[記事公開日]2016/05/17

恐竜を絶滅させた小惑星の衝突跡クレーターをメキシコのユカタン半島海底で堀削調査

メキシコ湾にある「チクシュループ・クレーター」の重力分布データによる隕石跡。なお、白点はセノーテ(陥没穴に地下水が溜まった天然の井戸・泉)の分布を示す。

恐竜を絶滅させたとされる6550万年前の小惑星の衝突跡をメキシコ湾で堀削調査

恐竜などを絶滅させる引き金になったともされている、約6550万年前にメキシコ湾に衝突した小惑星の衝突跡を調べる掘削調査が行われています。

恐竜などを絶滅させる引き金になったともされている、約6550万年前にメキシコ湾に衝突した小惑星の衝突跡は、「チクシュループ・クレーター(またはチチュルブ・クレーター)」と呼ばれており、推定直径が約160~180キロメートルあり、既知の地球上のクレーター(隕石衝突跡)では3番目の規模とされています。

「チクシュループ・クレーター(またはチチュルブ・クレーター)」を海底で本格的に掘削調査するのは今回が初めてになります。

今回の掘削調査は、国際深海科学掘削計画(IODP)の一環で、ヨーロッパを中心にアメリカや日本、カナダ、中国などの研究者が参加して行われています。

既に先月4月から調査は開始されており、約2カ月間かけて海底下1500メートルまで掘り進み、当時の地層を直接採取して、小惑星衝突の大衝撃による環境の変化を解明する予定だとのことです。

5月12日現在で地下約830メートルに達しており、既に小惑星の衝突時にできた地層の標本が得られていると言います。

掘削施設はメキシコのユカタン半島の海上に設置されており、研究者ら二十数人が交代で滞在しながら、円柱状の地層の標本を切り出す作業を行っているようです。

今回、海底での本格的な掘削調査が始まった「チクシュループ・クレーター(またはチチュルブ・クレーター)」は、恐竜を絶滅させる引き金になったとも言われていますが、どのような衝突があったのでしょうか?

 

ユカタン半島にある直径約160kmの「チクシュループ・クレーター」

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「チクシュループ・クレーター(またはチチュルブ・クレーター)」は、約6550万年前に地球に衝突したとされる小惑星衝突跡であり、メキシコのユカタン半島にありますが、この時の巨大な衝突が引き金となって、恐竜が絶滅したとも一般的には言われています。

この時の巨大衝突が、恐竜を含む大型爬虫類はじめ多くの生物が絶滅した白亜紀末の大量絶滅(K-T境界)の、もっとも有力な原因と考えられているようです。

「チクシュループ・クレーター(またはチチュルブ・クレーター)」は海底にありますが、地磁気異常や重力異常、およびセノーテ(陥没穴に地下水が溜まった天然の井戸・泉)の分布などによって確認されています。

これらはいずれもきれいな円弧を描いており、この円の中心が衝突地点とされていますが、直径は約160~180キロメートルと推定されています。

「チクシュループ・クレーター(またはチチュルブ・クレーター)」は、既知の地球上のクレーターとしては、南アフリカ共和国の「フレデフォート・クレーター」、カナダの「サドベリー・クレーター」に次いで、世界で3番目に巨大なクレーターとされています。

これら3つの3大クレーターを総称して、3大隕石衝突、3大インパクトとも呼ばれます。

 

衝突した小惑星は直径約10kmで、広島型原爆の約10億倍の衝突エネルギー

今から約6550万年前に地球に衝突して、「チクシュループ・クレーター(またはチチュルブ・クレーター)」という巨大衝突跡を残した小惑星は、諸説あるものの、直径が約10~15kmの大きさだったと推定されています。

そして、衝突速度は秒速約20kmであり、衝突時のエネルギーは、なんと広島型原子爆弾の約10億倍にもなるそうです!

この巨大な衝突により、衝突地点付近ではマグニチュード11以上の巨大な大地震が発生し、高さ300メートルにも及ぶ大津波が生じたと推定されています。

そして、巻き上げられた大量の物質が太陽光を遮るなどした結果、生物の約6割が絶滅したとされており、恐竜もこの時に絶滅したと考えられているようです。

ちなみに、世界最大とされる南アフリカ共和国の「フレデフォート・ドーム」は、今から約20億2300万年前に、直径10~12kmの小惑星が速度約20km/sで衝突してできたと考えられていますが、その時の衝突エネルギーは広島型原子爆弾の約58億倍であり、その衝撃により、直径約190kmのクレーターができ、この時の衝突で地殻はえぐられ、地下25kmまで到達したと考えられています。

『宇宙からもしも大きな天体や隕石が落下して来て地球に衝突したらどうなるか』、こちらの記事の中でも書きましたが、もし、これから直径数kmもの巨大隕石が地球に衝突すると、直径100kmを超える巨大なクレーターが出来、飛び散った破片や大津波により、地球規模で壊滅状態になると言います。

舞い上がったチリが太陽の光をさえぎり、全地球的な寒冷化が長期間続くことになり、生命は絶滅の危機に瀕するようです。

今では全世界的に、地球に衝突する可能性のある天体を監視しているそうなので、もし万一、大きな天体や隕石などが地球に向けて落下して来る動きをいち早くキャッチして、被害を最小限に抑えられるような対策が望まれるところです。

今回、「チクシュループ・クレーター(またはチチュルブ・クレーター)」の海底での堀削調査を行っている研究チームのリーダーによると、地層のデータを分析すれば、衝突のエネルギーや巻き上げられた物質の量などを詳しく推計できるようになるだろうとのことです。

海底には「チクシュループ・クレーター(またはチチュルブ・クレーター)」の内側が環状に隆起した独特の地形が埋もれており、当時の状況を知る手がかりが得られると期待されているのです。

今回の「チクシュループ・クレーター(またはチチュルブ・クレーター)」の海底での堀削調査から有力なデータが得られるとともに、そのデータが、今後地球に衝突する可能性のある天体の監視と被害を最小限に抑えるための対策に活用されることを期待したいと思います。

 

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