[記事公開日]2016/02/11
[最終更新日]2016/04/09

太陽系以外の系外惑星を見つける観測方法は「ドップラー法」や「トランジット法」など

「ドップラー法」参考図。
惑星 (のような小さな天体) が主星(のような大きな天体) の動きにどのように影響を与えるかを示したアニメーション。赤い十時で示される重心は、二つの天体の軌道で共通となる。

太陽系以外の系外惑星をどうやって見つけるのか?

現在、太陽系以外の系外惑星を見つけるプラネットハンティングが盛んに行われており、地球に似た惑星の発見を目指した観測が盛んに行われています。

太陽ではない恒星を公転する惑星は系外惑星と呼ばれていますが、惑星は自ら輝くことがないため、望遠鏡で直接捉えることは困難です。

では、どうやって系外惑星を観測しているのでしょうか?

系外惑星を観測する方法としては、「位置天文学法」「ドップラー法」「トランジット法」「マイクロレンズ法」「パルサー・タイミング法」などがありますが、代表的な観測方法としてあげられるのは、「ドップラー法」や「トランジット法」だと言います。

 

「ドップラー法」とは

系外惑星を見つける代表的な観測方法の一つが「ドップラー法」になります。

「ドップラー法」は、「視線速度法」とも呼ばれ、惑星によって恒星が視線方向にふらついた時に起こる「ドップラー効果」によるスペクトル変化を調べることで系外惑星を探す方法であり、基本的には分光連星を発見する手法と同じものだと言います。

「ペガスス座51番星b」 をはじめ、多くの惑星がこの方法によって発見されており、2009年の時点で、もっとも多くの系外惑星の検出に使用された観測方法になります。

★「ドップラー効果」

「ドップラー効果」または「ドップラーシフト」とは、波(音波や電磁波など)の発生源(音源・光源など)と観測者との相対的な速度の存在によって、波の周波数が異なって観測される現象を言います。

発生源が近付く場合には、波の振動が詰められて周波数が高くなり、逆に遠ざかる場合は振動が伸ばされて低くなります。

例えば、救急車などが通り過ぎる際、近付くときにはサイレンの音が高く聞こえ、遠ざかる時には低く聞こえるのは、「ドップラー効果」によるものになります。

恒星の中には、恒星の光の色(スペクトル)が赤みを帯びたり、青みを帯びたりすることを繰り返しているものがありますが、このような色の変化は、恒星がまるで公転するかのように運動している時に起こるといいます。

恒星が地球から遠ざかるように動く時には、恒星の光の波長が伸びて赤みがかった色になり、地球に近づくように動く時には、恒星の光の波長が縮んで青みがかった色になるようです。

この現象を「光のドップラー効果」と言いますが、色の変化は、恒星が速く動いている場合ほど大きくなります。

では、その恒星はなぜ動いているのかと言えば、それは、望遠鏡では見えない天体が、重力で恒星を動かしているからだということになります。

そして、その見えない天体こそが惑星だということになり、恒星の質量と運動(速度と周期)が分かれば、その惑星の質量と運動も分かると言います。

「ドップラー法」とは、恒星の”動き”を探す観測方法であり、光源が遠ざかると波長は長くなり、逆に光源が近づくと波長は短くなる「光のドップラー効果」を利用します。

惑星が存在する恒星は、わずかに近づいたり遠ざかったりしているため、その恒星からの光は周期的に波長が長くなったり短くなったりするのですが、逆にそれをとらえることによって惑星の存在を検出することが出来るということになります。

「ドップラー法」の精度は年々向上しており、より質量の小さな惑星を見つけることが出来るようになってきていると言います。

そして、「ドップラー法」と共に、系外惑星を見つけるための観測方法として代表的なものが「トランジット法」になります。

 

「トランジット法」とは

「トランジット法」は、「ドップラー法」と共に、系外惑星を見つけるための観測方法として代表的なものになります。

「ドップラー法」は恒星の”動き”を探す観測方法であるのに対して、「トランジット法」は、惑星が恒星の前を通過(トランジット)する現象(食)を観測する方法になります。

「トランジット法」は、「食検出法」とも呼ばれ、惑星が恒星の前を横切る時の明るさの変化によって惑星を探す方法であり、星食や食変光星の観測と同じ原理だと言います。

太陽以外の恒星は、地球からは点にしか見えませんので、点光源として見えます。

そのため、恒星で起きた食を地球から観測すると、惑星の形は見えず、恒星の光が弱くなったように見えます。

これを減光と言いますが、減光が大きい時は、恒星を覆い隠す惑星の影の面積が大きく、減光が小さい時には、惑星の影が小さいと判断出来ます。

この減光率が分かれば、地球から見て、恒星がどれくらい惑星に覆われたかの割合が分かると言いますが、さらに恒星の大きさが分かれば、「惑星の直径」を求めることも出来るようです。

地球から見て惑星が恒星面を通過する割合はあまり大きくないため、実在する惑星に対しこの「トランジット法」によって発見できる惑星の割合は小さいものの、比較的安価な機材でも観測可能であり、アマチュアにも手が届くという利点があるようです。

このため、「トランジット法」を使ったプラネットハンティングの愛好者も、アマチュアの中に広がっていると言います。

また、「ドップラー法」など、他の手段で発見された系外惑星を「トランジット法」で確認するということも行われているようです。

 

「ドップラー法」などで発見された系外惑星を「トランジット法」でも確認

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「ドップラー法」など、他の手段で発見された系外惑星を「トランジット法」で確認するということも行われているようです。

「ドップラー法」は、恒星の”動き”を探す方法であり、恒星のふらつきを捉える方法になりますが、惑星の公転面と視線方向のなす角度が分からないため、質量は考えうる最小の値しか求めることが出来ないと言います。

しかし恒星面通過が観測された惑星は視線方向とのなす角が分かるため、惑星の質量を厳密に求めることが出来るようです。

また、異なる手段で惑星を検出することにより、その惑星の存在がより確かなことになるという意味においても、「ドップラー法」など、他の手段で発見された系外惑星を「トランジット法」で確認するということは、意義深いとされています。

「トランジット法」は、惑星が恒星面を通過する際に恒星の光の一部が惑星の大気を通過するため、惑星大気の成分を探る方法としても期待されているそうです。

実際この方法により「オシリス(HD209458 b)」 という惑星の大気に酸素と炭素が存在していることが確認されました。

また、人工衛星を使った「トランジット法」による観測も行われています。

 

欧州宇宙機関の「COROT」やNASAの「ケプラー」などの人工衛星でも「トランジット観測」

人工衛星による「トランジット観測」も行われています。

2006年12月27日、欧州宇宙機関は太陽系外惑星探査衛星「COROT]を打ち上げましたが、「トランジット法」を用いた地球の数倍までの地球型惑星の発見が目的だとされています。

また、NASA(アメリカ航空宇宙局)も同様の衛星である「ケプラー」を2009年3月6日に打ち上げましたが、「ケプラー」には10万個の恒星を観測できる能力があったようです。

NASA(アメリカ航空宇宙局)が打ち上げた「ケプラー宇宙望遠鏡」によって、既に1000個を超える「トランジット惑星」が発見されています。

「ケプラー」は2013年に運用終了しましたが、2014年には一時休止から復帰し、「K2計画」として黄道面の「トランジット惑星」の探査を行っています。

また、2017年には、NASAがトランジット系外惑星探査衛星「TESS」を打ち上げる予定になっています。

「TESS」は、NASAの「エクスプローラー計画」で計画されている宇宙望遠鏡であり、「トランジット法」を用いて太陽系外惑星を探査するために設計されています。

「トランジット法」では既に1000個以上の「トランジット惑星」が発見されていますが、なぜさらに新しい「トランジット惑星」を探す必要があるのでしょうか?

 

太陽系に近い恒星を公転する「トランジット惑星」がまだあまり発見されていない

「トランジット法」では既に1000個以上の「トランジット惑星」が発見されていますが、なぜさらに新しい「トランジット惑星」を探す必要があるのかと言うと、これまでの「トランジットサーベイ」が、太陽系から比較的離れた恒星(典型的に100光年以遠)のまわりの惑星を探していたため、太陽系に近い恒星を公転する「トランジット惑星」がまだあまり発見されていないためなのです。

今後は太陽系に近いところにたくさん存在している約4000k以下の低温度星(太陽はおよそ5778k)のまわりで「トランジット惑星」探しが行われて行くことになります。

そのように太陽系に近いところにある主星のまわりの「トランジット惑星」は、将来高精度な惑星の性質調査を行う絶好のターゲットになると言います。

特に2017年にNASAが打ち上げる予定のトランジットサーベイ衛星「TESS」では、太陽系の近くにある低温度星のまわりで生命居住可能領域にある惑星を発見できると期待されているそうです!

そのような系外惑星の詳細なフォローアップ観測は、これからの宇宙天文学のとても面白い研究テーマとなる筈です。

『太陽系外の惑星を観測して探すプラネットハンティングは宇宙天文学の重要な研究領域』、こちらの記事の中でも書きましたが、プラネットハンティング(系外惑星探査)は、宇宙天文学における重要な研究領域となっているようです。

 

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