[記事公開日]2016/05/05

宇宙論は古代からエジプト・インド・ギリシャ・中国などで神話や宗教に残されている

古代インドのヒンドゥー教的世界観においては、世界は大きな蛇と亀と、その上にいる象によって支えられていると考えられていた。

宇宙論は古代から世界各地で神話や宗教に残されている

宇宙論は、古代の時代から、世界各地で様々な神話や宗教の中に残されています。

古代バビロニアをはじめ、古代エジプト、古代ユダヤ、古代インド、古代ギリシャ、古代中国などには、様々な宇宙観、世界観が神話や宗教の中に残されています。

古代の人々の宇宙観とはどのようなものであり、古代の人々は宇宙のことをどのように捉えていたのでしょうか?

私たち日本人が使っている漢字の「宇宙」という言葉は、最初に、中国の古文書である『荘子』『淮南子』といった文献で見つけることができるようです。

紀元前2世紀の中国の思想家がまとめた『准南子(えなんじ)』という書物に、「往古来今これ宙という、天地四方上下これ宇という」と書かれているそうです。

「往古来今」とは過去から未来へと続く「時間」の流れを表します。

そして、「天地四方上下」とは前後左右上下に広がる「空間」のことを表します。

つまり、「宇宙」とは、「時間と空間」の両方を指す言葉として書かれているということであり、これは、「時間と空間」は唯一つの「時空(時空間)」の一部だと考える現在の宇宙論にも通じる言葉だと言えるかも知れません。

『准南子(えなんじ)』よりも古い『荘子』の中にも、「天地四方日宇、往古来今日宙」として、「宇」という「空間」を表す言葉と、「宙」という「過去と未来」すなわち「時間」を表す言葉が書かれているようです。

そして、「宇宙」という言葉は、英語では「universe」または「cosmos」と言います。

「universe」の語源はラテン語で「回転して一つになったもの」を意味(uni+vers、vertere 「回転する」)します。

現代では、多元宇宙論などで、複数の宇宙を意味する「マルチバース(multiverse)」という概念がありますが、古代においては、元々宇宙は一つのものと考えられていたようです。

そして、「cosmos」という言葉はギリシャ語で「秩序、宇宙、世界」を意味する言葉が語源であり、「秩序と調和の表れとしての宇宙」を意味しており、混沌とした世界の逆を意味する言葉になります。

古代の人々の宇宙観とはどのようなものだったのか、主な宇宙観を見てみたいと思います。

 

世界各地の古代の様々な宇宙観

スポンサーリンク

★古代バビロニアの宇宙観

古代バビロニアの宇宙観は、6層からなる複雑なものであり、3層の天界と3層の地界(地の世界)からなっていたようです。

3層の天界のうち一番下の層に星がちりばめられており、その上に2つの天界があると考えられていたようです。

そして、地界の一番上に人間が生きる大地が円盤状に広がっており、その下に淡水の海が広がり、一番下には死者の世界が存在すると考えられていました。

★古代ユダヤの宇宙観

世界は原始の海で満たされており、地球の柱の上に大地があり、天国の柱に支えられた天国が天空の上に広がっていると考えられていたようです。

★古代エジプトの宇宙観

天空の女神ヌトが四足で立っており、その全身には星々が輝いていると考えられていました。

ヌトの重さを支えるのは大気の神シューです。

そして、大地の神はゲブであり、古代エジプトの世界観では、時間と大地の神ゲブが宇宙の卵を産んだと考えられていたようです。

また、太陽の神と月の神が、舟に乗って天空のナイル川を行ったり来たりするため昼と夜が来ると考えられていました。

★古代インドの宇宙観

古代インドの宇宙観では、世界は半球形で、大きな蛇と亀と、その上の多数の象により支えられていると考えられていたようです。

インドのヒンドゥー教では、世界は4頭の象に支えられており、その象は巨大な亀に支えられ、さらにその亀を、みずからの尾をくわえた竜(蛇)が取り巻いているとされています。

みずからの尾をくわえた竜(蛇)は、「ウロボロスの蛇」と同じイメージです。

この古代インドの宇宙観は、現代物理学にも当てはめることができるようです。

現代物理学では、私たちが知っている「通常の物質」(バリオン)は4%に過ぎず、銀河や銀河団の中心を満たしている「ダークマター(暗黒物質)」が23%、そして宇宙全体に広がった真空のエネルギーである「ダークエネルギー(暗黒エネルギー)」が73%になります。

古代インドの世界観を現代物理学に当てはめて、「象=バリオン」、「亀=ダークマター」、「蛇=ダークエネルギー」と考えることもできるようです。

★古代ギリシャの宇宙観

古代ギリシャの宇宙観では、大地は海に囲まれており、その周囲の山々が天を支えていると考えられていましたが、紀元前5世紀頃になると、地球が丸いということがギリシャの自然哲学者たちにより理解されるようになったようです。

★古代中国の宇宙観

古代中国の人々は、私たちの世界は、平らな大地が巨大な”ふた”で覆われていると考えていたようです。

そして、太陽や星は、巨大な”ふた”の内側に貼り付いて光を放っていると考えていました。

★北欧神話の宇宙観

北欧神話においては、宇宙は1本の巨木を中心にして存在していると考えられており、1本の巨木は「世界樹(ユグドラシル)」と呼ばれていました。

人間はミッドガルドと呼ばれる「世界樹(ユグドラシル)」の中央付近に住んでおり、最上部が神々の住まいと考えられていたようです。

 

スポンサーリンク

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ