[記事公開日]2016/01/10
[最終更新日]2016/04/09

月は秤動という首振り運動をしているので地球からは月の全表面の59%を見ることが可能

月は秤動という首振り運動をしている

月は地球に対しては、常に同じ面を向けているといわれていますので、月の裏側は見ることができません。

では、地球から見える月は全表面の50%なのかというとそうではなく、約59%が見えるのだといいます。

これは何故かというと、月は上下・左右に少し首振り運動をしているからであり、この首振り運動のことを秤動(ひょうどう)と呼びます。

秤動(ひょうどう)とは、ある天体からその周囲を公転する衛星を見た時に、その衛星が見かけ上行うように見える、または実際に行うゆっくりとした振動運動のことをいいます。

そして、単に「秤動」という場合には特に、地球を周回する月の秤動を指すことが多いといわれています。

秤動には、光学的秤動と物理秤動があります。

 

3つの光学的秤動(日周秤動・緯度の秤動・経度の秤動)と物理秤動がある

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秤動には、光学的秤動と物理秤動があります。

光学的秤動は、月の見かけの振動であり、日周秤動、緯度の秤動、経度の秤動の3つあるといいます。

☆光学的秤動(日周秤動、緯度の秤動、経度の秤動の3つ)

★日周秤動

私たちは地球の表面に住んでいますので、月の出と月の入りでは月を見る角度が異なります。

日周秤動 は、地球上の観測者の位置が地球の自転によって動くために、観測時刻に応じた視差を生じることで表れるものになります。

日周秤動によって月の出のさいには月の西側の縁を、月の入りのさいには月の東側の縁を見ることになり、その程度は約1度とされています。

この角度の違いは、赤道地域で最大となり、約1度になるそうです。

★緯度の秤動

月の軌道を横から見ると、黄道面(地球の公転軌道面)に対して、月の公転軌道面は5.15度傾いています。

また、月の自転軸は、黄道面に対して1.5度しか傾いていません。

緯度の秤動は、月の自転軸が月の公転面の法線に対してわずかに(1.5度ほど)傾いているために生じる緯度方向の動きであり、この秤動の原因は、地球の自転軸が公転面に対して傾いているために地球に四季が生じるのと同様のものだといいます。

月の赤道面は月の公転軌道面に対し約6.7度(=5.15度+1.5度)傾いていることになるため、地球をまわる間に、月の北極地方がよく見えたり、南極地方がよく見えたりすることになります。

この秤動を緯度の秤動といい、最大で月の南北が6.7度ずつ余分に見えるそうです。

★経度の秤動

経度の秤動は、地球の周囲を回る月の公転軌道がわずかに楕円であるために、月の自転が軌道上の位置に対してわずかに進んだり遅れたりすることで生じる経度方向の動きのことになります。

月は楕円軌道を公転し、地球に近い時は速く、地球から遠い時はゆっくりと動いています。

一方、月の自転速度は一定なので、近時点から遠時点に向かう時は月の東側がよく見え、遠時点から近時点に向かう時は月の西側がよく見えることになります。

この秤動を経度の秤動といい、最大で月の東西が8度ずつ余分に見えるそうです。

☆物理秤動

物理秤動は、月の形状が完全な球体ではないために、地球や太陽から受ける重力によって月自体が揺れ動くものであり、その程度は約3.5度になるといいます。

 

地球からは月の全表面の59%を見ることができる

月の自転周期は、地球の周囲を回る公転の周期と同期しているため、月は地球に対して常にほぼ同じ面を向けていますので、月の裏側を見ることはできません。

かといって、地球からは月の全表面の50%しか見えないという訳ではないということになります。

何故ならば、月は秤動という首振り運動をしており、秤動があるために地球上の観測者は時間の経過とともに月の裏側の一部をも見ることができるということになります。

このため、地球上からは月の全表面のうち約59%を観測できるということになります。

 

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