[記事公開日]2016/03/25
[最終更新日]2016/04/05

宇宙移住へ向けた月面基地計画はNASAが建設を中止するも日本は有人月面着陸と基地が目標

          発展した月面基地の想像図(NASA提供)

人類の宇宙移住へ向けた月面基地とは

月面基地とは、月の表面に建設される、人間の居住空間を伴ってある程度恒久的なものとなる基地のことになります。

各国の計画やSFを含むフィクション作品に登場し、特にアポロ計画が成し遂げた月面着陸時から、にわかに現実味を帯びてきましたが、その後の宇宙開発計画の縮小・凍結により実現は遠くなりました。

ただ、2000年代に入ってから再び、日本を含む世界各国で月面基地建設に向けた提案がされてきています。

資金面や技術面などから、実現はまだまだ先のことになりますが、未来における、私たち人類の宇宙移住計画の一環でもありますので、いずれは、実現する日が来るものと思われます。

それでは、未来の月面基地はどのようなものなのか、見てみたいと思います。

 

代表的な月面基地の構造

月面基地の形状・材質については様々なアイデアが考えられていますが、代表的な月面基地の構造は次のようなものになります。

★円筒型モジュール構造

国際宇宙ステーション(ISS)のモジュールのような、円筒形のモジュールをつなぎ合わせる構造であり、使用済みのロケットを再利用することも考えられています。

★インフレータブル構造
空気圧で膨らませるドーム状の構造であり、地球からの運搬コストを削減でき、また容易に大空間を確保することができる。

★コンクリート構造
月の土から作成したコンクリートによる構造であり、コンクリートに必要な材料のうち、水以外は容易に月で入手できるため、同様に運搬コストを削減することができると言います。

その他、月の地下に存在すると予想される溶岩洞を利用すること等も考えられているようです。

 

月面基地の居住スペースは地下に作られる

月の表面には、有害な放射線(宇宙線)が降り注いでいるため、月面基地の居住スペースは、地下に作られることになるようです。

約2メートルの土を被せると、大部分の放射線をカットすることができると言います。

そして、太陽光で発電をするために、居住スペースの外の月面には大きなパネルが作られます。

月は自転の関係で、昼が約14日も続くと言いますから、太陽光発電は大切なエネルギー源となります。

そして、基地の中は、地球と同じ1気圧の空気で満たされることになりますが、月の重力は地球の6分の1なので、体重も6分の1になるそうです。

体重60キログラムの人は、10キログラムになってしまいますので、体が軽くなってしまい、跳ぶように歩けるようです。

 

月で栽培された野菜や果物が、将来地球でも食べられるようになるかも

月の重力は、地球の6分の1なので、月で栽培された植物は、地球よりも大きく育つ可能性があるようです。

月面基地の食べ物は、当然、地球からロケットで運ばれてきますが、それだけではなく、月面基地でも野菜や果物の栽培が行われ、食べ物の自給自足もできるようになると思われます。

地球の重力の6分の1の月で植物を栽培すれば、地球よりも大きく育つ可能性があります。

将来的には、月で作られた大きな野菜や果物が、地球の青果店やスーパーの店頭に並ぶ日も来るのかも知れません。

考えただけでも、ワクワクしますね。

 

様々な研究や実験が行われる他、月にはヘリウム3などの資源も豊富

月面基地では、天体観測や工業に使われる様々な素材の研究や実験が行われることになります。

また、地球に比べて重力の少ない月での環境が、人間の体にどんな影響を与えるのかを調べる医学的研究なども行われることになります。

そして、月の資源も開発されていくことになります。

『月には太陽風が運んでくるヘリウム3などの資源が豊富で月面基地計画の目的の一つ』、こちらの記事の中でも書きましたが、月には、レゴリス、ヘリウム3、イルメナイト、斜長石などの豊富な資源があるとされています。

特に、核融合発電でエネルギーを生み出せる物質として期待されているヘリウム3は、地球よりもはるかに多く存在しているようです。

ヘリウム3は、地球上においては存在量が稀少である上、人工合成もなかなか大変なので、月面の岩石からヘリウム3の採掘を試みる研究も行われているようです。

ヘリウム3は将来、核融合発電でエネルギーを生み出せる物質として大変期待されており、ロシア・エネルギア社の月面基地計画は、ヘリウム3の採取を目的としているとも言われています。

 

各国の月面基地計画の現状

2000年代に入ってから再び、日本を含む世界各国で月面基地建設に向けた提案がされてきています。

資金面や技術面などから、実現はまだまだ先のことになりますが、現状がどうなっているのかを見てみたいと思います。

各国の宇宙機関・企業により、次のような月面基地の構想・計画が発表されているものの、まだ実際の建設に向けた道筋は立っていないようです。

★アメリカ

NASA(アメリカ航空宇宙局) は2006年12月、月面基地の建設構想を発表し、2020年までに建設を開始して2024年頃には長期滞在を可能とするとしていました。

また、各国の宇宙機関や民間企業にも参加を呼びかけており、国際宇宙ステーション(ISS)同様の国際基地となる見込みでした。

その前段階としてNASA(アメリカ航空宇宙局) は2009年、新型ロケットや月面着陸船を開発するコンステレーション計画を本格的にスタートさせましたが、2010年にバラク・オバマ大統領により計画が中止されたため、アメリカの月面基地構想は白紙化された状態となっています。

★ロシア

ロシア連邦宇宙局は2007年8月、2025年までの有人月面着陸と2028年~2032年の月面基地建設を柱とした、長期計画を発表しました。

しかし、2014年の報道では、2040年までの基地建設を目指すとされており、計画時期が大幅に後退しているようです。

ロシアの民間企業であるロシア・エネルギア社では、ヘリウム3の採取を目的とした月面基地計画も進められているようです。

★日本

日本でもJAXA(宇宙航空研究開発機構)が2006年7月31日の月周回衛星「SELENE(かぐや)」シンポジウムにおいて、2020年前後の有人月面着陸と、2030年前後の月面基地建設構想を明らかにしています。

この月面基地は定員が2~3人で、居住棟、発電・蓄電システム、研究施設などから構成されるとしていますが、2014年時点では、有人宇宙飛行に向けた具体的な発表はなく、長期目標の域を出ていないようです。

★その他の国々

中国やインドなども有人月面着陸、月面基地を構想し、調査計画を進めているようです。

 

月面基地建設は、人類の宇宙移住へ向けた重要なステップ

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現在、有人宇宙飛行で月に到達するには莫大な費用がかかり、それに対する成果も少ないとして、無人探査機を使って月や火星などの惑星を探査することが主流となっています。

しかし、やはり有人探査の方が成果は高いと考えられているようです。

有人の月面基地があれば、月に関する詳細なデータを収集することができます。

また、月の重力は地球の約6分の1であるため、国際宇宙ステーション(ISS)などの無重量状態とはまた違った実験が出来る可能性もあります。

さらには、有人の月面基地があれば、火星などの他の惑星への有人探査の基地とすることもできます。

月面基地が完成し本格的な稼働を始めれば、月への人類の移住が始まり、それに伴う新たな資源採掘が進めば人類のエネルギー問題にも明るい兆しが見える可能性もありますので、人類の未来が大きく開ける可能性があります。

『宇宙基地を月面に建設したり月軌道にスペースコロニー(宇宙植民島)を作る構想もある』、こちらの記事の中でも書きましたが、将来、宇宙基地を月面に建設したり、月軌道上に数十万人が暮らすスペースコロニー(宇宙植民島)を建設する計画も、本格的に動き出す時が来るものと思われます。

 

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