[記事公開日]2015/12/29
[最終更新日]2016/04/09

宇宙の始まりの謎に挑む超弦理論やループ量子重力理論やブレーン宇宙論(膜宇宙論)

宇宙の本当の始まりは不明

宇宙の本当の始まりは不明であり、まだ解明されていません。

宇宙がどのように始まったのか、ということはもちろんのこと、そもそも宇宙に始まりがあったのかということも、まだ分かっていません。

現在の標準的な考え方としては、ビッグバン宇宙論をインフレーション宇宙論で補足して、宇宙はごく初期にインフレーション膨張という急膨張を行い、その後にビッグバンが起きたと考えているようです。

宇宙はごく初期にインフレーション膨張という急膨張を行い、その際に「構造の種」が宇宙の中に仕込まれたと考えられています。

そして、急膨張(インフレーション)が終わると宇宙は再加熱され、超高温・超高密度の初期宇宙、すなわちビッグバン宇宙が出現したと考えられています。

ビッグバン直後の超高温の宇宙では、粒子と反粒子が同数存在していましたが、その後何らかの理由で粒子と反粒子の数にアンバランスが生じて、物質に満ちた現在の宇宙が作られるようになりました。

そして、宇宙がゆるやかに膨張しつつ温度を下げていく中で、電磁気力と弱い力の分離である「真空の相転移」や、陽子や中性子の誕生である「クオーク・ハドロン相転移」が起きて、元素が合成されていったと考えられています。

こうした宇宙の初期の歴史は、素粒子論を使って理解できるようになりましたが、それはあくまでも、宇宙の初期の歴史であり、宇宙の本当の起源が理解できるようになった訳ではありません。

宇宙の本当の起源は何かという疑問は、物理学の究極の問題になりますが、それを取り扱う理論がまだ無いため、現在のところまだ誰も本当のところは分からないということになります。

宇宙がどのように始まったのかということは元より、そもそも宇宙に始まりがあったのかということさえ、まだ分かってはいないようです。

そして、宇宙の始まりを扱うのに必要な理論は、「量子重力理論」と呼ばれていますが、まだ私たち人類は、この「量子重力理論」を完成させていないということなのです。

 

宇宙の始まりを扱う「量子重力理論」は未完成

宇宙の始まりを扱う理論は「量子重力理論」と呼ばれますが、これは重力相互作用(重力)を量子化した理論であり、単に量子重力または重力の量子論などと呼ばれることもあります。

ユダヤ系ロシア人のマトベイ・ブロンスタインがパイオニアとされており、一般相対性理論と量子力学の双方を統一する理論と期待されているものの、現時点では全く未完成の未知の理論とされているようです。

「量子重力理論」は、ビッグバン理論の基礎である一般相対性理論と、素粒子論の基礎である量子力学とを融合した理論ですが、まだ完成していないということになります。

宇宙の始まりは密度も温度も極端に大きくなり重力も考えられないほど強くなるといいます。

一般相対性理論では重力とは時空の曲がりそのものであり、重力が強いとは時空が極端に曲がっているということになりますが、そのような状況では、時空そのものを量子力学的に扱わなければならなくなるようです。

ところが、量子力学は人間の直観では全く理解不可能で、「無数の宇宙が同時に存在している」というような解釈もあったりするのですが、では、無数に存在する宇宙から私たちのたった1つの宇宙へとどのように進化したのかというようなメカニズムについては、よく分からないのが現状のようです。

宇宙がどのようして始まったのかは元より、そもそも宇宙に始まりがあったのか、さらには、私たちの宇宙がたった1つの唯一の宇宙なのか、それとも、複数あるいは無数の宇宙が存在しているのか、ということなど、分からないことだらけなのが実情のようです。

そうした中にあって、宇宙の本当の始まりを探す挑戦としての「量子重力理論」の中で、有力な候補たちがいくつかあり、超弦理論(超ひも理論)、ループ量子重力理論、ブレーン宇宙論(膜宇宙論)などがあるようです。

宇宙の本当の始まりを探す挑戦としての「量子重力理論」は未完成であり、分からないことだらけのようですが、超弦理論(超ひも理論)、ループ量子重力理論、ブレーン宇宙論(膜宇宙論)などが有力な候補となっているようです。

 

超弦理論(超ひも理論)は「量子重力理論」の有力な候補

「量子重力理論」の有力な候補と考えられているものの1つが、超弦理論(超ひも理論)になります。

超弦理論(超ひも理論)では、究極の極小構成要素は点状の粒子ではなく、1次元的に広がった弦(ひも)であると考える理論です。

バイオリンの弦が振動すると様々な音色が奏でられるのと同じように、超ミクロの弦(ひも)が振動すると、全ての種類の素粒子が現れると考えるようです。

つまり、宇宙の大元、世界の始まり、究極のモノを超弦(超ひも)と考えます。

ただし、超弦(超ひも)は、私たちに馴染みの深い3次元空間(あるいは時間も考慮して4次元)に存在するのではなく、9次元あるいは10次元の高次元に存在すると考えるようです。

超弦(超ひも)が存在している空間は、9次元あるいは10次元の高次元空間であり、私たちが見ているのはそのうちの3次元に過ぎないと考えます。

9次元または10次元の空間は時間と結びついて時空を作り、平坦であるなどの構造をあらかじめ仮定しますが、その起源を考えるまでには至っていないようです。

ただ、超弦理論(超ひも理論)の特徴は、重力、電磁気力、弱い力、強い力という自然界に存在する4つの力の全てを統一的に記述できる可能性を秘めていることであり、4つの力の統一は「アインシュタインの夢」とも呼ばれて、物理学者の悲願とされているそうです。

しかし、時空構造そのものの運動を記述できるところまでは発展しておらず、したがって、ビッグバンのような特異点近傍の様子を調べることはまだできていないようです。

そして、唯一の究極理論を求めて生まれた筈の超弦理論(超ひも理論)は5つも誕生してしまったようですが、1995年にエドワード・ウィッテンにより提唱されたM理論では、5つの超弦理論(超ひも理論)が11次元の一つの理論に統合されているといいます。

5つ誕生してしまった超弦理論(超ひも理論)は、M理論の持つ異なる側面を見ているだけだと考えられています。

M理論は重力を含み、しかも数学的に美しいことから、究極の超大統一理論かと期待されているようですが、残念ながらそれを実証する手だてはまだ見つかっていないようです。

 

ループ量子重力理論も有力な候補の1つ

ループ量子重力理論は、超弦理論(超ひも理論)と並んで「量子重力理論」の有力な候補とされています。

ループ量子重力理論の世界観は、超弦理論(超ひも理論)よりもさらに徹底していて、そこでは時空そのものが消滅するといいます。

ループ量子重力理論は、ループ状のエネルギーの塊を基本的な量として重力を扱います。

この理論は重力と他の力との統一という観点には欠けているものの、超弦理論(超ひも理論)のように余分な次元を考える必要はなく、さらに4次元時空にあらかじめ平坦であるなどの特定の構造を仮定する必要もないので、特異点近傍の様子を調べることができるといいます。

ループ量子重力理論の元になっているループは、たくさんつながって「ネットワーク」になりますが、「ネットワーク」というのは、インターネットの場合でも人間の脳でもそうですが、拠点となる「ノード」があって、「ノード」同士を「リンク」がつないでいる構造になります。

そして、この「ネットワーク」から時空が生まれるということであり、「ネットワーク」から二次的に「面積」と「体積」という概念が派生するそうです。

ループ量子重力理論では、理論の始めに時空を仮定せず、仮定するのはスピンという量子論的な属性のつながり、すなわち「ネットワーク」という数学的な構造だけだといいます。

そして、そこから二次的に時空という概念が派生してくるようです。

ループ量子重力理論は、ループ状のエネルギーの塊が時空の「原子」であると考えて、時空を不連続なものとして扱う理論であり、極微の空間の量子状態は「スピンネットワーク」(不連続な時空)という図で表現しています。

ループ量子重力理論が予言する時空は、通常のアインシュタインの重力理論が仮定している時空とは違い、デジタルで飛び飛びになっています。

言い換えると、ループ量子重力理論では、時空が格子のようになっていると考えるようです。

 

超ひもの黒幕は「ブレーン」だと考えるブレーン宇宙論(膜宇宙論)

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超弦理論(超ひも理論)では、私たちの宇宙が9次元または10次元の空間に浮かぶ3次元の膜(ブレーン)のようなものであるというブレーン宇宙論(膜宇宙論)が提案されています。

超弦理論(超ひも理論)は「ブレーン」という特殊な構造を予測するのであり、その「ブレーン」から「超ひも」が生えているのだと考えます。

私たちの宇宙そのものが1つの「ブレーン」である可能性も取り沙汰されているということであり、私たちの宇宙は高次元空間に浮かぶ薄膜(ブレーン)のようなものかも知れないということになります。

最近になって超弦理論(超ひも理論)が進展した結果、どうやら、「超ひも」は必ずしも主役ではなく、もっと重要な影の黒幕がいることが判明したようで、それが「ブレーン」と呼ばれるものになります。

「ブレーン」という言葉は、元々「面」という意味ですが、面といっても2次元平面とは限らず、とにかく「広がりをもったもの」という意味だそうです。

そして、「ブレーン」には大きく分けて2種類あり、堅くてツルツルしている「ブレーン」と、柔らかくて一面に「毛(=超ひも)」が生えている「ブレーン」だといいます。

「ブレーン」も「超ひも」と同じく高次元に棲んでいますが、中には私たちと同じ3次元空間に棲んでいる「ブレーン」もあると考えるようです。

ブレーン宇宙論(膜宇宙論)は、私たちの認識している4次元時空(3次元+時間)の宇宙は、さらに高次元の時空(バルク)に埋め込まれた膜(ブレーン)のような時空なのではないかと考えるようです。

低エネルギーでは(私たち自身を含む)標準型の素粒子の相互作用が4次元世界面(ブレーン)上に閉じ込められ、重力だけが余剰次元(5次元目以降の次元)方向に伝播できる、と考えられています。

 

宇宙の本当の始まりを説明できる究極の理論はまだ未完成

宇宙の本当の起源は何かという、物理学の究極の問題について説明できる理論は、今のところ無いようです。

宇宙の本当の始まりを探す挑戦として、「量子重力理論」がありますが、今のところ、いくつかの有力な候補が挙がっているという段階にしかすぎません。

超弦理論(超ひも理論)やループ量子重力理論、そしてブレーン宇宙論(膜宇宙論)などが、今のところ、「量子重力理論」における有力な理論ではあるものの、まだまだ仮説の域を出てはいないようです。

宇宙の本当の始まりについては、何もまだ確かなことは分かってはいないようです。

宇宙がどのように始まったのかということは元より、そもそも宇宙に始まりがあったのかということも分かってはいませんし、さらには、私たちの宇宙だけがたった1つの唯一の宇宙なのかということも、まだまだ謎のままであり、分からないことだらけだということになります。

 

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