[記事公開日]2016/06/11

「宇宙エレベーター」実験に向けて静岡大学がISSから超小型衛星を放出してテザーを伸ばす

静岡大学工学部が製作した超小型衛星「STARS―C」のイメージ図

「宇宙エレベーター」実験のため、静岡大学が超小型衛星を公開

「宇宙エレベーター」実現に向けた実験を、静岡大学が行うことになりました。

静岡大学工学部は6月8日、国際宇宙ステーション(ISS)から放出予定の超小型衛星「STARS―C」を浜松キャンパスで公開しましたが、これは地上と宇宙空間の基地をつなぐ「宇宙エレベーター」の実現に向けた技術開発に役立てるための装置になります。

超小型衛星「STARS―C」から「テザー」と呼ばれる「ひも」を伸ばし、将来の「宇宙エレベーター」実現に向けた実験を行うようです。

超小型衛星「STARS―C」は、いずれも1辺10センチの正六面体の親機と子機、それに両機をつなぐ長さ100メートルの「テザー」と呼ばれる「ひも」からなります。

重さは計2・66キロと軽量であり、「テザー」は太さ0・4ミリの細い「ひも」になりますが、ケブラーという強力な合成繊維でできていると言います。

電流を通す特殊繊維ケーブル「テザー」(長さ約100メートル、太さ0・4ミリ)という細い「ひも」によって、2基(親機と子機)をつなぐ形となります。

超小型衛星「STARS―C」は、静岡大学の教授や学生が開発・製作したものですが、通常なら開発に1千万円以上かかるところを、地元を含む企業や団体の援助もあり350万円で製作したと言います。

 

国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」から「STARS―C」を放出

スポンサーリンク

超小型衛星「STARS―C」は、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」から放出されることになります。

JAXA(宇宙航空研究開発機構)が国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」を利用した実験を公募したところ、静岡大学工学部が応募し、日本実験棟「きぼう」から放出される衛星の1つに選ばれたとのことです。

超小型衛星「STARS―C」を宇宙貨物船などでISSに運び、日本の実験棟「きぼう」から放出することになります。

親機と子機を分離した後、「テザー」という「ひも」を伸ばして詳細なデータを記録することにより、「宇宙エレベーター」や、「導電性テザー」による宇宙ゴミ(スペースデブリ)の回収につなげる実験を行うことになります。

『宇宙でのゴミ対策と深刻な問題となったスペースデブリ(宇宙ゴミ)』、こちらの記事の中でも書きましたが、現在、宇宙ごみ(スペースデブリ)がかなり深刻な問題となっており、「テザー」で宇宙ごみ(スペースデブリ)を捕獲、処理する構想があるようです。

また、『宇宙エレベーターは軌道エレベーターとも呼ばれロケットより安全に低コストで物資を輸送』、こちらの記事の中でも書きましたが、「宇宙エレベーター」(軌道エレベーター)は電磁力などを推力にして「テザー」に沿って移動し、物資を運ぶことができると期待されています。

静岡大学の超小型衛星「STARS−C」が担うのは、「テザー」を宇宙空間で伸ばす展開技術の実証実験だと言います。

過去2回、香川大学が「STARS―C」の前身の衛星で同様の実験をしていますが、データ収集ができなかったと言います。

静岡大学工学部では「テザーを伸ばす際に横移動もする。宇宙空間で正確に制御するためには詳細なデータが必要なので、今回はきちんと取りたい」としています。

超小型衛星「STARS−C」の操作やデータ送信はアマチュア無線の周波数で行うため、アマチュア無線家にデータの取得を呼びかける予定だとのことです。

ISSへの打ち上げは今夏以降で、決まり次第、JAXAから発表される予定です。

静岡大学が超小型衛星を開発するのは初めてのことになりますが、静岡県内でも初となる人工衛星であり、浜松地域など県内外の企業が協力したのだと言います。

静岡大学工学部の関係者は、このプロジェクトが、物づくりの町・浜松のさらなる活性化に役立ってくれるものと期待しているとコメントしていますが、今回の実験が成功して、「宇宙エレベーター」の実現がより身近なものになることを期待したいと思います。

スポンサーリンク

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ