[記事公開日]2016/04/12

水星は太陽との距離が近く熱いので人や生物が住めない惑星でクレーターだらけの世界

     NASAの水星探査機「マーキュリー」が撮影した水星

水星は月とよく似たクレーターだらけの世界

水星は、太陽に一番距離が近い惑星として知られています。

水星は、岩石質の「地球型惑星」に分類され、太陽系惑星の中で大きさ、質量ともに最小の惑星です。

水星が初めて探査されたのは、NASA(アメリカ航空宇宙局)の探査機「マリナー10号」が1974年に行った探査が最初になり、その翌年にかけて3回探査が行われましたが、最近行われた探査を含めても、その全体像はまだあまりよく分かっていないようです。

その時撮影された水星の映像は、半球分だけでしたが、水星の表面は、無数のクレーターに覆われた、荒涼とした世界であることが分かりました。

つまり、水星は月とよく似たクレーターだらけの世界だった訳ですが、これは、月と同じように、水星が形成されて間もない時期に地殻ができて、その後に激しい隕石の衝突があったことを示しているのだと言います。

『月は1ヶ月で作られたというスーパーコンピューターによるシュミレーションがある』、こちらの記事の中でも書きましたが、約45億年前に、出来たばかりの地球に火星サイズ(地球質量の1/10程度)の天体が斜めに衝突してから、わずか1ヶ月後に現在の月とほぼ同じ大きさの月ができたと考えられています。

これは、「ジャイアント・インパクト(巨大衝突)説」と呼ばれていますが、スーパーコンピューターが計算したシュミレーションによると、なんと、「巨大衝突」からわずか1ヶ月後に現在の月と同じ大きさの月が形成されたようです。

水星が月とよく似たクレーターだらけの世界である訳は、月と同じように、水星が形成されて間もない時期に地殻ができて、その後に激しい隕石の衝突があったからだと言います。

そして、水星の中心には巨大な核があることが知られていますが、誕生間もない水星に激しい隕石の衝突があったのだとする「巨大衝突説」はそのことを裏付けるものでもあるようです。

 

中心に巨大な核があるのは、誕生直後の水星に隕石の「巨大衝突」があったから

水星の半径は約2440キロで、月と火星の中間であり、木星の衛星ガニメデとほぼ同じ大きさですが、平均密度は地球に次いで2番目となります。

『太陽系の惑星は木星・土星・海王星・天王星・地球・金星・火星・水星の順に重い』、こちらの記事の中でも書きましたが、水星の平均密度は1立方メートルあたり5430キロもあり、地球に次いで2番目なのです。

ただし、地球は水星よりも重力が大きく、重力によって物質が圧縮される効果が大きいのに対して、重力が小さい水星は、圧縮される効果が少ないため、実質的には、平均密度は太陽系惑星の中で最大ということになるようですが、これは水星が高密度の物質でできているためだと考えられています。

水星の中心には巨大な核があり、半径の3分の2から4分の3にもなるような巨大な核が存在するようです。

核を構成する成分には、密度の高い金属物質(鉄・ニッケル合金)と、密度の低い岩石質のマントルや地殻がタマネギ状の層構造をなしていると考えられています。

惑星の材料となる物質は、隕石の組成に近いと考えるのが最も自然であり、水星が形成される過程で、隕石の主成分元素の中でも比重の大きい鉄が選択的に集まったと考えられています。

その理由としていくつかの説があるようですが、最も有力なのは、「巨大衝突説」だと言います。

つまり、地殻やマントルの岩石層と鉄の核に分離した原始水星ができた後で、他の原始惑星と「巨大衝突」して、表層にある密度の低い岩石層がはぎ取られたということになるようです。

水星に巨大な核が存在する理由として、「巨大衝突説」が有力ですが、一応3つの説が唱えられています。

 

水星に巨大な核が誕生するまでの3つのシナリオ

水星に巨大な核が誕生するまでのシナリオとして、「衝突分別説」、「蒸発説」、「巨大衝突説」の3つがありますが、「巨大衝突説」が最も有力と考えられています。

★ 衝突分別説

比較的小さい天体どうしが衝突する時、岩石質は砕け散りますが、金属質は相対的に合体しやすいため、徐々に金属の多い成分のかたまりができますが、それらが合体して成長した結果、密度の高い惑星になったとする説。

★ 蒸発説

まず原始太陽系星雲の中の水星領域に地球のような惑星ができますが、その後で太陽活動が激しくなる時期があります。

この時に水星領域が高温になり、表面の地殻やマントル上部が蒸発した結果、密度の高い惑星になったとする説。

★ 巨大衝突説

水星という惑星が形成される段階で、核を持つ進化した天体に「巨大衝突」して、表層部がはがされた。

そして、金属部分は合体し、外縁の岩石は吹き飛ばされたとする説であり、現在最も有力と考えられている説。

 

水星と木星の衛星ガニメデには地球と同様に固有磁場が存在する

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NASAの探査機「マリナー10号」が行った磁場観測で、水星表面には地球磁場の1%ほどの強度の固有磁場があることが分かりましたが、固有磁場の成因はまだ解明されていないと言います。

従来は、地球以外の太陽系天体では、固有磁場がない方が一般的だと考えられてきましたが、水星に固有磁場が存在することが分かった訳です。

その後、木星の衛星ガニメデにも固有磁場が発見されていますので、従来考えられていたよりも、固有磁場は容易に発生するかも知れないとも言います。

 

水星に氷が存在する可能性はあるが灼熱と極寒の惑星であり人や生物は生存できない

水星の北極と南極には、水の氷の層があるとも言われています。

しかし、そこは、一年中直射日光の指さない「永久影」なので、「永久影」の表面温度は、マイナス210度と計算されているそうです。

また、もしそこに氷があったとしても、一年中直射日光のささない日陰なので、撮影することはできず、直接確かめるまで分からないのだと言います。

もし仮に、水星の北極と南極に、水の氷の層があったとしても、そこは一年中直射日光の指さない「永久影」であり、表面温度がマイナス210度とも計算されるような、極寒の地なので、とても人や生物が存在できるような場所ではありません。

また、北極と南極以外の部分は、最高で400数十度にもなる灼熱地獄の世界です。

水星は太陽に最も近い惑星なので、赤道地方は太陽が強烈に照りつけることになり、最高温度は400数十度の高温にもなると言います。

しかし、北極や南極などの極地方では、太陽光の入射は地平線すれすれの角度になるため、クレーターのような窪地の底は、一年中直射日光のささない「永久影」になり、その表面温度は、マイナス210度とも計算されています。

北極と南極に、水の氷の層があったとしても、水星という惑星は、人や生物が生存できるような惑星ではないと言えそうです。

 

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