[記事公開日]2016/04/25

宇宙開発チーム「HAKUTO」が月面探査レース参戦に向けてローバーの走行実験計画

       月面に似て砂の粒子が細かいとされる鳥取砂丘

「HAKUTO(ハクト)」が鳥取砂丘で月面無人探査車(ローバー)の走行実験計画

民間の宇宙開発チーム「HAKUTO(ハクト)」は、国際的な月面探査レース参戦に向けて、ローバー(無人探査車)の走行実験を鳥取砂丘(鳥取市)で行う計画のようです。

「HAKUTO(ハクト)」は、これまで静岡県内の砂丘で走行実験を行ってきましたが、月面に似て砂の粒子が細かい鳥取砂丘(鳥取市)でも行うことに決めたようです。

鳥取砂丘で実験を行うのは、鳥取砂丘の砂の粒子が細かく、月面に似ているからだと言いますが、理由はそれだけではないようです。

月面は目印となる構造物がないのに、ローバー(無人探査車)に搭載するカメラの映像だけを頼りに地球から遠隔操作しなければならないのだと言います。

鳥取砂丘は搭載するカメラに構造物が映り込まず、月面と同じ環境になる上、起伏に富んでいるため操縦訓練に適しているのだと言います。

宇宙開発チーム「HAKUTO(ハクト)」が参戦するのは、アメリカのIT企業グーグルがスポンサーになっている国際的な月面探査レース「Google Lunar Xprize」です。

 

民間組織によって月面ロボット探査を競う、世界初の国際賞金レース

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「Google Lunar Xprize」は、アメリカのIT企業グーグルがスポンサーとなり、XPRIZE財団によって運営される世界初の月面探査レースとなります。

賞金総額は3000万ドルで、優勝チームには賞金2000万ドル(現時点で約22億円)が贈られるそうです。

ただ、その目的は単なる賞金レースではなく、このミッションの本当の目的は、起業家の挑戦心を刺激して、低コストによる新しい宇宙ビジネスの育成や月の資源の効率的な開発と利用を実現することにあるのだと言います。

また、このレースに参加した各国チームの月への困難な挑戦を世界中の人々に公開することで、次世代のテクノロジーやイノベーションに関わる人々を、更なる宇宙への挑戦へと駆り立てることも、このミッションの重要な目的だとされているようです。

「Google Lunar Xprize」における具体的なミッションは次の3点になります。

☆「Google Lunar Xprize」のミッション

1.月面に純民間開発ロボット探査機を着陸させること
2.着陸地点から500メートル以上移動すること
3.高解像度の動画や静止画データを地球に送信すること

このレースの具体的なミッションは上記3点であり、月面に無人のロボット探査車を送り込んでから、500メートル以上走行させて鮮明な画像データを地球に送信することを競うことになりますが、民間資金のみで挑戦することが条件となっています。

そして、2017年末までに最初に達成したチームに賞金2000万ドル(現時点で約22億円)が贈られることになります。

世界10カ国以上から16チームが参戦し、日本からの参戦は「HAKUTO(ハクト)」だけになります。

 

「HAKUTO(ハクト)」は産学連携による民間の宇宙開発チーム

「HAKUTO(ハクト)」は2010年9月に設立され、ベンチャー企業「ispace」(東京)が運営する、産学連携による民間の宇宙開発チームになります。

チーム名の「HAKUTO(ハクト)」は「因幡の白うさぎ」伝説にちなむそうです。

「HAKUTO(ハクト)」には、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の小惑星探査機「はやぶさ」の開発などに携わった吉田和哉・東北大大学院教授がテクニカルリーダーとして参加されています。

また、産学連携による民間の宇宙開発チームである「HAKUTO(ハクト)」は、今回のレースにおいて、KDDI(au)とパートナー契約を結んだとのことです。

KDDI(au)は資金面と併せ、月面探査ロボット(ローバー)の無線操作やデータ送信を技術面で支えることになります。

KDDI(au)は、2つの課題の解決を担って、「HAKUTO(ハクト)」に技術を提供することになります。

1つ目の課題は、月面でも途切れない通信機能を実装する仕組みづくりになります。

月面は極端に乾燥し、鉄分やガラス質を含んだパウダー状の砂で覆われている上、岩石や巨大クレーターなどの障害物もあり、無線通信には不向きな環境なので、月面の通信環境を考慮に入れて、効率的に送受信できるアンテナを開発するとのことです。

そして、2つ目の課題は、低速な回線で高精細な映像を伝送する仕組みになります。

最大でも毎秒100キロビットという低速通信回線で高精細な映像をどう届けるかが大きな課題であり、さらには、通信中に欠落したデータを受信側で正しく補完する技術も提供することになるようです。

「HAKUTO(ハクト)」は、打ち上げロケットを他のチームと相乗りすることにしており、ローバー(無人探査車)に特化して開発を進めていますが、レースを完遂するためにはローバー(無人探査車)と地球を確実につなぐ通信技術が欠かせないものになります。

そこで、「HAKUTO(ハクト)」とKDDI(au)は、パートナーシップを結んでノウハウをいち早く確立させて、低コストでの宇宙探査方法の開発につなげるのが狙いのようです。

ローバー(無人探査車)は2輪と4輪を試作し、月面に送り込む第1候補の4輪は全長60センチ、幅54センチ、高さ48センチ、車体はカーボン複合材でできていると言います。

そして、重さが7キロありますが、今後4キロまで軽量化させて、実機にする方針だと言います。

月面へは、アメリカの民間企業がフロリダ州から来年打ち上げる予定のロケットと月面への着陸機で、他チームのローバー(無人探査車)とともに運ばれる予定のようです。

「HAKUTO(ハクト)」が行う鳥取砂丘での走行実験は9月の数日から1週間を予定しており、滑らないかなど車輪の性能を確認し、操作に習熟することになります。

実験場所は山陰海岸国立公園内のため、県や環境省の許可を得たうえで実施するとのこと。

「HAKUTO(ハクト)」のローバー(無人探査車)は昨年の2015年1月、走行技術の面で参加チーム中、トップ5に入っているとして、競技を主催するXPRIZE財団(アメリカ)が設けた中間賞を受賞しています。

「HAKUTO(ハクト)」のローバー(無人探査車)が宇宙空間でも機能する性能を持つことを証明して、「Google Lunar Xprize」による「モビリティサブシステム中間賞」を2015年1月に受賞し、賞金50万ドルを獲得したとのことです。

ぜひ、本番のレースにおいても、チーム「HAKUTO(ハクト)」のローバー(無人探査車)が月面を「白兎(しろうさぎ)」のように軽快に走って、見事優勝してくれることを期待したいものです!

 

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