[記事公開日]2016/01/07
[最終更新日]2016/04/09

宇宙の温度は約2.7K(摂氏マイナス270度)の黒体放射(プランク分布)

宇宙の温度は約2.7K(摂氏マイナス270度)

宇宙の温度は、約2.7K(摂氏マイナス270度)だと言われています。

そもそも、宇宙の温度とは、いったい、何を意味するのでしょうか?

宇宙空間は、ほとんど真空状態なので、温度など定義できないのではないかとも、一見、思えます。

というのも、例えば、大気の温度、すなわち気温というのは、空気分子がどれくらい激しく動いているか、すなわち空気分子のエネルギーの大小にほかなりません。

鉄のような物質の温度も、その物質をつくっている分子や原子のエネルギーなので、ほとんど真空に近い宇宙空間では、温度など定義できないのではないかという感じがしないでもありません。

しかし、実際には、宇宙空間はほとんど真空に近いため、分子や原子はほとんどありませんが、光はあります。

もっと精確にいうならば、宇宙は波長の長い電磁波で満たされているので、これが宇宙の温度ともされており、約2.7K(摂氏マイナス270度)くらいだといいます。

この電磁波がとらえられたのは、1965年のことで、アメリカのベル電話研究所の電波科学者ペンジャスとウィルソンによるものだそうです。

 

1965年、「宇宙マイクロ波背景放射」(CMB)が3K(-270度)の黒体放射として観測される

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1965年、アメリカのベル電話研究所の電波科学者ペンジャスとウィルソンは、宇宙のあらゆる方向からやってくるマイクロ波の電波雑音をとらえましたが、これが、「宇宙マイクロ波背景放射」(CMB)と呼ばれるものであり、波長1ミリメートルあたりが最も強く、そのスペクトルは絶対温度3度(3K)、つまり、摂氏マイナス270度の黒体放射(プランク分布)だったといいます。

その後、この放射は非常に高い精度で一様、かつ等方的で、とびぬけて大きいエネルギーを持つことがわかりました。

そして、これは、ビッグバン理論を支持する有力な証拠とみなされることになったようです。

つまり、初期においては、超高密度で超高温だった宇宙が、その膨張につれて温度が下がり、3K(マイナス270度)まで冷えたと解釈できることから、ビッグバン理論の有力な証拠とみなされるようになったようです。

そして、ビッグバンから約38万年後には、宇宙の温度は3000Kまで下がり、光が直進できるようになったと考えられています。

これは「宇宙の晴れ上がり」と呼ばれていますが、この時の光が「宇宙マイクロ波背景放射」(CMB)としてとらえられたようです。

「宇宙マイクロ波背景放射」(CMB)は、NASA(アメリカ航空宇宙局)が打ち上げた観測衛星COBEやWMAPによって確認され、10万分の1程度の小さなムラがあることが確認されています。

 

NASAの観測衛星COBEやWMAPが「宇宙マイクロ波背景放射」の小さなムラを発見

1989年に、NASA(アメリカ航空宇宙局)は「宇宙マイクロ波背景放射」(CMB)を電波望遠鏡で正しく測定するために、観測衛星COBEを打ち上げました。

1992年4月に公表された観測結果によると、「宇宙マイクロ波背景放射」(CMB)の絶対温度は2.735Kであり、小さなムラがあることが明らかになりました。

さらに、NASA(アメリカ航空宇宙局)が2001年に打ち上げた観測衛星WMAPは、COBEよりもさらに詳細に「宇宙マイクロ波背景放射」(CMB)を観測し、10万分の1程度のムラまで計ることができたといいます。

「宇宙マイクロ波背景放射」(CMB)のムラは、初期宇宙の物質のばらつきであり、物質が濃い部分はさらに周囲の物質を集め、星や銀河、銀河団を作りました。

こうして、小さなものから大きなものへと、宇宙は進化したのだと考えられるようになりました。

約137億年前にビッグバンが起きた直後の宇宙は、非常に高温でしたが、宇宙の急激な膨張で温度が下がり、約38万年後に3000Kに下がった時点で、光が直進できるようになり、「宇宙の晴れ上がり」を迎えました。

この時期に放出され、約137億年かけて到達した光を、現在私たちは観測していることになります。

そして、3000Kあった温度は、光の移動の間に2.735Kまで下がったと計算されています。

つまり、宇宙の温度は、約3K(摂氏マイナス270度)であり、より精確には、2.735Kとされています。

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