[記事公開日]2016/03/23
[最終更新日]2016/04/05

「はやぶさ2」の目的はイトカワと同じ地球近傍小惑星「リュウグウ」への着陸とサンプルリターン

       「はやぶさ2」が目指す小惑星「リュウグウ」の軌道

「はやぶさ2」は小惑星イトカワからのサンプルリターンに成功した「はやぶさ」の後継機

「はやぶさ2」は、小惑星探査機「はやぶさ」の後継機として、JAXA(宇宙航空研究開発機構)で開発された小惑星探査機であり、地球近傍小惑星「リュウグウ」への着陸およびサンプルリターンが計画されています。

「はやぶさ2」は、2014年12月3日に種子島宇宙センター大型ロケット発射場からH-ΙΙAロケット26号機で打ち上げられました。

「はやぶさ2」の先輩である「はやぶさ」は、アポロ群にある地球近傍小惑星イトカワに到達し、その表面を詳しく観測してサンプル採集を試みた後、地球の大気圏に再突入しましたが、地球重力圏外にある天体の固体表面に着陸してのサンプルリターンに世界で初めて成功したことで知られています。

今回、「はやぶさ」の後継機「はやぶさ2」が目指すのは、イトカワと同じアポロ群にある「リュウグウ」という地球近傍小惑星になります。

先輩である「はやぶさ」が世界で初めて達成した、小惑星への着陸とサンプルリターンについて、少し振り返ってみたいと思います。

 

「はやぶさ」は小惑星イトカワへの着陸とサンプルリターンに世界で初めて成功

「はやぶさ」は、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が2003年5月に打ち上げた小惑星探査機であり、小惑星からサンプルを採取し、それを地球まで持ち帰る技術(サンプルリターン)の確立や、その後の活躍が期待されるイオンエンジンの性能実証を任務としていました。

2004年5月に地球を利用してスイングバイを行い、2005年9月に直径500メートルほどの小惑星イトカワに到着しました。

その後、「はやぶさ」は、約2ヶ月をかけて、イトカワのマッピングなどの基礎探査を終え、11月にサンプル採取のためのタッチダウンに成功しました。

ところが、その後発生したトラブルの影響で、地球への帰還を3年延期することになりましたが、2010年6月13日、60億キロメートルにおよぶ長旅を終えて、地球の大気圏に再突入しました。

サンプル容器が収められていたカプセルは、「はやぶさ」から切り離されて、パラシュートによって南オーストラリアのウーメラ砂漠に着陸し、翌14日に回収されました。

「はやぶさ」の本体は大気中で燃えて失われました。

カプセルは18日に日本に到着し、内容物の調査が進められ、11月16日にカプセル内から回収された岩石質微粒子の大半がイトカワのものと判断したと発表されました。

「はやぶさ」は、地球重力圏外にある天体の固体表面に着陸してのサンプルリターンに、世界で初めて成功し、日本が世界に誇る小惑星探査機として知られています。

 

「はやぶさ2」の目的は小惑星「リュウグウ」への着陸とサンプルリターン

「はやぶさ2」は、世界で初めて小惑星の物質を持ち帰るサンプルリターンに成功した「はやぶさ」の後継機になります。

初号機である「はやぶさ」が、小惑星往復に初めて挑んだ「実験機」だったのに対して、後継機である「はやぶさ2」は、有機物や水のある小惑星を探査して生命誕生の謎を解明するという科学的成果を上げるための初の「実用機」として開発されたものだと言います。

「はやぶさ2」の目的地である「リュウグウ」は、「はやぶさ」の目的地だったイトカワと同じ、アポロ群にある地球近傍小惑星になります。

「はやぶさ」がS型小惑星であるイトカワを探査したのに続いて、「はやぶさ2」ではC型小惑星であるアポロ群の 「リュウグウ」を探査対象としています。

「リュウグウ」は、現在軌道が判明している46万個の小惑星のうちスペクトル型が判明している3000個の物の中から、「はやぶさ」クラスの推進力で探査可能なスペクトルC型であり、タッチダウン運用が可能な自転6時間以上の対象としてほぼ唯一の候補に挙げられたと言います。

「はやぶさ2」計画は、新たな生命の起源の論説をもたらす可能性があると言いますが、そもそも、小惑星探査の意義とはどのようなものなのでしょうか?

 

小惑星探査の意義は、太陽系誕生や生命の起源の謎に迫ること

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小惑星を探査することによって、太陽系誕生の謎を解く鍵や、生命の起源に関する謎を解く鍵も見つかる可能性があるようです。

太陽系は約45億年前に誕生しましたが、微惑星が合体して惑星へと成長していく時、大きな熱や圧力が発生したことにより、これらに含まれる物質は変質してしまったと言います。

このため、現在の惑星や月には、太陽系の初期のままの物質は含まれていないので、アポロ計画で月から持ち帰った岩石では、太陽系の起源について深く知ることはできないのだそうです。

一方で、イトカワや「リュウグウ」などのように、惑星へ成長しないまま残った小惑星は、太陽系の初期の物質が詰め込まれたタイムカプセルのようなものだと言います。

「はやぶさ」が採取した小惑星イトカワのサンプルを詳しく分析することで、約45億年前に封印された太陽系の謎を解く鍵が見つかる可能性もあります。

さらには、今回の「はやぶさ2」計画により、生命の起源を解明する何かの糸口が見つかる可能性もあるようです。

NASA(アメリカ航空宇宙局)のディスカバリー計画で打ち上げられた宇宙探査機「スターダスト」が持ち帰った宇宙塵の試料により、彗星の尾からアミノ酸が確認されていますが、「はやぶさ2」が目指す「リュウグウ」は、C型小惑星と呼ばれる炭素でできた小惑星であり、有機物が存在する可能性があるようです。

「はやぶさ2」が目指す「リュウグウ」は、地球近傍小惑星になりますので、地球の近くに存在する有機物を含む隕石が地球に落ちたとすれば、それを生命の起源と関連付けて考えることもできるということのようです。

「はやぶさ2」計画が見事に成功して、「リュウグウ」への着陸とサンプルリターンに成功し、さらには、「はやぶさ2」が地球に持ち帰ったサンプルから、太陽系誕生や生命の起源の謎を解く重要な鍵が見つかることを期待したいと思います。

 

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