[記事公開日]2016/05/12

太陽系外に生命や水が存在する可能性がある地球型の9惑星をケプラー宇宙望遠鏡が発見

    ケプラー宇宙望遠鏡のイラスト

太陽系外に生命が存在する可能性がある9つの地球型惑星を新発見

太陽系の外に、水や生命が存在する可能性がある9つの系外惑星が新たに発見されました。

これは、NASA(アメリカ航空宇宙局)が5月10日に発表したものであり、太陽系の外側に新たに1284個の惑星を確認し、このうち9個の惑星では地球と同じように生命や水が存在する可能性があることが明らかになったようです。

NASAは、地球に似た惑星を探すケプラー宇宙望遠鏡を打ち上げて観測を行いましたが、その観測結果を分析して明らかになったとのことです。

今回の研究成果をまとめた論文は、天文学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル(Astrophysical Journal)」に掲載されました。

NASAによると、今回新たに発見された1284個の惑星のうちの550個近くが、その大きさから判断して、地球に似た岩石惑星である可能性があると言います。

そしてさらには、それらのうちの9個の惑星は、軌道が主星のハビタブル・ゾーン(生命居住可能領域)内にあり、生命を育んでいる可能性があるようです。

『太陽系のハビタブルゾーンの定義では金星や火星は計算上は厳しい条件で月には水がない』、こちらの記事の中でも書きましたが、ハビタブルゾーンとは、宇宙の中で生命が誕生するのに適した環境と考えられている天文学上の領域を指す言葉であり、日本語では「生命居住可能領域」と呼ばれます。

今回、NASAがケプラー宇宙望遠鏡で発見した9つの系外惑星は、主星を公転する惑星と主星との距離が、惑星上で水が液体として存在できる程度の惑星表面温度を保てる範囲にあるようであり、ハビタブル・ゾーン(生命居住可能領域)内にあると判断したようです。

今回、新たに9つの系外惑星が発見されたことで、ハビタブル・ゾーン(生命居住可能領域)内にあるとされる系外惑星の数は、一挙に21個に増えることになりました。

 

ケプラー宇宙望遠鏡は「トランジット法」によりハビタブル・ゾーンにある系外惑星を探査

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2009年に打ち上げられたNASAの無人宇宙探査機であるケプラー望遠鏡は、恒星の周回軌道を回る天体が存在する兆候を探して、これまでに15万個に及ぶ恒星を走査観測しています。

そして、ケプラー宇宙望遠鏡の主目的は、ハビタブル・ゾーン(生命居住可能領域)内にあるとされる系外惑星を探査することであり、恒星面通過(トランジット)として知られる、惑星が恒星の前を横切る際の「星の減光」を観測して惑星を検出しますが、その方法は「トランジット法」と呼ばれています。

『太陽系以外の系外惑星を見つける観測方法は「ドップラー法」や「トランジット法」など』、こちらの記事の中でも書きましたが、「トランジット法」は、「食検出法」とも呼ばれ、惑星が恒星の前を横切る時の明るさの変化によって惑星を探す方法であり、星食や食変光星の観測と同じ原理だと言います。

NASAによると、現在までに見つかっている、全部で5000個近くに及ぶ惑星候補のうち、これまでに3200個以上について検証が完了しており、そのうちの2325個がケプラー宇宙望遠鏡で発見されたものだとのことです。

これまで太陽系の外側には、1900個余りの惑星が確認されていましたが、今回、ケプラー宇宙望遠鏡が新たに1284個の太陽系外惑星を発見したことにより、3200個余りに増えたということになります。

そして、今回新たに発見された1284個の太陽系外惑星のうちの550個近くが地球型の岩石惑星であり、さらにそのうちの9つがハビタブル・ゾーン(生命居住可能領域)内にあるので、生命や水が存在する可能性がある惑星だということなのです。

 

プラネットハンティングで宇宙のどこかにもう一つの地球が発見される時が来るかも知れない

NASAがケプラー宇宙望遠鏡を打ち上げて観測を始める前までは、太陽系外惑星が希少なものなのか、あるいはまた普通に存在するのかということすら、よく分かってはいなかったようです。

そしてその後の観測により、ケプラー宇宙望遠鏡だけでも2325個の太陽系外惑星が発見されており、そのうちの1284個が今回新たに発見されたものだということになります。

そして現在では、ケプラー宇宙望遠鏡と観測チームの働きによって、恒星よりも惑星のほうが多く発見されるようになったようです。

NASAはケプラー宇宙望遠鏡の後継機にあたるトランジット系外惑星探査衛星「TESS宇宙望遠鏡」を2017~2018年に打ち上げる予定であり、さらなる系外惑星を探査するミッションを続けて行く予定のようです。

「TESS宇宙望遠鏡」の目的は、ケプラー宇宙望遠鏡の成果を元にして、人類が手が届く距離にあるハビタブル・ゾーン(生命居住可能領域)の太陽系外惑星を見つけることだとのことであり、そしてさらに将来の計画として、居住惑星候補を直接探査するための星間プローブを送り出す計画を明確にすることにあるのだそうです。

NASAのナタリー・バタリア博士は、今回新たに9つの地球型惑星が発見されたことに関して、「地球に似た惑星は最も近いもので地球から11光年先にある。天文学で言えば非常に近い」と述べ、今後の宇宙探査の行方に光をもたらす発見だとしています。

今回の発見は、将来的に、宇宙のどこかにある太陽とよく似た星の周りで、もう一つの地球が発見される可能性があるという希望を与えてくれるものだと言えます。

『太陽系外の惑星を観測して探すプラネットハンティングは宇宙天文学の重要な研究領域』、こちらの記事の中でも書きましたが、太陽系外惑星を観測して探すプラネットハンティングが、宇宙天文学の重要な研究領域になっているようです。

『地球から39光年離れた矮星のハビタブルゾーンに生命の可能性がある系外惑星3つを発見』、こちらの記事の中でも書きましたが、数日前の5月2日に、米マサチューセッツ工科大学(MIT)やベルギーのリエージュ大学などの国際科学研究チームが、地球から39光年離れたみずがめ座の方向で、太陽より小さくて暗い矮星(わいせい)と呼ばれる星を回る、地球ほどの大きさで生命の可能性がある3つの系外惑星を発見したと発表しています。

宇宙のどこかにある太陽とよく似た星の周りで、もう一つの地球が発見されることになれば、地球は特別な存在であるという認識が一変することになり、人々の意識も大きく変わることになると思います。

まだ見ぬ系外惑星は宇宙にどのくらい存在し、地球のように生命を宿している星はあるのでしょうか?

夢はふくらむばかりであり、プラネットハンティングが今、宇宙天文学研究の最も重要な研究領域として注目を浴びているのも頷けるところです。

今後、観測がどんどん行われていけば、いずれは、宇宙のどこかにある太陽とよく似た星の周りで、もう一つの地球が発見されることになるでしょう。

 

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