[記事公開日]2015/12/30
[最終更新日]2016/04/09

地球と月のラグランジュポイントが月軌道上2箇所にありスペースコロニーの候補地

ラグランジュポイント(ラグランジュ点)とは

ラグランジュポイント(ラグランジュ点)と呼ばれるものがあります。

ラグランジュポイント(ラグランジュ点)とは、天体力学における円制限三体問題の5つの平衡解のことをいいます。

ある天体 E の周りを何らかの天体 A が回っているとし、E と A 以外に天体がない場合、A が描くべき軌道は簡単に導くことができ、A は楕円軌道を描きますが、この問題を二体問題といい、その解はすでにアイザック・ニュートンによって知られていました。

例えば E を地球として、A を小惑星など地球の引力に束縛された何らかの天体とすると、他に天体が存在しないならば A の軌道は二体問題を解くことによって求められることになります。

しかし、さらに別の天体 M がある場合には、問題は二体問題に比べて遥かに難しくなるといいます。

A, E, M の3 つの天体が重力によって影響し合っているときに、それら天体の軌道を決定する問題は三体問題と呼ばれる問題の特別な場合にあたりますが、 一般に三体問題は解析的に解けないことが知られているようです。

たとえば前述の地球と小惑星の二体問題に、天体 M として月を加えたものは三体問題に属します。

Aの質量が他の2 天体 E, M の質量に比べ無視できるほど小さいという条件下では、A が特殊な位置にあれば A はその位置(E や M から見た相対位置)に留まっていられることが知られており、このような位置をラグランジュポイント(ラグランジュ点)と呼びます。

より正確にはラグランジュポイント(ラグランジュ点)とは、E の A への重力、M の A への重力、A の重心系から見た遠心力の3 つが釣り合っている点のことであり、 このような点では A にかかる力は釣り合っているので、A はその位置に留まり続けることができるといいます。

ラグランジュポイント(ラグランジュ点)は全部で5 つあることが知られており、いずれも E と M の軌道を含む平面内にあります。

それぞれ L1, L2, L3, L4, L5 と表され、最初の3 つは E と M を結ぶ直線上にあり、残りの2 つは E と M の双方から 60度の位置にあります。

L4とL5の二つは、特にトロヤ点と呼ばれています。

ラグランジュポイント(ラグランジュ点)は、まずレオンハルト・オイラーが1760年頃にトロヤ点以外の3点( L1, L2, L3)を発見し、その後ジョセフ=ルイ・ラグランジュが1772年にトロヤ点( L4, L5)を見つけ、同時に解を示すための条件も緩めたとされています。

そして、ラグランジュが発見したトロヤ点( L4, L5)は、スペースコロニーを建設する軌道の候補にもなっているといいます。

 

スペースコロニーを月軌道上に2箇所あるラグランジュポイントに建設する構想をオニール博士が提案

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月軌道上に2箇所あるトロヤ点( L4, L5)は、10万人規模の人間が永住できるスペースコロニーの軌道の候補にもなっているそうです。

上図において、中心にある黄色の円形を地球とし、右端にある青い小さな円形を月とした場合、L4とL5はそれぞれ、地球と月と正三角形の形になります。

ラグランジュの発見によれば、このトロヤ点( L4, L5)に3番目の天体を置いて適切な初速を与えると、3天体は正三角形を保ったまま回転を続けることができるといいます。

ラグランジュポイント(ラグランジュ点)は全部で5つ( L1, L2, L3, L4, L5)ありますが、トロヤ点( L4, L5)は特別であり、安定な性質を持つといいます。

このため、トロヤ点( L4, L5)に置かれた天体の位置がちょっとずれても、地球と月の重力が上手く働いて元の場所に戻ってしまうそうです。

そこで、スペースコロニーの軌道の候補として、月の軌道上にある2箇所のラグランジュポイント(ラグランジュ点)L4とL5が候補になっているようです。

スペースコロニーとは、1969年に当時アメリカのプリンストン大学教授であったジェラルド・オニールらによって提唱された、宇宙空間に作られた人工の居住地のことになります。

スペースコロニーは、1969年にアメリカのプリンストン大学にて、ジェラルド・オニール博士と学生たちのセミナーの中での、惑星表面ではなく宇宙空間に巨大な人工の居住地を作成するというアイデアから誕生したものであり、1974年にニューヨーク・タイムズ誌に掲載されたことから広く一般に知られるようになりました。

地球と月との引力の関係が安定する領域であるラグランジュポイント(ラグランジュ点)に設置され、居住区域を回転させて遠心力によって擬似重力を得るとともに、スペースコロニー内部には地球上の自然が再現され、人々が地球上と変わらない生活ができるようになるという構想になります。

オニール博士はスペースコロニーを地球と月のラグランジュポイント(ラグランジュ点)に作ることでスペースコロニーの軌道を安定させるというアイデアを述べており、月軌道上にある2箇所のトロヤ点( L4, L5)がスペースコロニーの軌道の候補地になっているという訳なのです。

 

ラグランジュポイントは地球-太陽系や、木星-太陽系でも発見されている

また、ラグランジュポイント(ラグランジュ点)は、月-地球系に限らず、地球-太陽系、木星-太陽系にも存在しています。

レオンハルト・オイラーとラグランジュの成果は、運動方程式を解くことで理論的に得られたものでしたが、実際にラグランジュポイント(ラグランジュ点)に天体が留まっている例が確認されているといいます。

例えば太陽と木星のラグランジュポイント(ラグランジュ点)には数千個(以上)の小惑星群があるようです。

その一部の小惑星にはトロイア戦争における英雄の名が付けられており、このラグランジュポイント(ラグランジュ点)は「トロヤ点」、小惑星群は「トロヤ群」とも呼ばれているそうです。

 

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