[記事公開日]2015/12/09
[最終更新日]2016/04/09

宇宙服は飛行士が宇宙空間で安全に生存する為の生命維持装置を付けた気密服で小さな宇宙船

宇宙服は、小さな宇宙船

宇宙服とは、宇宙飛行士が宇宙空間で安全に生存するために着用する、生命維持装置を備えた気密服のことを言います。

宇宙服は、宇宙船内で着用する船内服(与圧服)と、船外活動時に着用する船外服に大別されます。

宇宙服は、真空、宇宙放射線、熱といった過酷な宇宙空間から人間を守るだけではなく、船外活動のために酸素も供給する、小さな宇宙船と言うこともできるようです。

その上、船外で作業を行うために動きやすく効率的であることも求められます。

宇宙服に要求される機能には、主に次のようなものがあるようです。

 

宇宙服に要求される機能とは何か?

宇宙服には、主に次の機能が要求されると言います。

★気密性と気圧の調整

★動きやすさ(気圧差によって膨張して動きにくくなるため)

★酸素の供給と二酸化炭素他の除去(呼気を循環して再使用するため)

★体温の調整、特に冷却(宇宙空間は低温ではあるのだが、宇宙服には宇宙飛行士の体温を逃がす場がなく、また太陽光線も強烈であるから活動時は温度が上昇することになる)

★宇宙塵、デブリ、紫外線などからの防護

★外部との通信

初めて宇宙船の外に出た宇宙飛行士は、旧ソ連のレオノフだそうですが、宇宙服開発の歴史を見てみたいと思います。

 

宇宙服開発の歴史

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宇宙船内で着用する宇宙服(与圧服)を世界で初めて完成させたのは、1931年に旧ソ連のエヴゲニー・チェルトフスキーが完成させた「スカファンドル」 だとされています。

そして、宇宙船の外での船外服を初めて着用したのは、旧ソ連のレオーノフだと言います。

1965年3月18日に旧ソ連のアレクセイ・レオーノフが、ボスホート2号から世界初の船外活動を行いましたが、この時に使われたベークルト宇宙服が世界初の実用宇宙服だと言われています。

そして、この船外宇宙服は、船内与圧服を改良したものだったそうです。

アメリカは、旧ソ連より数ヵ月後の1965年6月3日に、ジェミニ4号で初の船外活動を行っています。

その後、NASAではアポロ計画用の宇宙服を開発し、スペースシャトル用の宇宙服 (EMU) へと進化しました。

ジェミニ、アポロ計画での宇宙服は、船内用与圧服と宇宙服を共用していましたが、スペースシャトルでは、船内与圧服(オレンジ色のスーツ)と宇宙服 (EMU) を使い分けるようになったようです。

アメリカの宇宙飛行士がスペースシャトルの離着陸時に着ている船内与圧服(オレンジ色のスーツ)は、高度30キロメートル以上で、スペースシャトル内の酸素やキャビン内の圧力が失われたり、低温環境、空気汚染などの事態が発生したりした際に、宇宙飛行士を保護するために着用されているようです。

この船内与圧服(オレンジ色のスーツ)が着用されるようになったのは、チャレンジャーの事故以降だと言われています。

また、スペースシャトルでの船外服(EMU)は、国際宇宙ステーションでの船外活動に備えて、低温環境での保温性の強化や、腕の動かしやすさの改善、グローブの改善、SAFER(宇宙船の新型簡易緊急船外活動装置)やヘルメットカメラの装着などの細かな改善を積み重ねたようです。

現在のアメリカの宇宙服は、水冷式の冷却用下着、与圧状態を保つ気密服、温度変化や放射線被曝を防ぎ微小隕石から保護する役割の保護服からなっているようです。

背中に背負っているのは生命維持装置で、酸素ボトル、水タンク、炭酸ガス除去装置、温度制御のための機器や、通信用のアンテナや電池もこの中に含まれているとのことです。

 

宇宙服の豆知識

宇宙服の重さは約120キログラムで、宇宙でなければ、重くてとても着ることはできないようです。

また、着用には、およそ15分ほどかかるそうです。

アメリカのEMU宇宙服は、1着あたり約1,000万ドルもの費用がかかると言われています。

なお、船外活動とはどこからどこまでかと言うと、宇宙飛行士が船外活動で着用する船外活動用宇宙服の電源を、スペースシャトルから宇宙服の内部電源に切り替えた時点から、船外活動を終えて機内に戻り、エアロック(出入り口)の加圧が開始された時点までを言うそうです。

 

宇宙服への日本の取り組み

2009年現在、宇宙服を開発・保有している国はアメリカ、ロシア及び中国のみであり、また、カナダと欧州で、研究が進められているようです。

日本は2011年に完成した国際宇宙ステーション計画に参加し、アメリカ航空宇宙局 (NASA)等と共同で将来の月面探査計画にも参加を行うことを考慮して技術蓄積を行うために、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) は国産宇宙服の検討を行っているようです。

開発を検討するのは次世代型の船内服及び船外服で、船外服の最終目標は運用圧力1気圧、重量20kg、活動時間一週間を目指しています。

JAXA(宇宙航空研究開発機構)では、6年ほど前から宇宙服研究チームを立ち上げているとのことですので、今後、日本製の宇宙服が使用される日が来ることを楽しみにしたいと思います。

 

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