[記事公開日]2015/11/11
[最終更新日]2016/04/11

テラフォーミングという「惑星地球化計画」で火星は人類が住める星になる?

      4段階での火星テラフォーミングのイメージ

テラフォーミングという「惑星地球化計画」で、火星などを人類が住める惑星に作り変える計画が取り沙汰されている

テラフォーミングという言葉にまだ馴染みがない方も多いかと思われますが、今、一部の科学者などの間で、テラフォーミングという計画が取り沙汰されています。

テラフォーミングとは、「惑星地球化計画」、「地球化」、「惑星改造」と呼ばれたりしますが、要するに、火星や月や金星などの他の惑星を、人類が住めるような環境に人為的に作り変えてしまおうという壮大な計画のことを言います。

火星や金星や月など、人類が生存できない惑星に大気などを創り、人間が住めるような星に人為的に改造してしまおうという、壮大な計画なのです。

テラフォーミングという言葉自体は造語であり、アメリカのSF作家であるジャック・ウィリアムソンがCollision Orbit(コリジョン・オービット)シリーズで用いた造語が語源であると言われているようです。

しかし、テラフォーミングという「惑星地球化計画」というのは、単にSFだけの世界に留まらず、科学的見地からも、将来的な可能性のあるプロジェクトとして、科学者たちの間でも、注目されるようになってきているようです。

科学的見地から、テラフォーミングが研究対象として扱われるようになったのは、今から半世紀程前のことになります。

 

カール・セーガンが1961年に発表した金星の環境改造に関する論文が、テラフォーミングに関する研究の発端

テラフォーミングという「惑星地球化計画」が、科学的見地から研究対象として扱われるようになった発端は、アメリカのカリフォルニア大学の惑星物理学者カール・セーガンが金星の環境改造に関する論文を発表したのが始まりだとされています。

カール・セーガンが1961年に金星の環境改造に関する論文『惑星金星』をサイエンス誌に発表したことをきっかけにして、世界中の研究者たちがテラフォーミングの研究を開始したようです。

カール・セーガンが金星の環境改造に関する論文『惑星金星』を発表したことにより、世界中の研究者たちが惑星の環境改造という巨大なテーマに真剣に取り組むようになったとのことです。

 

科学的見地からは、テラフォーミングという「惑星地球化計画」は工学的に不可能な課題ではない

半世紀程前、1961年のカール・セーガンの『惑星金星』の研究発表がきっかけとなったテラフォーミングの研究ですが、科学的見地からは、決して不可能な課題ではないと考えられているようです。

一つの惑星の環境を丸ごと変えてしまうというのは、原理的には可能なようです。

そして、今のところ、テラフォーミングが可能な候補地として挙げられているのが、火星、金星、月であり、木星は難しいとされているようです。

テラフォーミングが可能な候補地の中でも、火星は有力な候補地と見られています。

 

テラフォーミング可能な候補地である火星、金星、月の中で、火星テラフォーミングが最有力

テラフォーミングが可能な候補地として挙げられている火星、金星、月の中では、火星がかなり有望であり、火星テラフォーミングが最有力と見られているようです。

1961年のカール・セーガンの『惑星金星』の研究発表から4年後の1965年に、アメリカが打ち上げた火星探査機マリナー4号が火星の写真を地球に送って以来、いくつかの無人探査機が火星に向けて打ち上げられましたが、1976年にはバイキングが火星に初めて着陸し、大きな成果をあげました。

これらの無人探査機によって火星の素顔が明らかになるにつれ、一部の研究者の間には、火星が思ったよりずっと地球に近い素顔をもっているのではないかという印象が広がり、火星テラフォーミングの研究がさかんに行われるようになったようです。

火星テラフォーミングを進める為には、事前に研究施設や火星開発の為の特別施設を設け、技術者や科学者が一時的に火星に滞在し、環境調査を積み重ねなければなりませんが、既に将来の火星探査については、具体的な計画がいくつも提案されています。

『「マーズワン」プロジェクトにおける2023年4月人類初の火星移住計画は実現可能か?』、こちらの記事の中でも書きましたが、オランダの民間プロジェクト「マーズワン」では、今のところ、2023年4月に人類初の火星永住を実現させる予定になっています。

また、アメリカ航空宇宙局(NASA)においても火星移住計画がある他、イーロン・マスク率いるアメリカの民間宇宙旅行会社SpaceX社においても、数十年以内に火星に8万人のコロニーを作る計画があることを発表しています。

このように、火星移住というのは、かなり現実的な話になってきていますので、火星探査というのは、これから急速に進展していくものと思われます。

ですから、火星移住などがこれから本格化していくに伴い、火星の探査も急速に進んでいくことになり、火星テラフォーミングの研究も急速に進んでいく可能性を秘めていると思われます。

 

火星テラフォーミングでは、極冠の氷を解かし温室効果で気温を暖かく保つ為に、二つの具体案が出されている

火星テラフォーミングの方法としては、極冠の氷を解かして温室効果で気温を暖かく保つ為に、具体的に二つの案が検討されているようです。

☆具体案その1。 火星の地表に吸収される太陽の光量を増やし、火星の気温を上昇させる方法。

これには、アルミホイルよりも薄い巨大な鏡を火星近くの宇宙空間に設置することが必要だとのことであり、それによって太陽の光を集めて火星の極冠に照射し、氷を解かします。
極冠の氷が溶けると、大気中に水蒸気と二酸化炭素が増えて温室効果が働き、気温が暖かく保たれるようになるようです。

☆具体案その2. 火星の表面を覆っている、太陽光を吸収しやすい暗黒色の炭素質物質を利用する方法。

この炭素質物質を破砕して火星表面にまき散らし、太陽光の吸収効果を上げるということのようです。

いずれにしても、火星は地球よりも太陽から遠い為、極冠の氷を解かして温室効果で気温を暖かく保つことが必要不可欠となります。

また、気温を暖かくする対策だけではなく、火星の大気に酸素をもたらす為の対策として、藻類を利用する方法なども検討されているようです。

 

火星の大気に酸素をもたらす為に、藻類を利用する方法も検討されている

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気温対策だけではなく、火星の大気が温暖化し、液体状態の水も維持出来るようになった時の為に、大気に酸素をもたらす為の対策も検討されているようです。

火星の大気に酸素をもたらす為の対策として、藻類を利用する方法を考える研究者もいます。

藻類は、これまで地球に酸素をもたらし、環境を変え、維持してきましたので、火星の大気が温暖化し、液体状態の水も維持出来るようになったときに、こうした藻類を持ち込めば、火星の大気にも酸素をもたらすことが出来るかも知れないということになります。

藻類を利用して火星の大気に酸素をもたらす為には、藻類を火星で育てられるように品質改良を加えるなど、遺伝子工学的研究も重要となってきますので、今後のさらなる研究が待たれるところではあります。

火星テラフォーミングは、まだまだ検討の課題もあるものの、金星や月などに比べると、実現の可能性はかなり高いようです。

 

金星のテラフォーミングは、火星とは逆に500度にもなる高温を下げる必要があり、火星をしのぐ大事業となる

地球よりも太陽に近い惑星である金星のテラフォーミングでは、火星の場合とは逆に、500度にもなる気温を何らかの方法で下げる必要があり、その環境があまりにも過酷である為、火星に比べて注目度は低いようです。

金星の気温は濃厚な二酸化炭素による温室効果と、地球より強力な太陽光が主な理由により、高温高圧の灼熱地獄の世界であり、火星に比べて地球化することが難しい面が大きいようです。

金星をテラフォーミングして地球化する為の手順としては、太陽の入射エネルギーの低減、大量の二酸化炭素の除去、自転の加速、水の確保などが挙げられていますが、いずれにしても火星のテラフォーミングをはるかにしのぐ大事業となることは間違いないようです。

金星をテラフォーミングする為の課題は、技術的に達成出来る可能性はあるものの、人類が宇宙に進出する最初の惑星としては、金星よりも火星のほうが有望視されています。

また、 月は他の候補に比べて地球からの距離が比較的近く、人類が着陸に成功している唯一の地球以外の天体であることからも、有力な候補の一つとなっているようであり、月の植民構想はNASAなども推進しているようです。

 

太陽系の星を改造し地球型生命の定着出来る星に変えることが出来るテラフォーミングには、大きな可能性がある

太陽系の星を改造して、私たち人間が永住出来るような星に作り変えることが出来る、テラフォーミングという「惑星地球化計画」には、大きな可能性があり、私たち人類の希望でもあると考えます。

今の地球を取り巻く環境は、日々荒廃していく自然環境の中で、人類の人口だけはどんどん増え続けており、このままの状態が続けば、いずれ、地球という有限の資源の中では、全人類の生存を賄っていくことは難しくなる時が来るのは想像に難くありません。

私たちの太陽系には、火星や金星や月など、現時点で生命活動の見られない地球型の惑星や巨大衛星が存在していますので、これらの星を、将来私たちが自らの手で改造し、地球型生命の定着出来る世界に作り変えることが出来たら、そこには大きな可能性が広がることになると思います。

そして、テラフォーミングという「惑星地球化計画」を研究することは、即ち、地球環境の研究をすることにも繋がるものでもあり、地球の環境破壊の修復にテラフォーミングの技術を応用することも考えられているようです。

テラフォーミングには大きな可能性があり、人類の希望の一つでもあると思います。

火星テラフォーミングは十分実現可能なようですので、まずは、最有力な候補地である火星において、火星テラフォーミングが実現することを祈りたいと思います。

 

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