[記事公開日]2015/12/13
[最終更新日]2016/04/09

宇宙の物質の99%以上はプラズマであり、太陽は重力で閉じ込められた水素プラズマ

プラズマとは何か?

宇宙の「通常の物質」の99%以上は、プラズマでできていると言われています。

では、プラズマとは何でしょうか?

プラズマとは、ギリシャ語が語源であり、「神によって形作られたもの」という意味があるそうです。

プラズマはクルックス管の中で初めて認識され、1879年、イギリスの化学者・物理学者であるクルックスの著書ではradiant matterと記述されています。

続いて、1897年、クルックス管で発生した陰極線の正体を電子の流れと特定したのは、イギリスの物理学者ジョセフ・ジョン・トムソンだと言います。

そして、この物質にプラズマという名前を初めて命名したのは、アメリカの物理・科学者のラングミュア博士であり、1928年のことになります。

ラングミュア博士は、デバイ遮断やプラズマ振動などのプラズマの基本的性質を明らかにし、1928年にプラズマという命名をされたようです。

また、ラングミュア博士は、1932年にノーベル化学賞を受賞されています。

以降、プラズマに対する研究は宇宙物理学や、原子核融合などの工学的応用において進展しているとされています。

また、プラズマという言葉は、物理学以外では、生物学で「原形質」、医学・生理学では「血漿」を意味するそうです。

前置きはさておいて、プラズマとは、実際には、固体・液体・気体に続く物質の第4の状態を表すようです。

狭義のプラズマとは、気体を構成する分子が電離し陽イオンと電子に別れて運動している状態であり、電離した気体に相当します。

例えば、水は、氷点下では固体(氷)ですが、温度を上げて常温になると、液体(水)になり、摂氏100度以上になると、気体(水蒸気)になります。

そして、さらに温度をどんどん上げていき、数千度~1万度以上もの高温になると、原子を構成しているプラスの原子核とマイナスの電子がバラバラになり、電離した物質となります。

これが、プラズマと呼ばれるものであり、陽イオンとマイナス電子に分かれた電離気体となります。

水を例にして簡単に記述すると、以下のようになります。

★固体(氷) 氷点下では、水は氷という固体になります。

★液体(水) 常温では、水は液体です。

★気体(水蒸気) 摂氏100度以上になると、水は蒸発して、水蒸気になります。 

★プラズマ 数千度~1万度以上もの高温になると、原子を構成している陽イオンとマイナスの電子がバラバラになり、プラズマという電離気体となります。

プラズマは、非常にエネルギーの高い状態であり、マイナス電子と陽イオンに分かれていますが、プラズマ中の電子の電荷と陽イオンの電荷は等しいので、電気的に中性の状態として存在しています。

宇宙の「通常の物質」の99.9%以上は、プラズマでできていると言われており、私たちの太陽系においても同じだと言います。

太陽は重力で閉じ込められた巨大な水素プラズマであり、中心部では核融合反応が起こっており、太陽の中心は、圧力釜のような状態だと言います。

 

太陽は巨大な水素プラズマであり、中心部分で核融合反応が起きている

宇宙の「通常の物質」の99.9%以上は、プラズマでできていると言われており、私たちの太陽も例外ではありません。

太陽の質量は、地球の約33万倍であり、太陽系の中で2番目に重い木星の約千倍の重さになりますので、プラズマでできた太陽が、太陽系の物質全体の重さの99.9%を占めています。

また、太陽系の空間には、太陽風と呼ばれる薄く広大なプラズマが広がっていると言われています。

太陽は、重力で閉じ込められた巨大な水素プラズマであり、中心部分では核融合反応が起きていますので、太陽はプラズマでできた巨大な核融合炉と呼べるもののようです。

そして、太陽プラズマは、中心では高温・高密度であり、表面にいくに従って、低温・低密度となりますが、太陽から放出されているコロナでは、さらに低密度であるものの高温に変化していくと言います。

また、プラズマには、「弱電離プラズマ」と、「完全電離プラズマ」があるようです。

 

弱電離プラズマ(低温プラズマ)と完全電離プラズマ(高温プラズマ)

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気体の温度を上げて行くと構成する中性分子が電離してプラズマになりますが、この際、固体、液体、気体間の相転移とは異なり、気体からプラズマへの転移は徐々に起こり、電離度が非常に低くて構成分子の1%が電離しただけでも充分にプラズマの性質を示すと言います。

そのためプラズマは「物質の第四態」といっても、それは物質の三態とは大分異なった意味合いを持っているということになり、プラズマには、大部分が中性粒子でその一部が電離している「弱電離プラズマ」と、全部が正イオンと電子に別れている「完全電離プラズマ」があります。

電離度が低く、中性分子が大部分を占めるプラズマを「弱電離プラズマ」、もしくは「低温プラズマ」と言い、身近なプラズマは大部分がこれに属するようです。

イオンと電子とでは質量が極端に違っていて衝突してもエネルギー交換が起こりにくいので、「弱電離プラズマ」では、イオンと電子とが別々の温度を持つのが普通だと言います。

「弱電離プラズマ」では、イオン温度は室温に近く、電子温度は数千度であることが多いそうであり、半導体の分野で使われているのは、「弱電離プラズマ」になります。

そして、温度をさらに上げるとついには中性分子がすべて電離し、イオンと電子だけで構成されるプラズマになるようですが、この状態のプラズマを「完全電離プラズマ」、もしくは「高温プラズマ」 と言います。

「完全電離プラズマ」の状態のとき電子温度は数万度以上になり、イオン温度もそれなりに高くなっていると言います。

核融合の研究に使われているのは、「完全電離プラズマ」ですが、熱核融合炉をつくる研究では燃料である重水素イオンに核融合反応を起こさせるため、イオン温度を1億度程度にまで上げるとのことであり、この状態のプラズマを核融合プラズマと呼ぶこともあるそうです。

太陽はもちろんのこと、星や銀河などのプラズマは、自分自身の重力で閉じ込められていると言います。

力学的な平衡(ビリアル平衡)では、プラズマの運動エネルギーの2倍と重力のポテンシャルエネルギーとの和がゼロであることが知られているそうです。

 

太陽コロナは代表的なプラズマの一つ

星や銀河などと同じように、太陽のプラズマも、自分自身の重力で閉じ込められており、太陽の中心部は、核融合反応が起こって圧力釜のような状態となっています。

そして、太陽の表面にいくにしたがって、だんだん低温になっていきますが、太陽から放出されているコロナにおいては、高温に変化していきます。

太陽の表面温度が約6000度であるのに対して、太陽コロナは光球面よりもかなり高温であり、百万度以上のプラズマからできているようです。

太陽コロナはかなり高密度の完全電離プラズマからなっており、その外側でも至る所に完全電離プラズマが存在するとのことです。

皆既日食時には真珠色のきれいな輝きが波打って見えますが、これは太陽磁場とコロナプラズマとの力のバランスで描かれる不思議な曲線だと言います。

そして、このコロナが惑星間に広がって「太陽風」となります。

さらに地球に近づくと、よく知られた電離層がありますが、これもプラズマになります。

電離層とは、地球を取り巻く大気の上層部にある分子や原子が、紫外線やエックス線などにより電離した領域であり、この領域は電波を反射する性質を持ち、これによって短波帯の電波を用いた遠距離通信が可能だとされています。

この電離層というのも、プラズマの代表的なものの一つであり、電離層のプラズマは、完全電離ではなく「弱電離プラズマ」となります。

また、地上ではプラズマはもっぱら人工的に作られるようであり、よく知られたプラズマの例は、蛍光灯、広告用ネオンなどの放電管内のプラズマであり、いずれも「弱電離プラズマ」になります。

また、地上で見られるオーロラや雷なども、プラズマだそうです。

宇宙の「通常の物質」の約99.9%以上は、プラズマでできていると言いますが、私たち人間にとって、最も身近なプラズマの代表的なものが、太陽であり、太陽は中心部分で核融合反応が起きている巨大な水素プラズマだということになります。

 

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