[記事公開日]2016/04/16

「はやぶさ」が探査したイトカワやリュウグウなどの小惑星帯が太陽系や生命の成り立ちを解く鍵

1801年に最初に見つかった小惑星セレス(ケレス)。現在は「準惑星」として扱われている。

小惑星と小惑星帯(アステロイドベルト)が火星と木星との間に散らばっている

『火星と木星の間の小惑星帯(アステロイドベルト)には100万個以上が存在』、こちらの記事の中でも書きましたが、太陽系の火星と木星の間には、小惑星が無数に散らばっている「小惑星帯」があります。

これらの小惑星は、太陽を取り囲んで無数に分布していますが、特に小惑星が集中している火星と木星の間のドーナツ状の部分の「小惑星帯」を「アステロイドベルト」と呼びます。

「アステロイドベルト」には、現在、番号を付けられている小惑星だけでも16万個以上ありますが、小さなものまで入れれば数百万個にも及ぶと考えられています。

小惑星のほとんどは直径数十キロメートル以下で、数メートルしかないものもありますが、それでも、直径1km以上の小惑星が100万個以上存在すると推定されているようです。

小惑星を作っている物質はよく分かっていないと言いますが、小惑星のほとんどが、隕石のようなものだと考えられているようで、多くはいびつな形をしながら、皆ほかの惑星と同じ方向に公転しています。

火星と木星との距離が離れているため、19世紀以前から、ここには発見されていない惑星があるのではないかと考えられていたようです。

そのため、1801年に見つかった最初の惑星ケレス(セレス)は、50年程惑星として扱われた時期があります。

 

「4大小惑星」はケレス(セレス)、パラス、ジュノー、ベスタ

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1801年に見つかった最初の小惑星ケレス(セレス)は、準惑星の1つであり、「小惑星帯」(アステロイドベルト)に位置する最大の天体になります。

小惑星として初めて発見された天体であり、小惑星番号1番を持ちます。

ケレス(セレス)は、「小惑星帯」(アステロイドベルト)における最大の天体(直径約940キロメートル)であり、その質量は「小惑星帯」(アステロイドベルト)の天体の総質量の4分の1から3分の1を占めると言います。

2番目に大きいパラスの質量は、ケレス(セレス)の5分の1程だと言いますが、質量においてはベスタが2番目で、こちらはケレス(セレス)の3.5分の1程になります。

1801年に見つかった最初の惑星ケレス(セレス)(直径約940キロメートル)と、翌年発見されたパラス(直径約532キロメートル)、1804年に発見されたジュノー(直径約234キロメートル)、1807年に発見されたベスタ(直径約468キロメートル)を、「4大小惑星」と呼びます。

最初の惑星ケレス(セレス)は、1801年1月1日に、シチリア島にあるパレルモ天文台の台長ジュゼッペ・ピアッツィによって発見され、ローマ神話の女神ケレス(セレス)から命名されたと言います。

ケレス(セレス)は、「小惑星帯」(アステロイドベルト)における最大の天体(直径約940キロメートル)ですが、自分の重力によって縮まって丸い形をしています。

発見当時は新しい「惑星」とみなされていましたが、その後近くの軌道に同じような天体が続々と見つかってきたこと(「小惑星帯」(アステロイドベルト)の発見)や、惑星にしては小さすぎることなどから、1850年頃から「小惑星」として惑星とは区別されるようになったようです。

ケレス(セレス)は、最小の惑星である水星の約5分の1の大きさであり、地球の月の大きさの約4分の1しかありません。

それでもケレス(セレス)は直径約940キロメートルと小惑星の中では際だって大きく、その後何万という小惑星が発見されてきたにもかかわらず、およそ150年の間、ケレス(セレス)は「太陽系最大の小惑星」とされていました。

ところが2000年代に入り、海王星以遠にクワオアー(直径約1250キロメートル)などケレス(セレス)を上回る大きさの太陽系外縁天体が複数発見されてきたことで、ケレス(セレス)は最大の小惑星ではなくなりました。

しかし、ケレス(セレス)は自分の重力によって縮まって丸い形をしており、その質量が自己重力によって球形を保つのに十分であるため、2006年8月のIAU総会で採択された太陽系の天体の定義により、「準惑星」として扱われることとなりました。

 

イトカワやリュウグウなどの小惑星を調べることが太陽系の成り立ちを解く鍵となる

小惑星は、太陽系ができた頃、半径1~10キロメートルくらいの無数の微惑星が衝突・合体してできたと考えられており、その形がジャガイモのようにいびつな形のものが多いのは、小惑星が衝突や合体によってできたことを示していると言います。

また、「小惑星帯」(アステロイドベルト)には、大きな天体が壊れてできた破片と思われるグループが数多く存在しますが、これは、「小惑星帯」(アステロイドベルト)が惑星の破壊によってできたことを示しているようです。

小惑星は、原始太陽系ができた時に惑星になれなかった微惑星と、大きく成長しかけた天体がほかの天体と衝突して壊れた破片が、先にできた木星の重力に影響されてここに分布しているとも考えられていますが、詳しいことはまだ分かっていないようです。

『「はやぶさ2」の目的はイトカワと同じ地球近傍小惑星「リュウグウ」への着陸とサンプルリターン』、こちらの記事の中でも書きましたが、小惑星を探査することによって、太陽系誕生の謎を解く鍵や、生命の起源に関する謎を解く鍵も見つかる可能性があるようです。

太陽系は約45億年前に誕生しましたが、微惑星が合体して惑星へと成長していく時、大きな熱や圧力が発生したことにより、これらに含まれる物質は変質してしまったと言います。

このため、現在の惑星や月には、太陽系の初期のままの物質は含まれていないので、アポロ計画で月から持ち帰った岩石では、太陽系の起源について深く知ることはできないのだそうです。

その一方で、イトカワやリュウグウなどのように、惑星へ成長しないまま残った小惑星は、太陽系の初期の物質が詰め込まれたタイムカプセルのようなものだと言います。

「はやぶさ」が採取した小惑星イトカワのサンプルを詳しく分析することで、約45億年前に封印された太陽系の謎を解く鍵が見つかる可能性もありますし、「はやぶさ2」が目指している小惑星リュウグウから、生命の起源を解明する何かの糸口が見つかる可能性もあると言います。

「はやぶさ2」が目指すリュウグウは、C型小惑星と呼ばれる炭素でできた小惑星であり、有機物が存在する可能性があるようです。

リュウグウは、地球近傍小惑星になりますので、地球の近くに存在する有機物を含む隕石が地球に落ちたとすれば、それを生命の起源と関連付けて考えることもできるということのようです。

「はやぶさ2」計画が見事に成功して、リュウグウからのサンプルリターンに成功するとともに、「はやぶさ」が持ち帰った小惑星イトカワのサンプルなどからも、太陽系誕生や生命の起源の謎を解く重要な鍵が見つかることを期待したいと思います。

 

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