[記事公開日]2015/12/06
[最終更新日]2016/04/09

宇宙環境で飛行士が無重力状態から受ける影響は宇宙酔いやムーンフェイス・筋肉萎縮など

宇宙環境にいると人間はどうなるのでしょうか?

宇宙環境は人間にどのような影響を与えるのでしょうか?

国際宇宙ステーション(ISS)で働く宇宙飛行士たちは、宇宙空間の環境の中で生活するようになると、地上では経験したことのない違和感を覚えたりするようです。

宇宙環境で生活する宇宙飛行士たちが、地上では経験することのない違和感を覚えたりするのは、やはり、無重力状態からくるところが大きいようです。

無重力状態が人に与える影響には、「宇宙酔い」、「体液シフト」、「骨カルシウムへの影響」、「筋肉の萎縮」などがあるそうです。

その中でも、半数以上の宇宙飛行士がかかると言われているのが、「宇宙酔い」だと言います。

 

「宇宙酔い」は半数以上の宇宙飛行士がかかると言われている

無重力状態が人体に与える影響の中でも、「宇宙酔い」は、半数以上の宇宙飛行士が掛かると言われており、宇宙飛行士の60~70%が、「宇宙酔い」と呼ばれる、頭痛・吐き気・嘔吐などの異変を感じるそうです。

「宇宙酔い」の症状は、めまい、嘔吐、食欲減退など、乗り物酔いに似ているようですが、酔い止め薬の効果はないそうです。

人が無重力空間に放り出された時から数時間の内に起こり、その状態が数日(3~5日程度)続くと言います。

そして、1週間もするとほとんど元通りになり、その後再発することはないそうです。

「宇宙酔い」の原因はまだ明らかにはなっていないようですが、「微小重力」の環境からくる無重力状態が大きく関係しており、内耳の三半規管がバランス感覚を取れなくなるためだろうとも言われています。

体の姿勢の制御をしている「耳石器」(内耳の中にある石で、平衡感覚などを司っている)が重力を感じられなくなり、目で見た体の姿勢と「耳石器」の情報が一致せず、脳が混乱するようです。

私たち人間は、目から入ってくる情報だけではなく、耳の奥にある「耳石器」が感じる重力の情報や、筋肉の張り具合などの情報も利用して、自分の姿勢や動きを確認しているようですが、それらの情報は、重力と密接に関係している為、重力がほとんど無い宇宙では、情報がうまくコントロールできずに、脳が混乱して「宇宙酔い」になるのではないかと考えられているようです。

ただ、「宇宙酔い」はずっと続く訳ではなく、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在し、宇宙の環境に慣れてくると、だんだんと治まってきて、1週間程度で治り、その後再発することはないそうです。

また、乗り物酔いしたことがない人でも「宇宙酔い」を起こした研究結果もあり、乗り物酔いをしやすいか否かと「宇宙酔い」をしやすいか否かは関係がないと言われています。

ちなみに、私たち人間だけではなく、動物も「宇宙酔い」を起こすようです。

毛利衛氏が宇宙で蛙を使った動物実験でも、嘔吐する際のような奇妙な行動を見せたそうです。

また、向井千秋氏が、1994年にスペースシャトル・コロンビア号で、金魚の宇宙酔い実験を行っています。

「宇宙酔い」は1週間程度で治まり、その後再発することもないようですが、それ以外にも、宇宙環境が人間に与える影響には、「体液シフト」と呼ばれるものもあります。

 

無重力状態からくる体液シフトにより「ムーンフェース」になる

宇宙空間に出ると、人体には様々な影響が出ますが、その一つに、体液の上昇があるそうです。

地上では重力があるため、血液等の体液は絶えず下向きに引っ張られていますが、無重力の宇宙に出ると、その力が働かないので、体液は頭の方に集まってしまいます。

その為、顔が地上にいる時よりむくんで見えるのですが、これを「ムーンフェース」と呼ぶそうです。

また、「ムーンフェース」と同時に、足も細くなるそうです。

そして、地上に帰還する時には体液が下半身に集まっている為、脳や上半身に充分な体液が送られず、血圧の低下や失神を起こす可能性があるそうです。

その為、地球に帰還時には、大量の水を飲み、下半身に圧力を加えて、体液を上半身に押し上げる「下半身加圧負荷」を行うなどの方法がとられているようです。

また、「骨カルシウムへの影響」「筋肉の萎縮」などの影響もあるようです。

 

「筋肉の萎縮」や「骨カルシウムへの影響」も大きい

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無重力のもとでは、足で立って移動するのに歩く必要がないので、とくに足の筋肉が低下するようです。

また、骨の中のカルシウムは血液中に溶け出し、尿とともに排泄されてしまうそうです。

地上と違って、宇宙船内では常に無重力状態で、立ったり歩いたりする必要が無い為、足腰の筋肉が衰え、骨量が減ってくるようです。

地上においても、年齢を重ねていくと1年に約1~1.5%の割合で骨量が減っていくようですが、宇宙生活では、なんと、地上での10倍のスピードで骨量が減っていくというから、驚きです。

そこで、宇宙飛行士には、宇宙にいるあいだ定期的に、自転車こぎなどのトレーニングをおこなうことが義務づけられているそうです。

国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する宇宙飛行士は、今ではどんなに長くとも6ヶ月で地球に戻るようですが、足腰が衰えていると、地上での生活に支障をきたすようです。

この他、宇宙放射線による影響なども考えられるそうですが、宇宙環境が人間に与える影響として、宇宙飛行士の精神的ストレスも大きいようです。

 

国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する宇宙飛行士には肉体的・精神的に求められる資質が大きい

国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する宇宙飛行士には、精神的ストレスも大きいようです。

宇宙船内の閉鎖された環境の中で感じる精神的ストレスは尋常ではないようです。

約6ヶ月間、宇宙船内という閉鎖された行動範囲の中で生活し、24時間同じ顔ぶれの数名のメンバーと顔を突き合わせながらの生活をするというのは、かなりストレスがたまる生活だと思います。

地上のように、好きな時に外に出かけて行き、町の中をぶらついたり、あるいは、大自然の中でリフレッシュしたりすることができない訳ですから、相当タフな精神が求められるようです。

そして、宇宙飛行士に求められる資質の中には、「健康」はもちろんのこと、「協調性」というものも、求められているそうです。

宇宙飛行士が、地上と違った無重力状態の宇宙環境の中で生活する為には、健康な肉体はもちろん、必要な資質となります。

ただ、それだけではなく、限られたスペースシャトルの中で数人が共同生活する為、「協調性」やチームプレーの精神も必要な資質として求められているそうです。

国際宇宙ステーション(ISS)に滞在して生活される宇宙飛行士のみなさんは、本当にタフな方々だと思います。

 

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