[記事公開日]2016/03/12
[最終更新日]2016/04/05

太陽活動と長期気温変動にはミランコビッチ・サイクルなど様々な外部・内部要因がある

地球の自転軸の傾きの変化
現在の値は23.4度ですが、22.1度から24.5度の間を変化し、周期は4万1千年。

「全球凍結(スノーボール・アース)」と呼ばれる地球全体の完全な凍結が起こった

私たちの地球は、太陽系の惑星であり、太陽の活動によって長期的に見た場合、気温の大きな変動があります。

現在の地球は、両極に常時氷床がある「部分凍結状態」となっていますが、25億年前から5億年前までの古生代には、地球は何回かの大規模な氷河期を迎えたとされています。

「全球凍結(スノーボール・アース)」と呼ばれる地球全体の完全な凍結が起こったと考えられており、その証拠も見つかっていると言います。

「全球凍結(スノーボール・アース)」とは、地球全体が赤道付近も含め完全に氷床や海氷に覆われた状態であり、スノーボールアース現象とも呼ばれます。

「全球凍結(スノーボール・アース)」当時の地球を宇宙から見ることができれば、文字通り雪のボールのように見えたと考えられています。

一度「全球凍結(スノーボール・アース)」が起こると、アルベド(反射率)が増加し、太陽からのエネルギーの吸収は困難となり、凍結解除は不可能と考えられていましたが、火山活動による温室ガス効果の噴出により「全球凍結(スノーボール・アース)」を抜け出したと考えられているようです。

新生代第4紀においても、今から数十万年前には何度かの氷河期を迎えたとされており、この気温の変化は海底の堆積物や氷床コアでの酸素同位体の比率から確認されていると言います。

現在の地球は「間氷期」となりますが、このような長周期のサイクルは、どのように定まっているのでしょうか?

セルビアの数学者ミランコビッチは、氷河期は太陽の周りを回る地球の軌道の変化により起こるという説を唱えましたが、これはミランコビッチ・サイクルと呼ばれています。

 

ミランコビッチ・サイクルとは

1941年にセルビアの数学者ミランコビッチは、氷河期は太陽の周りを回る地球の軌道の変化(自転軸の歳差運動、自転軸の傾きの変動、公転軌道の離心率(扁平率)の変動)により起こるという説を唱えました。

これは、ミランコビッチ・サイクルと呼ばれており、3つの要素から成り立っています。

☆ミランコビッチ・サイクルにおける3つの要素

★歳差運動の変化

地球の自転軸の向きは、公転しながら周期的に変化しており、これを歳差と呼びますが、地球の自転軸の歳差運動はコマの首振り運動と同じであり、周期は1万9千年、2万2千年、2万4千年と3つあります。

★地球の自転軸の傾き

現在、地球の地軸の傾きは23.4度ですが、この値も常に一定ではありません。

地球の自転軸の傾きは約22.1度から24.5度の間を定期的に変化しており、その周期は4万1千年になります。

地球の自転軸の傾きは季節差に影響を与え(自転軸の傾きが大きいと季節差が小さい)、結果として地球の気候にも影響を与えることになります。

★公転軌道の離心率(扁平率)の変化

地球は太陽を焦点の一つとする楕円軌道上を公転していますが(ケプラーの第一法則)、その楕円の形状は常に一定ではなく、約9万5千年をかけて横に伸びた楕円が円に近い楕円となり、そしてまた横に伸びた楕円となっています。

楕円が最も伸びた形になる時と楕円が最も円に近い形になる時とでは太陽と地球との距離は最大で1827万kmも変わると言いますが、この差が太陽からの光量に影響を与え、結果として地球の気候にも影響を与えることになります。

また、公転軌道の離心率(扁平率)の変化は、約9万5千年の周期の他にも、12万5千年、40万年の周期もあるようです。

ミランコビッチ・サイクルにおけるこれら3要素が地球の気候に影響を与えるということなのですが、実際には他にも様々な要因が関わるため、単純に計算出来るものでもないと言います。

また、一般的に公転軌道の離心率(扁平率)の変化が地球の気候に影響を与えやすいとされていますが、地球史全体で見れば例外もあるようです。

実際、過去70万年の気候変動では約9万5千年周期の離心率(扁平率)の変化ではなく、4万年周期の自転軸の傾きの変化が重要な役割を果たしていると言います。

 

太陽定数そのものの変化や銀河宇宙線の変動など、様々な外部要因・内部要因がある

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太陽活動と長期気温変動に関しては、ミランコビッチ・サイクルの他に、太陽定数そのものの変化、太陽活動による銀河宇宙線の変動、オゾン層や電離層の生成に強い影響を与える太陽紫外線・高エネルギー粒子・太陽風の効果も重要だとされています。

そして、地球環境の変動を予測するには、これらの外部要因の他に、特に短期変動については内部要因(火山活動、人為的温室効果ガス排出)を含めた検討が必要になると言います。

 

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