[記事公開日]2015/11/21
[最終更新日]2016/04/11

ユニバース(宇宙)とマルチバース(多元宇宙)とオムニバース(全ての実在する宇宙全体)

ユニバース(宇宙)とは何か?

宇宙(ユニバース)とは何でしょうか?

宇宙という言葉は、英語でユニバース(universe)と言いますが、universeの語源は、ラテン語で「回転して一つになったもの」という意味から来ているそうです。

宇宙とは、一般的に以下のように定義されています。
*哲学や宗教など
コスモス。時間・空間内に秩序を持って存在する「こと」や「もの」の総体。
何らかの観点から見て、秩序を持つ完結した世界体系。
*理学
全ての時間と空間、およびそこに含まれるエネルギーと物質。
あらゆる存在や物を包容する無限の空間と時間の広がり。
あらゆる物事(森羅万象)を含む全ての存在。
(最近では、宇宙について論じる時、3次元的につながった空間だけではなく、平行宇宙も含めて論じられることがある。複合的宇宙もしくは多元的宇宙という意味で、「マルチユニバース」もしくは「マルチバース」と呼ばれる。単一宇宙と区別して複合宇宙全体を指す場合には特に「オムニバース」ともいう。)
*天文学用語
3次元空間的に繋がった広大な宇宙全体を指すこともある。
「宇宙」で観測不可能な領域を除いた「観測可能な宇宙」を指すこともある
*宇宙空間
地球の地上約100km以上、上空の空間を指す便宜的な定義。
 上記の理学における定義においては、私たちが一般的に宇宙に対して使っているユニバース(宇宙)という言葉以外に、複合的宇宙や多元的宇宙を意味する「マルチバース」もしくは「マルチユニバース」という言葉や、さらには、単一宇宙と区別して複合宇宙全体を指す場合の言葉として、「オムニバース 」という言葉も使われているようです。
今回は、理学における宇宙の定義の中で、単一宇宙としてのユニバース(宇宙)、そして、複合的宇宙や多元的宇宙を意味する「マルチバース」もしくは「マルチユニバース」、さらには、複合宇宙全体を表す言葉としての「オムニバース」という定義についても、取り上げてみたいと思います。

単一宇宙としてのユニバースとは

宇宙という言葉は、英語でユニバース(universe)と言いますが、universeの語源が、ラテン語で「回転して一つになったもの」を意味するように、ほんの100年程前までは、宇宙(ユニバース)と言えば、単一宇宙のことであり、複数の宇宙が存在するというような概念は、ほとんど無かったようです。

現在でも、一部の科学者たちなどを除いては、宇宙(ユニバース)というものを、単一宇宙として捉えている人が多いものと思われます。

現在、宇宙の始まり(誕生・起源・年齢)を考える時に、ビッグバン理論(ビッグバン仮説)というものが主流になっているようであり、宇宙の始まりはビッグバンと呼ばれる大爆発であったとされています。

そして、このビッグバン理論(ビッグバン仮説)に基づいて、宇宙の始まり(誕生・起源・年齢)が説明されているようですが、それはあくまでも、今の科学が認識している宇宙というものが、単一宇宙(ユニバース)であった場合には、そのような説明の仕方も成り立たないこともないのかも知れません。

しかし、今現在の私たちの科学が認識している宇宙というものが、唯一の宇宙(ユニバース)ではなく、それ以外にも複数の宇宙がある可能性や、私たちが認識している宇宙を取り巻くより大きな次元が存在しており、私たちが認識している宇宙は、宇宙全体のほんの一部である可能性も考えられます。

そうなってくると、今私たちが認識している宇宙で138億年前にビッグバンが起きたとしても、そのこと自体は、宇宙そのもの、宇宙全体の始まり(誕生・起源・年齢)についての本質的な解明にはならないとも言えます。

そこで、やはり、今私たちが認識している宇宙(ユニバース)というものが、果たして唯一の宇宙(ユニバース)なのか、それとも、私たちが認識している宇宙以外にも、複数の宇宙が存在しており、複合的な宇宙や多元的な宇宙、即ち、「マルチバース」が存在しているのかについても、考察する必要が出てくるかと思います。

多元宇宙論についても考察する必要が出てきます。

 

多元宇宙論が唱える「マルチバース」や「マルチユニバース」とは

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「マルチバース」とは、「ユニバース」に対する言葉であり、「ユニバース」の「ユニ」が「単独の」「一つの」という意味なので、たくさんある複数の宇宙は「マルチバース」と呼ばれることになります。

単一宇宙としての「ユニバース」に対して、複合的な宇宙としての多元宇宙は「マルチバース」と呼ばれることになります。

多元宇宙論とは、複数の宇宙の存在を仮定する仮説ですが、多元宇宙論の主張を考察することなく、宇宙の本質に迫ることは出来ないとも考えられます。

多元宇宙という概念は、ほんの100年程前に表に出てきた概念であり、1895年アメリカの哲学者で心理学者のウィリアム・ジェームズによって造られた言葉のようです。

多元宇宙(マルチバース)とは、仮説として可能性のある複数の宇宙の集合であり、多元宇宙(マルチバース)はすべての存在を含みます。
これは、私たちが一貫して経験している歴史的な宇宙に加え、空間、時間、物質、およびエネルギーの全体、そして、それらを記述する物理法則および物理定数なども含まれるようです。

多元宇宙(マルチバース)が含むそれぞれの宇宙は、平行宇宙(パラレルワールド)と呼ばれることもあります。

そして、多元宇宙の構造、そこに含まれるそれぞれの宇宙の性質、およびそれら宇宙の間の関係は、考えている特定の多元宇宙仮説に依存しており、宇宙が一つでないと考える理由(多元宇宙が存在する意味)も仮説によって様々なようです。

これまで、宇宙論、物理学、天文学、宗教、哲学、トランスパーソナル心理学およびフィクション、特にサイエンス・フィクションとファンタジーにおいて、多元宇宙の仮説が立てられてきたようで、これらの文脈では、平行宇宙(パラレルワールド)は代替宇宙、量子宇宙、相互浸透次元、平行次元、平行世界、代替現実、および代替時系列などと呼ばれることもあるようです。

多元宇宙論には色々あるようですが、簡単にご紹介すると、次のようなものがあるようです。

★単に距離によるもの

インフレーション理論またはインフレーション宇宙論というものがあり、ビッグバンが起きる前に、宇宙は急激に膨張(インフレーション)していたという考えがあります。

そして、ビッグバンが起きる前に急激な膨張(インフレーション)があったと想定する限りは、観測可能な宇宙以上の空間を必然的に内包することになるようです。

それは即ち、同一のビッグバンから生まれた領域内に、決して物理的に干渉、観測できない領域を複数選ぶことが出来るということになるようです。
そして、物理的に干渉できないということは、その領域は一種の別の宇宙であり、平行宇宙(パラレルワールド)というふうに見ることも出来るということになります。

ただし、基本的には超遠方であるだけであって、基本的な物理法則、物理定数、および素粒子の種類は合致すると考えられているようです。

★複数の泡によるもの

宇宙の急激な膨張(インフレーション)の過程で別の宇宙が生成される可能性も唱えられているようです。
この理論によれば、宇宙全体では膨張(インフレーション)がストップするような箇所(ポケットと呼ばれている)があったり、あるいは、膨張(インフレーション)し続ける箇所があったりすることで、数多くの孤立した「泡宇宙」が形成されると考えます。

私たちが認識している宇宙は、空間の広大な「海」における、小さな「泡」である可能性もあると言います。

そして、この理論では、別の「泡宇宙」においては、物理定数と素粒子が異なってもよいと考えられているようです。

★量子力学における多世界解釈

量子力学における解釈の一つであり、多元宇宙の中では、最もよく知られているものかも知れません。
これは、1957年、プリンストン大学の大学院生であったヒュー・エヴェレットが提唱した、量子力学の観測問題における解釈の一つとなります。

ミクロの世界では、起きる現象を確率的にしか予想出来ないと考えます。

量子力学における多世界解釈では、全ての解に対応した世界があるということであり、一言で簡単に言うと、可能性の数だけ平行宇宙(パラレルワールド)が存在するということになるようです。

★多次元によるもの

私たちが住む宇宙は、無限ないし多くの次元を持つ「バルク(空間)」に浮かぶたったの4次元時空(3次元空間+時間)の「ブレーン(膜)」であるとする宇宙モデルがあり、「ブレーンワールド(膜宇宙)」またはブレーン宇宙論とも呼ばれています。

当然、「バルク(空間)」内には複数の「ブレーン(膜)」があることが許容されることになります。

超弦理論においては、宇宙を10次元としており、さらには、1995年、エドワード・ウィッテンにより提唱されたM理論では、5つの超弦理論が11次元の一つの理論に統合されているそうです。

超弦理論で6次元空間の性質を知る為に方程式を解くと、正解の候補として10の500乗個もの解が出てくると言います。
つまり、10の500乗個もの宇宙が存在する可能性があるということになりますが、10の500乗とは無限と言ってもいいような数であり、無限の宇宙が存在する可能性があるということにもなります。

単一宇宙と区別して複合宇宙全体を指す場合には特に「オムニバース」とも言うようです。

 

「オムニバース」とは全ての実在する宇宙全体を指す言葉

単一宇宙(ユニバース)と区別して複合宇宙(マルチバース)全体を指す場合には、特に「オムニバース」という言葉が使われるようです。

「オムニバース」は、概念上可能なすべての宇宙(ユニバース)の集合であり、この集合に含まれるそれぞれの宇宙は個別の物理法則を持ち、「オムニバース」には概念上可能なすべての物理法則が含まれるようです。

現代物理学の文脈では、”物理法則と物理定数”を一組だけ持つ”宇宙”という限定された定義が、複数の物理法則と物理定数を含む宇宙の集合というように拡張され、それぞれの物理法則と物理定数は個別の宇宙を表現しているということのようです。

量子力学においては、「オムニバース」という言葉は全ての実在する宇宙全体(オムニバース)と限定された数の宇宙(マルチバース、ユニバース)の概念を区別する為に用いられているようです。

 

ユニバース(宇宙)とマルチバース(多元宇宙)とオムニバース(全ての実在する宇宙全体)

私たちの多くは、宇宙(ユニバース)というものを、単一宇宙として捉えていますが、宇宙(ユニバース)について考察する時には、多元宇宙(マルチバース)の可能性も含めた、「オムニバース」(全ての実在する宇宙全体)としての宇宙から捉える必要があるかと思います。

私たちが認識している宇宙(ユニバース)とは、時間においても空間においても無限の宇宙の中のほんの一部であり、他にも様々な宇宙が存在しているのかも知れません。

私たちが認識している宇宙(ユニバース)とは、「オムニバース」(全ての実在する宇宙全体)の中の一つの「泡宇宙」のようなものであり、他にも無数のマルチバース(多元宇宙)が存在しているのかも知れません。

宇宙は多重多次元構造であり、今私たちが認識している宇宙というのは、宇宙のほんの一部にしか過ぎないのかも知れません。

ユニバース(宇宙)とマルチバース(多元宇宙)とオムニバース(全ての実在する宇宙全体)という観点から宇宙について考察することが大切になると思います。

 

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