[記事公開日]2016/03/24
[最終更新日]2016/04/05

宇宙食は種類や味や作り方が進化し日本のたこ焼きやアイスもJAXAやAmazonで販売

         国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙食

宇宙食はNASAがアポロ計画で立てた宇宙食開発計画で大きく進化

宇宙食は、時代とともに進化しており、今では各国で様々な宇宙食が作られるようになっています。

しかし、一番初期の頃の宇宙食というのは、食事と呼ぶには、あまりにも寂しい感じのものであり、ただ、栄養を補給するだけのようなものが中心でした。

『宇宙食で飛行士が栄養や食事を安全に摂れるようにNASAはハサップ(HACCP)を考案』、こちらの記事の中でも書きましたが、初期の宇宙食は喉に食べ物がつまるのではないかとの不安から、チューブに入ったものやトレイに充填されたペースト状のものが多く、離乳食に近いものでもあったため、宇宙飛行士からの評判も悪かったようです。

初期の宇宙食と言えば、一口サイズの固形食やクリーム状、あるいはゼリー状の食べ物が中心でした。

しかし、その後、人間は無重力状態でも問題なく食べ物を飲み込め、消化出来ることが分かり、現在の宇宙食は種類も豊富になり、その種類も千種類ほどもあるそうです。

そして、宇宙食を大きく進化させたのは、NASA(アメリカ航空宇宙局)がアポロ計画のために立てた、壮大な宇宙食開発計画でした。

『宇宙食の作り方はNASAのアポロ計画で導入された食品加工技術で大きく進歩』、こちらの記事の中でも書きましたが、NASAのアポロ計画で導入された食品加工技術で、宇宙食の作り方は大きく進歩することになり、食事の種類も豊富になり、宇宙飛行士は種類や味が豊かで、しかも安全な宇宙食を楽しめるようになりました。

NASA(アメリカ航空宇宙局)は、宇宙食が持っている様々な制約の問題を解決するために、アポロ計画のための壮大な宇宙食開発計画を立てました。

これにより、宇宙食は大きく進歩することになりますが、NASAが開発した宇宙食の食品加工技術の主なものは、「凍結乾燥技術(フリーズドライ)」、「レトルトパウチ技術(レトルト殺菌技術)」であり、これにより、アポロ計画の宇宙食は、豊富なメニューを揃えることが可能となりました。

それに加えて、NASAは、宇宙食を製造するための新しい衛生管理手法として、「総合衛生管理(HACCP)」の手法も開発しました。

NASA(アメリカ航空宇宙局)がアポロ計画のために立てた壮大な宇宙食開発計画により、宇宙食は大きく進化することになったのです。

現在では、ボイルしたロブスターや、フライドチキン、シュリンプカクテルといった、バラエティーに富む数百種類もの宇宙食が用意されており、その中からあらかじめ試食して選ぶことができるようにもなっているようです。

そして、国際宇宙ステーション(ISS)で働く宇宙飛行士たちには、国ごとに、様々なメニューが用意されており、もちろん、日本の宇宙食というのもあります。

現在の宇宙食がどのようなものなのか、見てみたいと思います。

 

国際宇宙ステーション(ISS)で働く飛行士の宇宙食

宇宙食は、宇宙飛行士のための食事なので、宇宙に人を送り込んでいる国で必要となりますので、国際宇宙ステーション(ISS)加盟の15ヵ国に、中国を加えた国で必要となります。

現在、国際宇宙ステーション(ISS)には、日本をはじめ、アメリカ、ロシア、カナダと、欧州宇宙機関(ESA)加盟の各国(ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ノルウェー、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス)の15ヵ国が参加しています。

そして、国際宇宙ステーション(ISS)に搭乗する飛行士の食事は、基本的にNASA(アメリカ航空宇宙局)とロシアが1対1で供給するそうです。

★NASA(アメリカ航空宇宙局)の宇宙食

NASA(アメリカ航空宇宙局)の宇宙食は、アポロ計画のために行った、壮大な宇宙食開発計画でほぼ完成したものとなっています。

その時に開発した食品加工技術である、「凍結乾燥技術(フリーズドライ)」と「レトルトパウチ技術(レトルト殺菌技術)」を使った食品が主流となっています。

ビーフステーキのように、おいしいものには油と塩分が多いものですが、これは宇宙食でも同じです。

NASAでは、今後、認証する宇宙食はナトリウム含量が少ないものを推奨して塩分を減らし、おいしさよりも宇宙飛行士の健康を優先させる考えだと言います。

NASAの宇宙食は、ヒューストンにあるNASAジョンソン宇宙センターで試作が行われ、様々な検査を経て、宇宙飛行士用の食品はジョンソン宇宙センターに隣接した協力工場で製作されます。

この他に、果物などの生鮮食品は、ロケット打ち上げ直前に、フロリダのケネディ宇宙センターのキッチンで用意され、打ち上げ直前に殺菌水(自亜塩素酸)で殺菌されると言います。

★ロシアの宇宙食

ロシアの宇宙食も、基本はNASA(アメリカ航空宇宙局)と同じですが、製造は、ロシア宇宙局直属の工場で製造されます。

宇宙飛行士は、搭乗が決まると、ジョンソン宇宙センターのフードラボに集まり、飛行期間中で必要とする宇宙食の選択を行います。

メニューリストから選択し、1週間の献立を決めるのですが、この際、NASAとロシアのメニューが対等となるようにし、栄養要求を満たしているかが、フードラボの栄養士によってチェックされます。

もちろん、あらかじめ試食することもOKです。

そして、国際宇宙ステーション(ISS)には、ボーナス食も用意されています。

 

国際宇宙ステーション(ISS)のボーナス食

国際宇宙ステーション(ISS)には、おしきせのNASAとロシアの宇宙食とは別に、参加各国で用意するボーナス食もあります。

宇宙飛行士はアメリカとロシアが中心となっていますが、国際宇宙ステーション(ISS)は参加15ヵ国によって運用される国際的運用になりますので、参加15ヵ国の宇宙飛行士たちが集まってきます。

国が違えば食習慣も違い、故郷の味というものも当然ありますので、飛行士の希望で故郷の味の持ち込みが許可されています。

ボーナス食は、各国で用意するものですが、NASAで決められた指定の容器に充填・包装されるため、厳しく数量が規制されていますが、その代わり、中身は問われないそうです。

★フランスの宇宙食

フランスも国際宇宙ステーション(ISS)に参加していますので、フランス人飛行士のために、その嗜好に合う宇宙食を用意しています。

2005年9月には、新たに12食品のフランス宇宙食が開発されましたが、ブルターニュ地方のロブスターや、バスク地方の薬味付け卵ココットなど、フランス各地の食材やソースが特徴的となっています。

★イタリアの宇宙食

イタリアにおいても、食事は宇宙飛行士にとって大切な憩いの時間と認識していますので、宇宙食の種類も、オリーブ、リゾット、フィットチーネ、チーズ、桃など、イタリア色が豊かな宇宙食となっています。

★カナダの宇宙食

カナダの宇宙食は、カナダ西海岸産サーモンパテの他に、クスクスのモロッコ風ソース和え、インド風カレーなどもあるようですが、多くの移民を受け入れてきた多民族国家であるカナダの食文化が反映されたものとなっているようです。

★中国の宇宙食

中国は、国際宇宙ステーション(ISS)には参加していませんが、自前のロケットを使って、神舟という人が搭乗できる宇宙船の打ち上げを行っている大国です。

中国の宇宙食では、アワビやエビなどもメニューにあり、結構グルメな宇宙食のようです。

そして、もちろん、日本の宇宙食というものもあり、宇宙日本食は、かなり高い品質があるようです。

 

宇宙日本食はカレーやラーメンなど、家庭の日常の味を目指して開発

日本の宇宙食の開発は、2003年から始まりました。

毛利衛飛行士がスペースシャトルに搭乗し、いよいよ国際宇宙ステーション(ISS)の組立も本格化してきた時期であり、日本人宇宙飛行士もその数が増え、次々と宇宙へ行くことになり、飛行時間も長期化する時期でもありました。

そのため、日本人宇宙飛行士のために、日本食を食事として提供しようという考えがJAXA(航空宇宙開発機構)の前身であるNASDAの中に持ち上がったようです。

★宇宙日本食のコンセプト

宇宙日本食を開発するにあたって、次のコンセプトが掲げられました。

「宇宙日本食は、日本人宇宙飛行士の心と身体の健康をサポートする」
① 宇宙環境下での、筋肉と骨の退化の進行を遅らせる
② 宇宙環境下での、放射線被曝による影響を軽減する
③ 長期間の閉鎖空間環境下での、精神的ストレスを緩和する

これらのコンセプトに従って、企業では、宇宙日本食として採用を希望するものを、エントリーすることになりました。

宇宙日本食は、日本の家庭の日常の味を目指したものになります。

日本食というと、寿司や天ぷらをイメージするかも知れませんが、日本人が最も好む家庭の食事であるカレーやラーメンを目指したものとなりました。

そして、日本においてはJAXAが認証基準の制定と認証作業を行っており、2007年6月には第一回目の認証が行われ、第一次認証として、カレーやラーメンなど28食品が認証されています。

これにより日本製宇宙食「宇宙日本食」はどのミッションでも供給出来ることとなり、バラエティ豊かな宇宙食の一つとして、他国の宇宙飛行士たちにも人気のメニューとなっています。

では、どのような宇宙日本食があるのでしょうか?

 

宇宙日本食は国際宇宙ステーション(ISS)の他国の飛行士たちにも人気

JAXA(航空宇宙開発機構)が食品会社と共同で認証審査および選定を行った宇宙日本食は、国際宇宙ステーション(ISS)の一般食に採用されており、2008年からは通常メニューとして宇宙日本食を食べることが可能になりました。

また、宇宙飛行士が自分の好みの食事を持ち込むことも可能であり、変わったものとしては、向井千秋氏が公募して持ち込んだ、菜の花のピリ辛あえなどがあります。

★主食としてのごはん

主食としてのごはんには、白飯・赤飯・山菜おこわなどがありますが、いずれもアルファ化米の製品で、お湯で還元して食する形になります。

赤飯は、宇宙でのお祝いごとに重宝するそうです。

★ラーメン

ラーメンにも数種類ありますが、凍結乾燥品でお湯で復元するものになります。

ラーメンといっても丼に入れてすする訳ではなく、汁にとろみを付けて飛散防止の工夫がされている「とろみラーメン」であり、実はとろみの付いたあんかけ焼きそばのようです。

宇宙食に不適な食品の代表格としてラーメンがありましたが、これも日清食品中央研究所が「スペース・ラム」という名称で実際に開発したインスタントラーメンを野口聡一氏が持ち込んでいます。

この「宇宙ラーメン」とも呼ばれる「スペース・ラム」は、カップヌードルをベースとしていますが、一般に食べられているカップ麺とは少々異なり、袋の中に摂氏約70度と低温の湯で柔らかくなる円筒状にまとめられた麺3塊が入っており、これに湯を注入して、所定時間置いてから袋を破って円筒状になった麺をフォークや箸で食べるというもののようです。

スープが飛び散らないように粘度が高く、少量で麺にまぶす程度しかないので、「宇宙ラーメン」が「とろみラーメン」となってしまうのは、致し方ないところなのかも知れません。

★カレー

日本人の食事として定番のカレーも、米飯とともに食されており、宇宙でも人気だと言います。

★副食では魚料理が人気

副食では、イワシのトマト煮、サンマの蒲焼き、サバの味噌煮などの魚料理が人気メニューのようです。

NASAのメニューは、肉料理が中心なので、魚料理は他国の飛行士にも引っ張りだこで、本家の日本人の口にはなかなか入らないとも言います。

★お茶

お茶には緑茶とウーロン茶がありますが、外国人飛行士には、ウーロン茶は馴染みがないようです。

★その他

たこ焼き、みそ汁、おかゆ、せんべいなどの他、デザートとして、羊羹やキャンディなどもあります。

 

日本宇宙食はたこ焼きやアイスなどがJAXAやAmazonで販売されている

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日本宇宙食は色々あり、国際宇宙ステション(ISS)の外国人飛行士たちにも人気だと言いますが、私たち一般の日本人でも、JAXA(宇宙航空研究開発機構)やAmazonで購入することが可能です。

JAXAグッズや宇宙食・宇宙グッズ販売「宇宙の店」、あるいは、Amazonでも購入することができます。

ちなみに、人気のたこ焼きは税込540円、スペースアイスクリームは税込648円、スペースカレーは税込540円、宇宙の種水(天然水)は税込324円となっています。

宇宙日本食は、他国の飛行士にも人気だと言いますが、これからさらに進化した宇宙日本食が開発されていくものと思います。

 

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