[記事公開日]2016/03/14
[最終更新日]2016/04/05

火星の生命を探る目的の「エクソマーズ」計画で欧州宇宙機関(ESA)とロシアが探査機発射

          「エクソマーズ・トレース・ガス・オービター(TGO)」

火星で生命の痕跡を探す目的で、欧州宇宙機関(ESA)とロシアが探査機を発射

欧州宇宙機関(ESA)とロシアは、火星で生命の痕跡を探るミッション「エクソマーズ計画」に乗り出すため、3月14日に、新型の探査機を打ち上げます。

今回打ち上げられる新型の火星探査機は、本体が小型車ほどの大きさであり、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から発射されます。

そして、順調に行けば、今年10月には火星に近づき、表面から約400キロメートルの軌道を回りながら、大気中に微量に含まれるメタンなどを調べると言います。

メタンは地球では生命活動によって大量に発生していますが、火星にも存在することが知られています。

2014年にNASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査ローバー「キュリオシティ」が、火星には大量のメタンが存在することを確認しています。

今回のミッションでは、地域的な分布や季節による濃度の変化などを詳しく分析することで、このメタンが生物起源か地質起源かを明らかにするようです。

「エクソマーズ計画」に参加している科学者の話によると、今回の新型探査機の打ち上げは、火星に生命が存在していたかどうかに特に重点を置いた初めてのミッションだとのことであり、火星の生命に関する「非常に有力な証拠」をもたらしてくれると期待されているようです。

 

火星探査プロジェクト「エクソマーズ」計画とは

「エクソマーズ計画」とは、欧州宇宙機関(ESA)とロシア連邦宇宙局が共同で進めている火星探査計画です。

宇宙生物学的な探査計画であり、火星における生命の痕跡を探査するのが目的のプロジェクトになります。

探査機は火星に近づいた後、小型着陸機を放出し、表面に着陸も試みますが、計画は2段階あり、2018年には火星探査車などの打ち上げも予定しています。

このプロジェクトでは複数の探査機械を2回に分けて打ち上げる予定であり、1回目が今回の2016年3月14日で、「エクソマーズ・トレース・ガス・オービター(TGO)」と、小型着陸機「スキアパレッリ」が打ち上げられます。

そして、2回目が2018年の予定であり、ロシアの着陸機と欧州宇宙機関(ESA)の「エクソマーズ・ローバー」が打ち上げ予定となっています。

打ち上げには2回ともプロトンMロケットが使われる予定であり、プロトンMロケットはこれまでにもサリュート6号、サリュート7号、ミール、国際宇宙ステーション(ISS)の基幹部などを打ち上げた実績のある大型ロケットだと言います。

「エクソマーズ計画」は当初、欧州宇宙機関(ESA)がアメリカのNASAと共同で進めていましたが、NASAが2013年に撤退したため、ロシアとの協力に切り替えた経緯があります。

 

「エクソマーズ・トレース・ガス・オービター(TGO)」と小型着陸機「スキアパレッリ」

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「エクソマーズ計画」の第1回目の打ち上げとなった今回は、「エクソマーズ・トレース・ガス・オービター(TGO)」と小型着陸機「スキアパレッリ」が打ち上げられます。(「スキアパレッリ」の名前は、19世紀に火星表面の観測を行ったイタリアの天文学者ジョヴァンニ・スキアパレッリにちなんだもの)

打ち上げられた「エクソマーズ・トレース・ガス・オービター(TGO)」は、7ヶ月かけて火星に到達し、そこで小型着陸機「スキアパレッリ」を放出します。

「エクソマーズ・トレース・ガス・オービター(TGO)」は小型着陸機「スキアパレッリ」を放出した後、1年以上かけて火星大気内のメタンのサンプルを収集し、生物を起源としないメタンに多く見られる放射性炭素(炭素14)同位体の量を測定します。

また、小型着陸機「スキアパレッリ」は、火星の気候と電場に関するデータを収集するものの、バッテリーの寿命から考えると、動き回る時間が2日間を超えることはなさそうだと言います。

バッテリーの大半は、探査機の温度を維持することだけに使われるとのことであり、「スキアパレッリ」は短命の探査機となるようです。

ただ、着陸機「スキアパレッリ」は、2018年に打ち上げが予定されている第2回目の「エクソマーズ計画」の予行練習プロジェクトになるとのことです。

2018年に予定されている第2回目の「エクソマーズ計画」では、生命の存在に関するさらなる発見につながることを期待して、探査機「エクソマーズ・ローバー」を送り込んで火星の地表に2メートルの穴を掘ることが計画されているそうです。

なお、「エクソマーズ・トレース・ガス・オービター(TGO)」は小型着陸機「スキアパレッリ」を放出した後、1年以上かけて火星大気内のメタンのサンプルを収集していくことになりますが、2018年に打ち上げが予定されている探査機「エクソマーズ・ローバー」などの到着後、ローバー等との中継通信を提供できる、より低い軌道に移動するのだと言います。

そして、「エクソマーズ・トレース・ガス・オービター(TGO)」はその後も、将来打ち上げられる計画機のための通信中継衛星として、2022年まで稼働を継続する予定だと言います。

火星における生命の痕跡を探る「エクソマーズ計画」で、火星に生命が存在した痕跡が発見されるのかどうか、非常に興味深いものがあります!

 

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