[記事公開日]2016/10/26

「宇宙エレベーター」という深宇宙に開かれた”港”は大林組の試算で2050年に運用可能

深宇宙に開かれた“港”「宇宙エレベーター」 大林組が語る2050年の未来

    「宇宙エレベーター」は2050年にも運用可能だと言う。(提供:大林組)

「宇宙エレベーター」は2050年にも運用開始可能とする大林組

宇宙空間に探査機などの宇宙船を送る“港”となる静止軌道上の「宇宙エレベーター(軌道エレベーター)」は、この21世紀の半ばにも、実現されることになるかも知れません。

『宇宙エレベーターは軌道エレベーターとも呼ばれロケットより安全に低コストで物資を輸送』、こちらの記事の中でも書きましたが、2012年2月、ゼネコン大手の大林組が建設の視点から、「宇宙エレベーター(軌道エレベーター)」の可能性を探る構想を広報誌『季刊大林』に載せ、2050年の実現を目指すと報道されていました。

「宇宙エレベーター」の建設費は約10兆円にも上り、単独の国ではなく国際協調で行うのが望ましいプロジェクトのようですが、開発に取り組んでいる大林組では、やはり、2050年には運用開始も可能だと言いますので、さらに詳しい内容についてみてみたいと思います。

「宇宙エレベーター」は、宇宙空間に探査機などの宇宙船を送る“港”とも言えるものなので、“未来の宇宙輸送・交通システム”であり、ロケットに代わる存在になれる可能性も持っています。

 

ケーブルの長さは約9万6000キロで地球から月までの距離の1/4

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「宇宙エレベーター」で使用するケーブルの長さは、約9万6000キロメートルですが、これはなんと、地球から月までの距離の約1/4に相当する長さになります。

そして、高度約3万6000キロメートルの静止軌道上にはターミナル駅があります。

このケーブルをクライマーが昇り降りして、人や物を運ぶことになるようですが、大林組の構想では、2本のケーブルを使用して、人や物資を運ぶことになるようです。

「宇宙エレベーター」の最大のキモとなるのは、ロケットの代わりに宇宙空間へ探査機や有人宇宙船を飛ばせる点であり、これによって、ロケットによって打ち上げるよりも、コストを大幅に減らせる可能性もあるようです。

「宇宙エレベーター」では、ターミナル駅やケーブルが静止衛星と同じように地球を回っていますので、ケーブルの高いところに宇宙船を運び、放出すれば、ハンマー投げのハンマーのように地球の重力圏を飛び出せる速度が得られるので、ロケットよりも低コストで探査機や有人宇宙船を宇宙空間に飛ばせる公算が高いようです。

また、「宇宙エレベーター」を使うと、地上と宇宙の間で人や物資を運びやすくなる為、地球外で採掘した資源の輸送や、宇宙太陽光発電所の建設に必要な資材の運搬などへの活用も期待出来るのだと言います。

このように、「宇宙エレベーター」には大きな可能性が秘められているのですが、建設費用と施行年数はかなり大規模なものになるようです。

 

建設費は約10兆円で施行には約20年かかり、2050年の運用開始も可能

大林組の試算によれば、「宇宙エレベーター」の駅やケーブルの建設費は約10兆円くらいになるようです。

ちなみに、リニア中央新幹線が数兆円規模ですので、「宇宙エレベーター」のメリットが認識されれば、実際に投資が行われる可能性は十分あると言えます。

そして、「宇宙エレベーター」を建設する為には、施行に約20年が掛かると試算されているようです。

ケーブルを静止軌道上まで運んで、地球上に向けて、それから地球と反対側に向けてそれぞれ伸ばす作業に約1年かかり、残りの年数で、ケーブルを太くしていく作業を行うことになるようです。

もし仮に、2030年に「宇宙エレベーター」のケーブル建設を開始するとすれば、2050年には運用を開始できる可能性があると、大林組では考えているようです。

ただ、「宇宙エレベーター」は、1つの国が単独で完成・運用すべきものではなく、世界各国が協調し、計画的に建設を進めるのが望ましいと考えられます。

大林組では、この「宇宙エレベーター」のプロジェクトが、国際協調の契機になれば良いと考えているとのことです。

技術的にはまだまだ未熟で、課題はいくつもあり、代表的な課題はケーブルであり、約9万6000キロメートルのケーブルを作る為には、技術的なブレークスルーが2つや3つは必要だと言います。

「宇宙エレベーター」の研究開発は、まだまだチャレンジの多いプロジェクトのようですが、実現すれば、世界は大きく変わることになると思われます。

ぜひ、日本を代表する大手ゼネコンの大林組に、「宇宙エレベーター」の運用開始を実現させてほしいものだと思います。

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