[記事公開日]2016/01/18
[最終更新日]2016/04/09

太陽系の果てにある「オールトの雲」は長周期彗星の起源

左上の図が木星までの軌道。右上の図が冥王星までの軌道。右下の図の赤い線が小惑星であるセドナの軌道。左下の図が「オールトの雲」

太陽系の果てにある「オールトの雲」とは

太陽系において、短周期の彗星の起源とされているのが、エッジワース・カイパーベルトになります。

エッジワース・カイパーベルトでは、現在、約1000個以上の天体が見つかっており、小さいものも含めると、数十億個の同様な天体があると考えられているようです。

そして、長周期の彗星の起源と考えられているのが、太陽系の果てにある「オールトの雲」になります。

「オールトの雲」は、エッジワース・カイパーベルトの外側、太陽から1万~10万天文単位あたりの場所になります。

1950年に、オランダの天文学者ヤン・オールトによって、太陽から1万~10万天文単位あたりの場所に、長周期の彗星の起源となる場所があるという仮説がたてられましたが、研究者の名前をとって「オールトの雲」と呼ばれています。

彗星のうち短周期の彗星は黄道面に拘束されていて軌道の傾斜角は大きくありませんが、長周期彗星では大きな傾斜角を持っており、これは、短周期彗星と長周期彗星とで生まれる場所が異なることに関連しているようです。

そして、周期の長い彗星が誕生する場所を提唱したのが、オランダの天文学者ヤン・オールトであり、彼の名前にちなんで「オールトの雲」という名前が付けられました。

短周期の彗星の起源とされるエッジワース・カイパーベルトでは、既に約1000個以上の天体が発見されていますが、長周期の彗星の起源とされる「オールトの雲」は、まだその存在が確認されていないので、今のところは、仮説の域を出ていないようですが、数兆もの天体が存在していると推定されているようです。

 

「オールトの雲」はまだ観測されていないが数兆もの天体があると推定されている

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太陽の近くを訪れる長周期の彗星の軌道が一定でなく、あらゆる方向からやって来るため、「オールトの雲」は太陽系をすっぽりと球状に取り巻くように存在していると考えられています。

「オールトの雲」は、概ね太陽から1万天文単位もしくは太陽の重力が他の恒星や銀河系の重力と同程度になる10万天文単位の間に球状に広がっているとされています。

そして、そこに彗星の元となる、氷と岩からできた天体が5~6兆個も存在していると予想されているようです。

「オールトの雲」の存在は、彗星の軌道長半径と軌道傾斜角の分布の統計に基づく状況証拠のみであり、想定される領域に天体が直接観測された訳ではないので、今のところは仮説の域を出ないといいます。

「オールトの雲」は、距離が遠いために、まだ実際には観測されていませんので、仮説の域を出てはいないのですが、しかし仮説を否定する証拠も現在のところ特に無いようです。

また、「オールトの雲」がどのようにしてできたのかも、正確なところは、まだはっきりとは分かっていないようです。

 

「オールトの雲」は将来的には太陽系外縁天体の延長とみなされる可能性

「オールトの雲」がどのようにしてできたのかは、今のところ、はっきりとしたことはまだ分かっていないようです。

ただ、太陽系が誕生した頃木星付近にあった氷や微惑星が、巨大な木星の重力によって外側に吹き飛ばされたものだともいわれています。

「オールトの雲」の起源は、太陽系の形成と進化の過程で、現在の木星軌道付近から海王星軌道付近までに存在していた小天体が、巨大惑星の重力や相互衝突により軌道要素が変わり、近日点距離が海王星軌道の半径よりも大きな長楕円軌道に移ったとする説が有力となっているようです。

この説によると、もともと海王星軌道の外側にあった天体は、エッジワース・カイパーベルト天体として今も残っているということになるといいます。

エッジワース・カイパーベルトを故郷とする短周期彗星に対して、「オールトの雲」を故郷とする長周期彗星は200年以上の周期を持ち、1997年に訪れたヘール・ボッブ彗星が次回訪れるのは約3000年後になるそうです。

また、なかにはそれ以上の、何百万年もかけて太陽の周りを回っているものもあると考えられているようです。

日本学術会議による2007年4月9日の対外報告(第一報告)では、「オールトの雲」はまだその存在が確認されていないため、現在のところ明確に太陽系外縁天体に含まれるものではないが、将来的には太陽系外縁天体の延長と見なされるようになるだろうとされているとのことです。

 

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