[記事公開日]2016/02/05
[最終更新日]2016/04/09

宇宙からの可視光以外の赤外線やX線などの電磁波は人工衛星に搭載された望遠鏡で観測

可視光以外の赤外線やX線などを観測する望遠鏡は、宇宙に打ち上げられる

宇宙からの可視光以外の赤外線やX線などを観測する望遠鏡は、人工衛星に搭載されるといいます。

なぜ、赤外線やX線などを観測する望遠鏡は、宇宙に打ち上げられなくてはならないのでしょうか?

天文学者たちが使う望遠鏡は、目に見える可視光線を観測するものだけではありません。

天文学者たちは、電波、赤外線、紫外線、X線、ガンマ線など、あらゆる波長の光(電磁波)で天体を観測しており、そのためには、地上からは観測できない波長の光(電磁波)は人工衛星に搭載された望遠鏡から観測する必要があるからなのです。

そして、宇宙から来るあらゆる波長の光(電磁波)のほとんどは、地上まで届かないのだといいます。

 

宇宙から放出されるほとんどの電磁波は、地上まで届かない

宇宙から放出されるほとんどの電磁波は、地上までは届きません。

地上に届くのは、可視光線の全領域の他には、赤外線・紫外線・電波の一部くらいのものだといいます。

宇宙からやって来る電磁波の大部分は、大気に吸収されるなどして、地上に届かないので、地上の望遠鏡で観測できる電磁波は限られています。

主な電磁波が届く範囲は、おおよそ次のようになります。

★可視光線は地上に届く

可視光線は地上に届きますので、通常の望遠鏡で観測ができます。

★電波の一部は地上に届きます

天体からの電波は微弱であるため、観測は電波望遠鏡によって行われます。

電波は波長が長いために星間物質による散乱を受けにくく、可視光では観測できない暗黒星雲の背後などを観測することが可能だといいます。

主要な電波望遠鏡としては、世界最大の電波望遠鏡である、プエルトリコの「アレシボ天文台」のものが有名であり、自然の凹地を利用し、直径は305メートルにもなります。

★赤外線の大部分は地上まで届かない

赤外線の大部分は大気に吸収されて地上まで届かず、一部分だけが地上に届きます。

ほとんどの赤外線は、上空20~40kmまでしか届きません。

赤外線を観測するために、NASA(アメリカ航空宇宙局)は「スピッツァー宇宙望遠鏡」を打ち上げています。

★紫外線の大部分は地上まで届かない

紫外線の大部分は地上まで届きません。

地上から紫外線観測を行うことは、オゾン層の存在により難しいので、ほとんどの観測は宇宙から行われることになります。

「GALEX」は、2003年4月に打ち上げられたNASAのSMEX計画の7番目の観測衛星となる紫外線宇宙望遠鏡です。

★X線は地上まで届かない

X線は、地上まで届きません。

「チャンドラX線観測衛星」は、1999年7月にNASAによって打ち上げられた人工衛星であり、スペースシャトル「コロンビア」によって放出されました。

地球大気がX線の大部分を吸収するため地上に望遠鏡を設置することはできず、宇宙ベースの望遠鏡を作ることが必要だったようです。

「チャンドラX線観測衛星」は、地球と月の3分の1のところを回って、X線の観測を行っています。

★ガンマ線は地上まで届かない

ガンマ線は地上までは届きません。

「コンプトンガンマ線観測衛星」(CGRO)は、1991年4月にNASAがスペースシャトル「アトランティス」に乗せて打ち上げたガンマ線観測衛星です。

アメリカ発のガンマ線観測衛星で、10キロ電子ボルトから30ギガ電子ボルトまでのガンマ線を検出でき、数多くのガンマ線バースト現象の発見に貢献し、ガンマ線天文学は大きく貢献したといいます。

 

電磁波は波長が短いほどエネルギーが高い

電波、赤外線、可視光線、紫外線、X線、ガンマ線は、全て同じ電磁波の仲間です。

違いは波長(波の”山”と”山”の間の距離)で、次のような順番に波長が短くなっていきます。

(長い) 電波→赤外線→可視光線→紫外線→X線→ガンマ線 (短い)

電磁波は波長が短いほどエネルギーが高いという性質があるので、例えば、電波はエネルギーが低い天体や現象から放出され、ガンマ線はエネルギーが高い天体や現象から放出されると言えるようです。

 

同じ天体でも、どの波長の電磁波で見るかによって、どんなエネルギーの現象を見るかが変わってくる

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電磁波は、天体から様々な原因によって放出され、同じ天体からも様々な電磁波が放たれることになります。

そして、同じ天体であっても、どの波長の電磁波で見るかによって、どんなエネルギー(温度など)の現象を見るのかが変わってきます。

熱放射で考えると、マイナス270℃といった極低温の物体からは主に電波が放射され、そこから2000℃程度までなら主に赤外線、2000℃~1万℃程度までなら主に可視光線、数万から数十万℃までなら主に紫外線、100万~10億℃までなら主にX線、10億℃以上ならガンマ線が主に放出されることになります。

つまり、同じ天体であっても、どの波長の電磁波で見るかによって、どんなエネルギー(温度など)の現象を見るかが変わってくるという訳なのです。

そして、地上に届かない電磁波を観測するために、赤外線望遠鏡やX線望遠鏡などが宇宙に打ち上げられているということなのです。

 

地上に届かない電磁波は人工衛星に搭載された望遠鏡で宇宙から観測される

宇宙からやって来た電磁波の大部分は、大気に吸収されるなどして、地上には届かないので、地上の望遠鏡で観測できる電磁波は限られています。

地上に届くのは、可視光線の全領域の他には、赤外線・紫外線・電波の一部くらいのものだといいます。

そこで、これら以外の波長の電磁波は、人工衛星に搭載された望遠鏡や観測装置で、宇宙から観測されることになります。

「ハッブル宇宙望遠鏡」「チャンドラX線観測衛星」「スピッツァー宇宙望遠鏡」「コンプトンガンマ線観測衛星」(CGRO)は、NASAの大規模観測計画シリーズとして計画された大型の天体観測衛星になります。

そして、現在では多数の人工衛星が日々、宇宙から天文観測を行っています。

 

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