[記事公開日]2016/05/04

地球から39光年離れた矮星のハビタブルゾーンに生命の可能性がある系外惑星3つを発見

NASAが制作した地球の詳細な合成写真(2010年3月2日公開)。

(C)AFP/NASA

地球から39光年の距離に、生命の可能性がある系外惑星3つを発見

地球から39光年の距離に、生命の可能性がある3つの系外惑星が発見されました。

地球から39光年離れたみずがめ座の方向で、太陽より小さくて暗い矮星(わいせい)と呼ばれる星を回る、地球ほどの大きさの3つの惑星が発見されました。

これは、米マサチューセッツ工科大学(MIT)やベルギーのリエージュ大学などの国際科学研究チームが5月2日に、英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載したものであり、この論文によると、この3惑星は地球からわずか39光年離れた超低温の矮星を周回しており、その大きさと温度は地球や金星に匹敵するとみられています。

今回発見された3つの系外惑星には、表面に液体の水が存在する可能性があり、生命体が発見される可能性がこれまでで最も高い、地球に似た太陽系外惑星だということです。

今回の発見を機に、地球外生命探しへの期待が大きく高まりそうで、とても楽しみです。

 

地球から39光年離れたみずがめ座の方向にある「TRAPPIST-1」と呼ばれる矮星

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今回発見された3つの系外惑星が周回しているのは、地球から39光年離れたみずがめ座の方向にある「TRAPPIST-1」と呼ばれる矮星(わいせい)であり、恒星の終末期に分類され、太陽に比べて温度は半分、質量は10分の1程度だと言います。

赤色をしていて木星より大きいものの、地球からは暗すぎて肉眼でもアマチュア望遠鏡でも見えないと言います。

研究チームは、南米チリにある欧州南天天文台(ESO)にある口径60センチのトラピスト望遠鏡を使って、光学望遠鏡で観測可能な大きすぎず高温すぎない数十個の矮星を追跡調査したようです。

研究チームは2015年9月~12月にかけての62夜にわたり、こうした恒星の光や明るさの変化を観測しました。

定期的に光が遮られる日食のような現象を発見し、赤外線を検出できる望遠鏡を使って詳しく調べました。

そして、その中でも特に可能性が高い、太陽の8分の1程度の大きさではるかに低温の矮星「TRAPPIST-1」に狙いをつけて、観測を続けたようです。

その結果、この矮星の質量は太陽の10分の1以下で、表面温度は太陽の半分以下の約2400度であり、赤褐色の暗い光が周期的に弱まる現象を詳しく分析して、3つの系外惑星を発見するに至ったとのこと。

見つかった3つの惑星はいずれも地球ほどの大きさで、そのうち内側にある2つの惑星は矮星から届く放射線量が地球の数倍であり、矮星との距離が近すぎることも遠すぎることもなく、地表に水があって生命が存在し得る「ハビタブルゾーン」にあると判断したとのこと。

内側にあるこの2つの惑星は、1・5日と2・4日周期で矮星のそばを公転していますが、地球が太陽から受ける放射熱のそれぞれ4倍と2倍程度の放射熱しか受けていないと言います。

矮星に近い方のこの2つの惑星は常に同じ面が矮星の方を向いていて、片方は常に夜、もう片方は常に昼の状態にあることも分かったようです。

また、最も外側にある3つ目の惑星の公転周期は、詳しいことは分かっていませんが4日~73日であり、最大で約73日で公転しているとみられています。

いずれにしても、この3つの惑星は、公転軌道が矮星に近いため、表面が適度に温められ、生命が存在できる可能性があり、ハビタブルゾーンに位置する可能性があると判断したようです。

大きさや低輝度の恒星から近い距離にあることを考慮すると、この3つの惑星に液体の水や生命に適した一定の気温を保つ地域が存在する可能性があるとの結論に至ったようです。

主執筆者のベルギーのリエージュ大学の天体物理学者マイケル・ギロン氏は、「太陽系外で生命の化学的痕跡を発見した初めての機会」と指摘しています。

これら3つの惑星は全て、地球とほぼ同じ大きさで「生命体が存在する可能性」があり、現在の科学技術で大気圏を分析できる距離にあるなど「3拍子揃っている」と語っています。

 

ハビタブルゾーンにある系外惑星が、銀河系に数十億個存在する可能性

『太陽系のハビタブルゾーンの定義では金星や火星は計算上は厳しい条件で月には水がない』、こちらの記事の中でも書きましたが、ハビタブルゾーンとは、宇宙の中で生命が誕生するのに適した環境と考えられている天文学上の領域を指す言葉であり、日本語では「生命居住可能領域」と呼ばれます。

「ハビタブル」は英語で「生存できる」、「ゾーン」は「領域・範囲」という意味であり、宇宙空間で、生命が誕生・存在することが可能な領域を「ハビタブルゾーン」と呼びます。

天文学者により、銀河系のハビタブルゾーンも考えられているようで、銀河の中で、どこに惑星系ハビタブルゾーンがそもそも存在できる条件なのかを考慮したものになります。

天の川銀河(銀河系宇宙)のハビタブルゾーンは、現在では銀河中心核から約25000光年の、誕生後40億年~80億年の星々を含む、ゆっくりと広がる領域がそうだと信じられているようです。

そして、天の川銀河(銀河系宇宙)には、主星のハビタブルゾーン(生命居住可能領域)内を公転している惑星が、なんと数十億個存在する可能性があるとの研究論文も、2015年3月18日に英国王立天文学会の学会誌に掲載されて発表されています。

太陽系外に存在する、いわゆる「系外惑星」の探査を目的として2009年に打ち上げられたNASA(アメリカ航空宇宙局)の宇宙望遠鏡「ケプラー」により、これまでに数千個の惑星が発見されていますが、その多くは、1つの恒星の周りを複数の惑星が公転する太陽系に似た惑星系内に存在していると言います。

そこで、オーストラリア国立大学とデンマーク・ニールス・ボーア研究所の共同研究チームは、この「ケプラー」の観測データを用いて、ハビタブルゾーン内に惑星が存在している可能性のある恒星が、天の川銀河(銀河系宇宙)内にどれほどあるかの算出を試みたようです。

この試みで研究チームは、250年前に発見された「ボーデの法則」を一般化した最新版を使用しましたが、これによると、惑星が主星の周りを一周するのにかかる時間が分かれば、他の惑星の公転周期を計算でき、それによって惑星の位置を判定したり、比率の系列から「欠けている」惑星を見つけたりすることができるのだと言います。

元々の「ボーデの法則」では、発見前に天王星の位置が正しく予測されていたそうです。

研究チームが行った計算結果を基にして、さらに広範囲の推定を行うと、ハビタブルゾーン内に複数の惑星を持つ恒星が天の川銀河(銀河系宇宙)だけでも数十億個存在する可能性があるとのことです。

今回発見された3つの系外惑星が周回しているのは、地球から39光年離れたみずがめ座の方向にある「TRAPPIST-1」と呼ばれる矮星(わいせい)であり、恒星の終末期に分類され、太陽に比べて温度は半分、質量は10分の1程度だと言います。

こうした小型の恒星や褐色矮星と呼ばれる恒星は、天の川銀河(銀河系宇宙)にある恒星状天体の25~50%を占めていると言います。

矮星は暗くて観測しにくいことなどから、詳しい分析は遅れていたとのことですが、今後は、地球に似た惑星を探す有望な候補になりそうです。

米マサチューセッツ工科大学(MIT)やベルギーのリエージュ大学などの国際科学研究チームは「地球外生命探しのパラダイム・シフト(考え方の転換)」などとしているようです。

地球に似た惑星の探索はこれまで、太陽のように巨大で高温な恒星の周囲を中心に行われてきましたが、今回の発見により、超低温の矮星の周囲にも生命体が存在する可能性がある惑星があることが示された訳であり、まさに「地球外生命探しのパラダイム・シフト(考え方の転換)」と言えるかもしれません。

主執筆者のベルギー・リエージュ大学の天体物理学者マイケル・ギロン氏は、「銀河系全体でみれば、こうした惑星が数十億個存在するだろう」と語っています。

研究チームは各地の観測所と連携して、この惑星に水やメタン分子が存在するかどうか調査する予定のようです。

地球から39光年という距離は、地球外生命体を探す観測には適した近さだと言います。

現在では望遠鏡も進化しており、2018年に利用を開始する「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」は大気の成分なども観測できるほか、惑星の構造や気温、気圧などについても分析できるようです。

次世代望遠鏡ではさらに、酸素のような生命の兆候をとらえることも可能になると言います。

今回発見された3つの系外惑星は、天の川銀河(銀河系宇宙)に数十億個あると推定される、ハビタブルゾーンにある系外惑星の中のほんの一部なのだと思います。

今後、天の川銀河(銀河系宇宙)の中にある、生命の可能性のある系外惑星がどんどん発見されていくことになりそうで、とても楽しみです!

 

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