[記事公開日]2016/02/17
[最終更新日]2016/04/09

地球の約25800年周期での「歳差運動」により北極星(天の北極に近い星)は移り変わる

地球の「歳差運動」 コマが首を振るように約25800年かけて自転軸が回る。

北極星(天の北極に一番近い星)は長い年月の間に移り変わる

夜空の星たちは、地球の自転に伴って、一晩の間に見かけ上、東から西へ、弧を描きながら移動しますが、その一方で、時間が経過してもほとんど動かない星もあります。

それが、北極星になります。

北極星は、地球の自転軸の延長線上、つまり北極の真上(天の北極)にあるため、見かけの位置がほとんど動かないので、昔から、北の方角の目印として利用されてきたと言います。

北極星は地球の自転軸を北極側に延長した線上(天の北極)近くに位置しているため、地球上から見るとほとんど動かず、北の空の星は北極星の周りを回転しているように見えますので、北極星は天測航行を行う際に正確な測定をするための固定点となり得るということなのです。

では、北極星は永久に動かない星なのかと言うと、そうではありません。

北極星は未来永劫、北の方向の目印として使えるかと言うと、そうではないようです。

実は地球の自転軸は常に一定方向を向いておらず、約25800年の周期で回転をしているので、天の北極は、天球上で動いていくのです。

地球の自転軸が約25800年周期で回転することを、「歳差運動」と言いますが、これにより、北極星(天の北極に近い星)は、長い年月の間に移り変わっていくのだと言います。

 

「歳差運動」とは地球の自転軸が約25800年周期で回転すること

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現在、北極星は、「こぐま座α星ポラリス」ですが、地球の自転軸が約25800年周期で回転する「歳差運動」により、今は「こぐま座α星ポラリス」となっているだけであり、長い年月の間には、北極星(天の北極に近い星)は移り変わっていくことになります。

★「歳差運動」とは

「歳差」または「歳差運動」とは、自転している物体の回転軸が、円をえがくように振れる現象であり、「歳差運動」の別称として「首振り運動」、「みそすり運動」、「すりこぎ運動」の表現が用いられる場合があります。

回転するコマが勢いを失いつつある時などにする、回転軸自体が回転する運動のことです。

地球の自転軸も、コマの「すりこぎ運動」のように動いており、これを地球の「歳差運動」と言います。

ただ、コマの場合は重力の影響で「すりこぎ運動」をする訳ですが、地球の場合は、コマのように平面上で軸に支えられている訳ではありません。

地球の場合は、その形状が赤道部分がわずかに膨らんだ回転楕円形(扁球)であるため、太陽や月の重力による潮汐力によって赤道部分の膨らみを黄道面と一致させようとする方向に受けているトルクが要因だと言います。

つまり、月と太陽が及ぼす重力の影響の結果、このような「歳差運動」が引き起こされることになります。

地球の「歳差運動」により、天文学上の現象として、春分点・秋分点は黄道に沿って少しずつ西向きに移動することになりますが、これを「歳差」と呼び、「歳差」の周期は約25800年になります。

地球の自転運動の「歳差」に起因する春分点の移動は、天文学では「日月歳差」と言いますが、これによって天の北極や赤道が動くことになります。

北極星(天の北極に近い星)は春分点が移動する「日月歳差」のために、何千年か毎に別の星に移り変わるということなのです。

 

約1万2000年後には「琴座のベガ」(七夕の織姫星)が北極星になる

北極星(天の北極に近い星)は春分点が移動する「日月歳差」のために、何千年か毎に別の星に移り変わることになりますが、今現在の北極星は、「こぐま座α星ポラリス」になります。

「歳差」による北極星の変遷を、過去から未来へと見てみます。

★過去の北極星(天の北極に近い星)

「琴座α星ベガ」(七夕の織姫星)・・・紀元前11500年頃

「りゅう座α星トゥバン」・・・紀元前2790年頃

「こぐま座α星ポラリス」・・・紀元前1100年頃

★現在の北極星(天の北極に近い星)

「こぐま座α星ポラリス」・・・西暦2100年頃、もっとも天の北極に近付く。

★未来の北極星(天の北極に近い星)

「ケフェウス座γ星」・・・西暦4100年頃

「ケフェウス座β星」・・・西暦6000年頃

「ケフェウス座α星」・・・西暦7800年頃

「はくちょう座α星デネブ」・・・西暦10200年頃

「はくちょう座δ星」・・・西暦11600年頃

「琴座α星ベガ」(七夕の織姫星)・・・西暦13000年頃

北極星(天の北極に近い星)は「歳差運動」のため、約25800年周期で移行し、上記の行程をほぼ同様に繰り返すようです。

ただし、各恒星の固有運動があるために正確な繰り返しではなく、例えば紀元前58000年頃には「うしかい座α星アークトゥルス」が北極星だったと言われています。

上記の「過去・現在・未来の北極星」のうち、赤緯89度以上に達するのは「こぐま座α星ポラリス」と「りゅう座α星トゥバン」であり、最も天の北極に近づくのは「りゅう座α星トゥバン」だと言います。

 

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