[記事公開日]2015/11/23
[最終更新日]2016/04/11

太陽は熱核融合で燃えており表面温度は6000℃でフレアが起きると熱と光を宇宙に大量放出

太陽は、どのようにして光と熱を生み出しているのか?

私たち人間を始め、動物も植物も、地球上の全生命は、地球を照らす太陽の恩恵によって生きています。

太陽がもたらしてくれる光と熱が無ければ、地球上の全生命は生存することは不可能です。

太陽から地球にもたらされるエネルギーの量は、1平方kmあたり約1.4キロワットになります。
これは、太陽から地球にもたらされるエネルギーを全て電気に変えて使用できると仮定した場合、なんと、地球全体で1年間に消費する全エネルギー量を、わずか1時間でまかなうことができるだけのエネルギー量になるそうです。

私たち人間を始め、地球上の生命が、いかに大量の光と熱を、太陽から受けているのかが、なんとなく推し量られる感じがして、太陽の恩恵のありがたさを感じることができます。

地球上の全生命にとって必要不可欠な、太陽の光と熱は、どのようにして生み出され、太陽はいったいどうやって燃え続けていることができるのでしょうか?

 

太陽がエネルギーを生み出す仕組みとは

太陽の表面温度は約6000℃で、中心部分では約1500万℃の高温になるということであり、太陽はエネルギーの塊のような存在だと言えるかも知れません。

そして、エネルギーの塊のような太陽から熱と光が大量に宇宙空間に放出され続けており、太陽系の中の惑星の一つである地球上に住んでいる私たちも、太陽の光と熱の恩恵によって生存することができるということになります。

膨大な熱と光を放出する太陽のことを、私たちはよく「燃える太陽」とか、「太陽が燃えている」というように表現することがあります。

確かに、ある意味においては、「太陽は燃えている」と言ってもよいようですが、ただ、この場合の太陽に使われる「燃える」という表現は、一般的に使われる意味での「燃える」とは違うようです。

一般的な意味で「燃える」という言葉が使われる時は、「燃焼」を意味しますが、太陽は「燃焼」によって燃えている訳ではないようです。

太陽は、燃焼しているのではなく、質量をエネルギーに変えているのだと言います。

 

太陽は、質量をエネルギーに変えることによって”燃えている”

私たちが一般的に使う「燃える」という表現は、「燃焼」を意味します。
紙や木が燃えるとか、石油や石炭が燃えるというように、「燃焼」を意味しています。

確かに、「燃焼」によっても熱と光は生まれるのですが、せいぜい数百℃にしかならないそうです。

例えば、紙が燃えるのは、紙を作る炭化水素の分子が空気中の酸素分子とくっつくことで、紙が二酸化炭素や炭素に変化してしまうように、化学反応を起こして、ある物質が別の物質になります。

これは、分子を作っている原子のくっつき方が変化することによって起きる現象ですが、原子のくっつき方が変わっても、分子の元となる原子そのものは変化しません。

このような、「燃焼」という化学反応によって発生する熱と光は、せいぜい数百℃程度でしかなく、太陽が「燃える」仕組みは、「燃焼」とは根本的に仕組みが異なっているようです。

太陽は表面温度でも約6000℃あり、中心部分では約1500万℃にもなる訳ですから、せいぜい数百℃にしかならない「燃焼」とは、根本的に仕組みが違うということになります。

太陽の内部で「燃焼」が起きている訳ではなく、太陽の内部で起きる「熱核融合反応」によって、エネルギーが生み出されているようです。

 

太陽内部の「熱核融合反応」によってエネルギーが生み出される

太陽は、水素とヘリウムを主成分とする巨大なガスの塊なので、水素は大量にあるのですが、宇宙空間には「燃焼」に必要な酸素がないので、太陽は水素ガスが「燃焼」して光と熱を生み出している訳ではないということになります。

また、もし仮に水素ガスを「燃焼」したとしても、あれだけ大量の光と熱を作りだすことは不可能だと言います。

太陽は、「燃焼」という化学反応によって「燃えている」のではなく、「熱核融合反応」によって「燃えている」のだそうです。

太陽の主成分である水素とヘリウムはとても軽い気体ですが、大量に集まると中心部に向かって大きな重力が生まれます。

そして、この大きな重力によって主成分の水素とヘリウムがギューッと押し縮められることで、中心部分の圧力や温度が高くなり、「熱核融合反応」を起こすと言います。

中心部の太陽核では、水素原子4つが集まり、1つのヘリウム原子核に変化するようです。
この時、陽子はニュートリノと陽電子(電子の反物質で電荷がプラス)を出して中性子に変わるそうです。

ところが、ヘリウム原子の質量と陽子4つ分の質量は同じではなく、くっついた後の方が0.7%ほど軽くなっており、この失われた0.7%ほどの質量がエネルギーに変換されて、太陽のエネルギーを生み出しているということのようです。

一般的な「燃焼」の場合は、分子を作っている原子のくっつき方が化学反応を起こして変化する訳ですが、分子の元となる原子そのものは変化しませんでした。

しかし、「熱核融合反応」の場合は、違います。
物質を構成する原子そのものが変化して、根本から違う物質になってしまうのです。

「熱核融合反応」が起きると、大量のエネルギーが作られて熱と光を発しますが、同時に太陽は質量を失ってしまうということになります。

太陽は1秒間に約40億kgもの質量を失いながら「熱核融合反応」を起こして、絶えずエネルギーを生み出し、大量の熱と光を宇宙空間に放出し続けています。

ある意味においては、太陽は自分自身の身を削ってエネルギーを生み出し続けているということにもなりそうです。

私たちの地球を照らす太陽は、自分自身の身を削ってエネルギーを生み出し、大量の光と熱を放って、私たち地球の生命を生かし続けてくれているとも言えそうです。

中心部分の太陽核で「熱核融合反応」を起こしてエネルギーを生み出してくれている、私たちを照らす太陽の構造について触れてみたいと思います。

 

太陽の内部と外部の構造

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太陽の内部と外部の構造は、次のようになっているようです。

★中心核(太陽核)

太陽の中心部分は、中心核(太陽核)であり、ここで「熱核融合反応」が起きて、エネルギーが発生しています。

中心核(太陽核)では、水素とヘリウムが押し縮められていて、約1500万℃の超高温になっており、約2500億気圧という超高圧状態になり、水素原子が「熱核融合反応」を起こしているのだと言います。

★放射層

中心核(太陽核)の外側は、「放射層」と「対流層」という二つの層からなっています。

太陽半径の0.2倍から0.7倍まで、中心核を厚さ40万kmで覆う「放射層」では、放射による熱輸送を妨げる程には物質の不透明度が大きくありません。

したがって、「放射層」では対流は起こらず、放射による熱輸送によって中心核で生じたエネルギーが外側へ運ばれているようです。
「放射層」をエネルギーが通過するには長い時間がかかり、近年の研究では約17万年が必要とも言われているようですので、驚きです!

★対流層

0.7太陽半径から1太陽半径まで、厚さにして20万kmの「対流層」では、ベナール対流現象でエネルギーが外層へ伝わるようです。

この「対流層」では微量イオンが原因となって不透明度が増し、放射によるエネルギー輸送よりも効率が高い対流による熱伝導が行われているようです。

「放射層」と「対流層」の二つの層によって、中心部分で生み出された膨大なエネルギーを太陽の表面まで運ぶ役目を担っています。

★光球

「対流層」の外側に薄く広がっているのが「光球」であり、肉眼で見える太陽の表面になります。

私たちが普段見ている太陽は、この「光球」と呼ばれる層になり、太陽の直径(大きさ)は、この「光球」部分を測定しているそうです。

太陽の表面温度、即ち、「光球」の温度は、約6000℃になります。

★彩層

太陽の内部は、中心核(太陽核)から「放射層」「対流層」「光球」までになりますが、「光球」の外側にも太陽活動に深く関係している層があります。

それが、「彩層」と呼ばれる、希薄なガスの層になります。
「彩層」は、地球における大気にあたる部分であり、約2000km程の厚さがあります。

★コロナ

「彩層」の外側にある電気を持ったガスの層になります。

「彩層」のガスの一部がコロナにまで吹き上げて赤い炎のように見える大爆発は「プロミネンス」と呼ばれ、太陽の表面で起きるダイナミックな活動の一つです。

また、中心核(太陽核)から「光球」に向かっ膨大なエネルギーが常に運ばれており、そのエネルギーによっていくつもの爆発現象が起きますが、その代表例が「太陽フレア」と呼ばれるものになります。

 

太陽フレア(太陽面爆発)とは太陽で発生している爆発現象のこと

「太陽フレア」は、太陽で発生している爆発現象のことであり、太陽面爆発とも呼ばれています。

「太陽フレア」(太陽面爆発)は、太陽系で最大の爆発現象であり、しばしば観測されているようです。

「フレア」とは火炎(燃え上がり)のことであり、天文学領域では恒星に発生する巨大な爆発現象を指しており、現在では太陽以外の様々な天体でも観測されているそうです。

特に大きな「太陽フレア」は白色光でも観測されることがあり、白色光フレアと呼ぶようです。
太陽の活動が活発なときに太陽黒点の付近で発生することが多く、こうした領域は太陽活動領域と呼ばれます。

「太陽フレア」の初めての観測は、1859年にイギリスの天文学者、リチャード・キャリントンによって行われたそうです(1859年の太陽嵐)。

「太陽フレア」は、太陽の内部の磁場による影響で、突発的に起こり、X線やガンマ線などを放出する為、大規模な「太陽フレア」が起きると地球にも影響を及ぼします。

特に影響を受けるのが、地球の周りを飛んでいる人工衛星であり、「太陽フレア」によって発生した強力なX線やガンマ線などによって故障してしまうケースもあるようです。

NASA(アメリカ航空宇宙局)によると、2012年7月には巨大な「太陽フレア」が地球をかすめたとのことです 。
そして、次の10年間に同程度の「太陽フレア」が実際に地球を襲う確率は12%であると推定しているようです。

次に、太陽について、まだ解明できていない部分もあるので、太陽の謎についても、触れておきたいと思います。

 

太陽の謎とは

太陽の光と熱が、中心核(太陽核)で起きる「熱核融合反応」によるエネルギーから来ていることなど、太陽については分かってきている部分もあるものの、まだまだ不明な謎の部分もあるようですので、簡単に触れてみたいと思います。

太陽の謎とは、主に次のようなものがあるようです。

★三態においての分類

これは太陽だけでなく他の恒星にも言えることなのですが、太陽には、固体からなる地球型惑星や衛星、液体が大半を占める木星型惑星や天王星型惑星などと異なり、はっきりした表面が存在しません。

かつては、太陽は気体で構成されているという説が有力だったようですが、内部の重力の影響で、表面は気体だが内部は液体ならびに固体で構成されている、という説もあります。
中心核(太陽核)ではかなりの高温高圧になっている為、密度も非常に高くなっているようです。

また、最近、21世紀に入ると、太陽の内部はプラズマや超臨界流体といった、固体でも液体でも気体でもない第四の状態となっている、とする説が最も有力となっているようであり、中でもプラズマ説が最有力のようです。

太陽の内部構造が三態のいずれかに該当するかについては結論は出ておらず、いまだに分かっていない、太陽の謎の一つであるようです。

★コロナ加熱問題

太陽の表面温度は約6000℃であるのに対し、太陽を取り囲むコロナは約200万℃という超高温であることが分かっていますが、それをもたらす要因は太陽最大の謎とされたそうです。

1960年代までは太陽の対流運動で生じた音波が衝撃波へ成長し、これが熱エネルギーへ変換されてコロナを加熱するという「音波加熱説」が主流の考えでしたが、1970年代以降は、太陽磁場の影響による加熱説が提唱された他、磁場に伴うアルベーン波説や、「太陽フレア」による加熱説などもあり、結論には至っていないようです。

★太陽に「環」は存在するか

1966年の日食の際、アメリカの科学者が赤外線観測によって、太陽から約300万km離れた地点で数um程度の微細な塵がリング状に広がっていることを発見したそうです。

しかし、1993年にインドネシアにおいて観測された日食の際に京都大学の研究チームが「環」を確認して以来、「環」は見えなくなっており、今後の研究が待たれているとのことです。

太陽の光と熱が、中心核(太陽核)で起きる「熱核融合反応」によるエネルギーから来ていることなど、太陽については分かってきている部分もあるものの、まだまだ不明な謎の部分もあるようです。

 

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