する場合もあり、その明確な理論は良く解かっていないものの、「ガンマ線バースト(GRB)」との関係が唱えられています。

超大質量の恒星が一生を終える時に極超新星(ハイパーノバ) となって爆発し、これによってブラックホールが形成され、「ガンマ線バースト(GRB)」が起こると考えられています。

しかし、「ガンマ線バースト(GRB)」の詳細な発生メカニズムはまだ解明されておらず、依然として、天文学における最大の謎の一つとされています。

『ループ量子重力理論はスピンネットワークという数学的構造から時空が生まれるとする概念』、こちらの記事の中でも書きましたが、2008年にNASAが打ち上げたGLAST「フェルミガンマ線宇宙望遠鏡」は、何十億年も彼方の遠い宇宙からやって来る「ガンマ線バースト(GRB)」を精密に観測することが可能だといいます。

はるか遠くの宇宙で発生した「ガンマ線バースト(GRB)」の光が、波長によってわずかな時間差をもって地球に届くことが検出されれば、時空の離散的構造から生まれる効果が確かめられることになり、ループ量子重力理論を実証したことになるとも言います。

天文学の最大の謎の一つとされる「ガンマ線バースト(GRB)」の詳細な発生メカニズムを解明することが、今後の天文学にとってとても大切なようです。

 

スポンサーリンク

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ