[記事公開日]2016/01/06
[最終更新日]2016/04/09

宇宙の地図をつくるSDSS(スローン・デジタル・スカイサーベイ)は計算宇宙論の集大成

WMAPなどにより精密観測が可能となったことが計算宇宙論の出発点

昨今の宇宙論の進展はすさまじいといいます。

それは、理論の進展もさることながら、精密観測が可能となったことで、宇宙論は一気に「実証科学」の領域に突入したからなのです。

WMAPを始めとした精密観測によって、宇宙初期の密度のゆらぎが正確に分かるようになり、そのことが、計算宇宙論の出発点ともなりました。

WMAPは、NASA(アメリカ航空宇宙局)が打ち上げた宇宙探査機であり、ウィルキンソン・マイクロ波異方性探査機のことになります。

WMAP の任務はビッグバンの名残の熱放射である「宇宙マイクロ波背景放射」 (CMB) の温度を全天にわたってサーベイ観測することであり、2001年6月に打ち上げられ、太陽と地球のラグランジュポイント(ラグランジュ点)で2010年8月まで観測を行いました。

WMAP は多くの宇宙論パラメーターについて、過去の観測装置で得られた値よりも高い精度での測定を行ったとされています。

宇宙初期において、密度の高い部分は重力が強くさらに密度が高くなり、そうやって密度のゆらぎが宇宙の構造の「種」となり、その種が成長していって、徐々に宇宙の大規模構造が作られていく様子が詳しく分かるようになったようです。

WMAPは計算宇宙論の出発点ともなったようですが、その集大成であり終着点とも言えるのが、SDSS(スローン・デジタル・スカイサーベイ)だとも言われています。

計算宇宙論の集大成とも言われるSDSS(スローン・デジタル・スカイサーベイ)とは、どのようなものなのでしょうか?

 

計算宇宙論の集大成ともされるSDSS(スローン・デジタル・スカイサーベイ)とは

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WMAPが計算宇宙論の出発点だとすれば、SDSS(スローン・デジタル・スカイサーベイ)はその集大成であり終着点とも言えるものだとされています。

SDSS(スローン・デジタル・スカイサーベイ)は、専用の光学望遠鏡によって全天の25%以上の範囲を観測し、その範囲内に含まれる銀河やクェーサーの位置と明るさ、距離を精密に測定することによって詳細な宇宙の地図を作りあげるというプロジェクトのことです。

 SDSS(スローン・デジタル・スカイサーベイ)は、1億個の天体の位置と明るさを測定し、そのうち10万個の天体について分光観測を行い赤方偏移に基づいて距離を決定することを目標として、アメリカ、日本、ドイツの3カ国共同プロジェクトとしてスタートしました。

このサーベイによって、宇宙の大規模構造として知られる銀河の分布を、広範囲にわたって遠くまで精密に知ることができると期待されてスタートしたプロジェクトでした。

このサーベイは全天の4分の1の詳細な地図を描き、1億個以上の天体の位置と明るさを決めようというものです。

それに加えて、近距離の銀河百万個の距離を測ることで、これまでに調べられた体積よりも100倍大きな体積にわたって宇宙の3次元地図が得られるとともに、10万個のクェーサーまでの距離も調べるものです。

サーベイを完成させるために、SDSS共同研究グループはニューメキシコ州のアパッチポイント天文台に専用の2.5メートル望遠鏡を建設しました。

口径こそ小さいものの、SDSSの望遠鏡は驚くべき広視野を誇っているといいます。

通常の大口径の望遠鏡の視野が0.1度程度であるのに対して、その30倍の3度という視野を持っているのですが、これは満月30個分(直径3度の円)に相当するそうです。

SDSSは、1998年に望遠鏡とCCDカメラ、1999年には分光装置が完成し観測がスタートしました。

そして、およそ5年間の観測期間を経て、2005年には初期目標であった全天の25%における天体探査を終了しました。

総観測天体数は約2億個に達し、これをもとにそれまでで最も詳細な宇宙の3次元地図が作成されたそうです!

そして、初期目標が達成された後に、SDSS-IIと呼ばれる第2段階が開始されることになりました。

 

SDSS(スローン・デジタル・スカイサーベイ)の第2段階SDSS-IIがスタート

SDSS(スローン・デジタル・スカイサーベイ)は、およそ5年間にわたる観測期間で初期目標を達成し、その後、SDSS-IIと呼ばれる第2段階が開始されています。

SDSS-IIでは、3つのプログラムが実行されているといいます。

★SDSS-IIで実行されている3つのプログラム

*銀河系内の星を観測することによって銀河系の進化を調べるSEGUE

*SDSS-Iに比べてさらに広い範囲を観測するスローン・レガシー・サーベイ

*遠方銀河に出現するIa型超新星を観測して宇宙膨張を研究するスローン超新星サーベイ

SDSS(スローン・デジタル・スカイサーベイ)は、当初はアメリカ、日本、ドイツの3カ国共同プロジェクトとしてスタートしましたが、第2段階のSDSS-IIにおいては、当初の3カ国に加えて、韓国、中国、スイスの25大学、研究所、及び研究者グループによって推進されているとのことです。

SDSS(スローン・デジタル・スカイサーベイ)は、計算宇宙論の終着点であり集大成ともされているものですので、第2段階のSDSS-IIにおいて、今後さらに正確な、最新の宇宙の地図が完成していくことを期待したいと思います。

 

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