[記事公開日]2015/11/21
[最終更新日]2016/04/11

宇宙と地球の境界線は上空100kmの「カーマン・ライン」が宇宙空間の定義の一つ

どこまでが地球でどこからが宇宙なのかの定義は曖昧

宇宙と地球に境界線はあるのでしょうか?
どこまでが地球であり、どこからが宇宙なのでしょうか?

私たちが住む地球という惑星も、宇宙の一部なので、結論から先に言うと、地球と宇宙の間に境界線のようなものは無いということになるようです。

地表から離れるにつれて、大気の濃度はだんだんと小さくなっていきますが、どこまでが地球であり、どこからが宇宙であるというような明確な定義は無いようです。

厳密には地球の大気圏に明確な境界線はなく、大気圏は高度が上がるほど希薄になり、その層の重なりは様々な考え方で分類されているようです。

この為、宇宙空間との境界線については分類方法によって非常に異なるものが設定されており、例えば「熱圏」や「外気圏」をも地球の大気圏に含めるならば、宇宙空間との境界線は海抜高度1万 kmまで跳ね上がるそうです。

ただ、国際航空連盟(FAI)では、地上から約100km以上離れた場所を「宇宙と大気圏(大気が存在している範囲)の境界線」と定義しているようです。

 

国際航空連盟(FAI)の定義では、海抜100kmの「カーマン・ライン」が「宇宙と大気圏(大気が存在している範囲)の境界線」

どこまでが地球であり、どこからが宇宙であるというような、明確な定義は無いものの、国際航空連盟(FAI)においては、地上から約100km以上離れた場所が「宇宙と大気圏(大気が存在している範囲)の境界線」と定義しているとのことですが、国際航空連盟(FAI)とは、どのような団体なのでしょうか?

国際航空連盟(FAI)はスカイスポーツにおける国際組織であり、スカイスポーツの世界記録を管理している団体だということです。

1905年の設立であり、現在、本部はスイスのローザンヌに置かれているようです。
年1回の国際航空連盟(FAI)総会が、各国でスカイスポーツを統括するナショナル・エアロ・クラブ間の調整の場となっており、日本においては日本航空協会がナショナル・エアロ・クラブだということです。

国際航空連盟(FAI)本部の運営はごく少人数で行われており、本部は世界記録管理などの事務と広報の機能を持つのみであり、各国エアロクラブ間の技術事項調整は事務所を持たない各FAI委員会が行っているとのことです。

国際航空連盟(FAI)が定義した海抜高度100kmは、「カーマン・ライン」とも呼ばれており、宇宙と地球の境界線を定義する一つの基準にはなっているようです。

「カーマン・ライン」は、「カルマン線」とも呼ばれ、海抜高度100kmに引かれた仮想のラインなのですが、このラインを超えた先が宇宙空間、この高度以下は地球の大気圏と定義されているようです。
そして、この高度に達した人口物および人間が宇宙飛行を行ったと認定されるそうです。

「カーマン・ライン」の名は、ハンガリー出身の航空工学者・セオドア・フォン・カルマンに由来するようですが、海抜高度100kmという「カーマン・ライン」は、以下のような経緯で設立されたそうです。

1950年代に宇宙開発(宇宙航空学の研究)が開始されたとき、地球大気圏を脱出するための軌道速度として宇宙速度が計算されたのですが、この時におおよその宇宙との境界線として海抜高度100kmが設定され、計算に使用されたようです。

厳密にはその距離は100 kmちょうどではなかったようですが、様々なパラメータや状況、要素によって常に完全に一致しないことを理由に「カーマン・ライン」を宇宙空間との境界線とすることを提案し、国際委員会は国際航空連盟 (FAI) にこれを推薦したとのことです。

その後この提案は採用され、現在に至るまで「カーマン・ライン」は様々な目的のために使用される宇宙空間との境界線の定義として活用されているそうです。

また、アメリカ空軍では、高度80km以上を宇宙とみなしているそうですので、海抜高度100kmの「カーマン・ライン」は、宇宙空間を定義する一つの基準になると考えてもよいようです。

地球と宇宙とを明確に区分する何らかのラインが実際に引かれている訳ではありませんが、地球と宇宙とを区分するポイントとなるのが、地球を取り巻く大気だということです。

 

地球を取り巻く大気が宇宙との境界線を区分するポイント

地球を取り巻く大気があるからこそ、私たち人間を始め、地球の生命が存在出来る訳ですので、大気の有無が地球と宇宙との境目になるというのは、一つの目安にもなると考えてもよいようです。

また、大気の存在は、地球の影響力を推し量るうえでの”バロメーター”とも言えるようです。

大気はとても軽いものなので、宇宙空間に飛び散ってしまってもおかしくはないのですが、地球の重力によって引き付けられて、一定量の大気が地球の周りにとどまっています。

そういう点から言うと、大気の存在は、地球がどこまで影響力をおよぼすことが出来るのかを示す、一つの”バロメーター”になっているということにもなるようです。

そして、地球の大気は、その高度によって、気圧や密度が変化し、温度や性質も変わるのが特徴的であり、そのような変化に合わせて、地表に近い順番から、「対流圏」、「成層圏」、「中間圏」、「熱圏」の4つの層に分類されています。

 

地球の大気は「対流圏」「成層圏」「中間圏」「熱圏」の4つの層に分類される

スポンサーリンク

地球の大気は、地表に近い順番から、「対流圏」、「成層圏」、「中間圏」、「熱圏」の4つの層に分類されていますが、それぞれの特徴は以下のようなものになります。

★「対流圏」  地上から約10km

地上から約10kmが「対流圏」であり、地球の大気の大部分が「対流圏」に存在しています。
飛行機が飛ぶ高度くらいの層ということになります。

「対流圏」では、大気が対流を起こしますが、その原動力になっているのが、太陽光です。

太陽光は、地表を温めますが、その熱によって大気が温められ、やがて膨張していきます。
膨張した大気は、上昇気流を作って上昇していきますが、高度が高くなるにつれて冷やされることで、下降気流を形成し、そのような中で、雲や雨などの気象現象を起こすのだそうです。

★「成層圏」  地上から約10~50km

地上から約10~50kmに位置するのが「成層圏」であり、「成層圏」では、高度が上がるにつれて気温が上昇するのが特徴的だということです。

「成層圏」には、地球上の約90%のオゾンが集まっていて、オゾン層を形成しているそうです。
そして、「成層圏」で高度とともに温度が上昇するのは、「成層圏」の中に存在するオゾン層が太陽からの紫外線を吸収するからだそうです。

オゾン層は、太陽光の中に含まれている紫外線を吸収して、地上の生物を保護する役割も担っていることで知られていますが、地球上の約90%のオゾンが集まってオゾン層を形成しているのが、「成層圏」だということです。

★「中間圏」  地上から約50~80km

地上から約50~80kmが「中間圏」であり、「成層圏」と「熱圏」の間に位置します。
「成層圏」との境界を「成層圏界面」、「熱圏」との境界を「中間圏界面」と言うそうです。

「中間圏」は気圧が地表の約1万分の1しかない場所で、高度が上がれば上がる程気温は下がっていくようです。
「中間圏」の最上部の気温は、平均マイナス92.5℃しかなく、地球の大気の中で一番低い場所だということです。

★「熱圏」  地上から約80km以上

地上から約80km以上が「熱圏」であり、「熱圏」まで行くと、大気の密度がとても低くなるのが特徴的だと言います。

「熱圏」では、気体の分子が太陽からやって来る電磁波を吸収する為、一つひとつの分子のエネルギーは高くなるそうです。
太陽からの短波長の電磁波や磁気圏で加速された電子のエネルギーを吸収する為温度が高いのが特徴であり、2000℃相当まで達することがあるようです。

「熱圏」がどこまで続いているのかを決めるのはとても難しく、その境界が人によって異なるので、約500~1000kmと幅があるようです。

「熱圏」では、大気の密度がとても低く、気体の分子が存在しているものの、環境としては宇宙空間とほとんど変わらないようです。

ちなみに、流れ星やオーロラ、さらには「国際宇宙ステーション」(ISS)なども、この「熱圏」の範囲になるようです。

「国際宇宙ステーション」(ISS)が飛行している約400km上空は、「熱圏」の中にありますので、見方によっては、「国際宇宙ステーション」(ISS)は宇宙空間には出ておらず、地球にとどまっているという見方も出来るようですが、約400km上空では、周りに空気は無いと言ってもいい程、大気は希薄になるようです。

人工衛星の軌道の分類では、低軌道とされるうちの下半分は「熱圏」に入るようです。

また、「熱圏」の外側を「外気圏」と呼び、「外気圏」は約800~1万kmに及ぶようです。

 

国際航空連盟(FAI)の「カーマン・ライン」が宇宙空間の定義の一つ

結局のところ、宇宙と地球との空間には明確な境界線は無いようです。

国際宇宙条約において宇宙空間を定義することは領空の上限を定義することを意味する為、各国とも慎重であり明文化された定義は存在しないようです。

ただ、近年、宇宙空間の利用が急増しており、国際連合宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)の法律小委員会でもより厳密な定義が検討課題になってもいるようです。

今のところ、現状においては、国際航空連盟(FAI)が定義した、地上から100km上空の「カーマン・ライン」が、宇宙空間と大気圏の境界線としての一つの定義となっているようです。

スポンサーリンク

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ